「私の息子が異世界転生したっぽい」の作者さんか〜!!この方は漫画原作もされてますけど、ご自身で描かれた作品の方が私は好きですね。今回の作品は旦那が料理に無関心なことがきっかけで殺意が芽生えるという、よくあるきっかけの話ですが、ちょっとしたところの描写が面白いですね。例えば旦那が料理に醤油をかけすぎるシーンですが、これもインスタで主婦が描いてる漫画なんかにもあるようなネタですけど、醤油をかけすぎて目玉焼きが血まみれみたいに見える描写がクールでした。こういう細かいところで気の利いたことが出来るって案外難しいのよ〜。ラストの「未遂」もシャレが効いてていいですね。
ニュースで家庭内で起こった殺傷・殺人事件が報じられると、家族なのにとは思わず、むしろ家族だからこそ殺したくなるまで憎んでしまうことってあるよなと思う。家族だから、長い間一緒にいることで積み重なってきたものがちょっとしたきっかけで一瞬で崩れてしまい最悪の事態が起きやすい。この漫画を読んで、家族に殺意を向けられているかもと気づく人がいるかもしれない………?
人とのつながりと自分だけの時間と、睡眠時間。 なんと贅沢なものだったんだろう。 とくに睡眠時間。 「伝説のお母さん」もそうだったけど、作者さんは子育てについて、ものすごく共感しかない漫画を描かれる方だなと思う。 寝る子寝ない子食べる子食べない子。 子供に悩まされる。 子供を産んで育てるという今までと違う生活になってしまったことにも、悩まされる。 作中に出てきたショップカードにある 「さみしくなったら来てください」 の文字が身に染みる。 さみしい気持ちは如何ともし難い。 ラジオ深夜便にお便りを送る方や、(旧)Twitterでつながる方。 さみしさを埋めるためにつながりを誰かと持って、やんややんやできると、さみしさはちょっと変わる。 子供の成長をそばで見てくれている人が、同調してくれたら、さらに良いと思う。 ちなみに、マイナビ子育てに掲載されている最新第8話は、他の子が卒業してもよなきごやに通う親子の話。 ひと安心できる話になりますように。 追記 第8話がフルページ公開され、ひと安心できました。 Xへのポストに、作者さんが書きたかったことが書けたとありました。
『伝説のお母さん』や『私の息子が異世界転生したっぽい』などで知られる、かねもとさんがTwitterやマイナビ子育てで発表していた作品です。 『What’s Home』なども含めて色々な形の「母親」を描いてきたかねもとさんですが、本作は我が子の「夜泣き」に悩まされる非常にリアルな現実世界の母親たちの姿が描かれます。1話完結のオムニバス形式で、それぞれのお話ごとに微妙に違った形で悩みを抱えている母親たち。 育児に協力的な夫もいれば、無関心・無意欲な夫もおり、酷いところは夜泣きに対して母親を責めたり怒ったり。たったひとりの夫にすら理解されず、たったひとりの子供に対しての愛情が薄れるばかりか憎しみすら芽生えてしまう、自分が自分でなくなるような恐ろしさ。 結婚して子供ができて幸せなはずなのに、同級生に誘われることもなくなり、SNSで楽しそうに遊ぶ友人たちを見て深める孤独感。 人生を賭して愛してきたアーティストの曲や、好きな小説、好きな食べ物、すべてが無味乾燥に感じてしまう瞬間。 疲れ果てて、眠りたいのに眠ることもできない終わりなきストレスの連続。 安らげる場所がない、笑えない、夜がくるのが怖い…… そんな迷える母親たちの救いの場所となるのが、正体不明の「よなきごや」。誰でも自由に入れて、赤ちゃんに必要なものから母親用のあたたかい飲み物や軽食まですべて無料、さらには防音の眠れる場所まで提供してくれる夢のようなスペースです。 何より、そこには自分と同じように悩み苦しむ他の母親がいて、自分の苦しみや辛さを分かち合い助け合うことができて、孤独な戦いから解放されていきます。 現実には難しいとは思いますが、こんな場所があればいいのにと心底思います。しかし、現実にはなかったとしてもこの物語が形として存在することには大きな意味があります。彼女たちが「よなきごや」によって救われる描写を通して、まさに今同じような窮状にある人も心が救われるでしょう。 すべての命の誕生は奇跡であり、その命を育んでいく営為もまた並大抵のことではありません。今夜も、世界のどこかで押し潰され限界を迎えてしまっている母親がいるのではないでしょうか。そういった人に、この物語の慰撫が届いて欲しいです。 また、父親も読んでおいて損はしません。男性には想像しにくい女性の辛さは多々ありますが、その想像力を補う一助になってくれる作品です。ダメな父親たちを反面教師にしていきましょう。
涙なしでは読めませんでした。 自分の人生について考えてしまった。 息子を交通事故で亡くした未央。未央は亡くなった息子が異世界に転生したと思い同級生、堂原の元を訪ねて転生する方法を2人で探す。 私は、本当に異世界に行って息子と会えるのかなと思ってたんだけど、やはり異世界はない。 息子の死を受け入れられない未央の気持ちが、漫画の中から伝わりすぎて読んでて辛かった。 きっと、心の奥底では息子はもういないって分かってたんだろうなぁ。でも納得できないし受け入れるなんてできないよな。 特に最終巻、現実と向き合った未央に、前に進む2人に更に心掴まれ涙でした。
スピリッツで連載中の「私の息子が異世界転生したっぽい フルver.」がもうすぐ完結するので原作であるこちらを読んでみました。「フルver.」の方が画力も高いしページ数も多いから丁寧で分かりやすい作りになってるけど、これはこれで好きですね。特に堂原のキャラデザはこちらの方が好みかも。ただネタのフックの強さの割にオチがよくあるやつだったので物足りなさはあったかも…。「フルver.」のラストではもう少し踏み込んだ何かを期待してしまいます。
ストレートに言って凄く好きです。 『私の神様』のコメントでも記載したのですが、私かねてから異世界転生モノは「別れの話」だと思っていたんです。 ※以下引用です https://manba.co.jp/topics/21259 === ループものは、繰り返しの終わりを 異世界からきたものは、自分の世界にどうやって戻るかを こんな感じで、最後に必ず別れを描く必要がある。 === そしたら、まさかここまでストレートな作品がでてくるとは! タイトルとあらすじから、うわーーーーっと震えながら読みました。 さてその内容ですが、 息子が交通事故にあい、息子が好きだったラノベを読み耽るうちに転生したのでは?と考えるようになって、かつての同級生でオタクな主人公・堂原の元にやってきた母・美央。 堂原はラノベに詳しいこともあり、二人で、転生する方法ないしは息子を転生先から連れ戻す方法を探す、という流れ。 正直、もうこの時点でちょっと悲しい。 交通事故で異世界に転生とかそんなわけないだろ と そう思いたくなる気持ちもわからんでもない と、その狭間で揺れます。 突然すぎる理不尽な死は、簡単には受け入れられないですよね。 子供の死ならなおのこと。 そして、久しぶりの再会で、転生方法を探しながら会話を重ねていくうちに少しづつ明らかになる美央の内情。 高校時代の美央は、オタクな主人公とは真逆で、陽キャというかギャルというか、クラスの中心的な存在にみえていた。 が、実際は家庭環境には恵まれていなくて、両親は息子の葬式にも出なかったという。 高校卒業と同時くらいに息子を産み、そこからの人生のほうが楽しかったとつぶやいた姿は、良き母であり、息子がいかに大事だったかを物語っています。 両親に恵まれなかったゆえに、自分の家庭、特に子供には愛情を注いだことがよくわかります。 こういうのがサラっと随所に出てくるので、いっそう胸が締め付けられるんですね。 主人公も、転生なんてあるわけないと一線引きながらも、憐憫・同情からなのか、しっかり付き合うのはいいヤツそのものです。 (主人公以外の、美央の周囲の人間は相手にもしなかったのに。まぁ、普通はそうなんでしょうけど) できることなら納得のいく形で悲しみを処理できて、次にすすむ力になって欲しいと強く思います。 徐々に、美央の旦那や周囲の人間動きだして、二人の関係になんらかの変化が起きそうです。特に2巻の最後が、気になる終わり方をしているので続きが気になって仕方ないです! 異世界転生ものは冒頭でよく死にますが、本作は「残された側」の話。 転生先でチートで無双したりして、元の世界の冴えない自分の溜飲を下げる形で救いになってましたが、こういう、ある種「人の死を受け入れる」形でも救いになるんだなと表現の幅に感服しました。 こんな異世界ものもいかがでしょうか?
※ネタバレを含むクチコミです。
「私の息子が異世界転生したっぽい」の作者さんか〜!!この方は漫画原作もされてますけど、ご自身で描かれた作品の方が私は好きですね。今回の作品は旦那が料理に無関心なことがきっかけで殺意が芽生えるという、よくあるきっかけの話ですが、ちょっとしたところの描写が面白いですね。例えば旦那が料理に醤油をかけすぎるシーンですが、これもインスタで主婦が描いてる漫画なんかにもあるようなネタですけど、醤油をかけすぎて目玉焼きが血まみれみたいに見える描写がクールでした。こういう細かいところで気の利いたことが出来るって案外難しいのよ〜。ラストの「未遂」もシャレが効いてていいですね。