老いを生き、描く76歳作家の「純」漫画! 舞台は高度経済成長期に建てられた団地。現在そこにはひとり身の老人たちがいつか訪れる孤独死、「ぼっち死」を待ちながら猫たちと暮らしている。そんな彼女らが明日迎える現実は、どんな物語なのか――― 自らも団地に暮らす76歳の著者が描く、私たち全員の未来にして、圧倒的現在。『夕暮れへ』にて日本漫画家協会賞優秀賞、文化庁メディア芸術祭マンガ部門収集賞を受賞した齋藤なずな、渾身の最新作。
生まれて間もない新興住宅地――。真っ直ぐ伸びる道路、迷いようもない住居表示。けれど、この整然とした町に住む人々の心の内は、ときに――。悩み、苦しみ、傷つき、悲しみ……、幸せを探しあぐねて、ふと迷い道。毎日同じように繰り返されていく平凡な暮らしの中で、突然、心の迷路に入り込んだとき、行くべき道はどこにあるのか……? 明日へ踏み出し、歩き続けるための“しるべ”探しの物語。
始まりは、全てが可視化された現代に残る、目に見えぬ記憶から。(ビッグコミックオリジナル2023年23号)
ベテラン作家の埋もれていた名作短編が待望の復刊! 現在入手困難となっている『片々草紙』(1992年/話の特集刊)から8作品、また近作2本(「アックスVol.108」「キッチュ 3.5号」)を収録。 普通に生きる人々の人間味溢れる物語を飾ることなく描き、また近作では最後まで枯れることのないあからさまな人間の煩悩を、著者自身も長年経験した介護の現場を舞台に、圧倒的な画力と巧みな人物描写で描かれたドラマは絶品! 恋愛、夫婦関係、介護、孤独な老人、と重たくなりがちなテーマを、気取らず自然体で、善も悪も平等に織り交ぜて描く事の出来る著者は日本マンガの歴史においても貴重な存在。2017年12月より「ビッグコミックオリジナル増刊号」にてシリーズ連載『ぼっち死の館』を開始、と70歳をすぎてもマンガ表現にさらに磨きがかかる齋藤なずな、久々の作品集です。 収録作品 「夕暮れへ」「沖の稲妻」「インコの神」「ドッグフードを買ってお家に帰ろう」「カウントダウン」「螺鈿の舟」「銀杏」「スカートの中」「トラワレノヒト」「ぼっち死の館」
人間の喜怒哀楽を巧みな人物描写で描き出す、心揺さぶる珠玉の短編集。[収録話] ファジィ / 水の音 / ドッグフードを買ってお家に帰ろう / 夕暮れへ / 106号の奥さん / 青葉 / 沖の稲妻 / おじいちゃんの話 / 蟻の味 / 亀 / 暗渠 / 銀杏 / 娼婦と兵隊 / インコの神 / カウントダウン / 螺鈿の舟 / 修復 / スカートの中
民さんは野菊のような人だ 忘れかけた遠い昔に誰しも抱いたであろう淡くも切ない慕情。 大人になったあな たに贈る珠玉の物語。 夏目漱石が絶賛した純愛小説の最高傑作を原作として、日本漫画家協会賞受賞作家 が描き下ろした入魂の文芸漫画。
〝普通の人生〟の裏側には 〝激情の人生〟が隠れている。 その狭間に彷徨う人の心を丁寧にすくい上げ、 見事に物語として仕立て上げた初期傑作短編集! 1986年『ビッグコミック』誌上で「昭和61年度前期ビッグコミック賞入選作として掲載された「ダリア」を含む12作品を収録。 ◎収録作品 「ダリア」「春嵐」「多夢気(たむき)」「春の靴」「桜花」「やびぁ!」「玄関」「お茶の時間」「銀杏(いちょう)」「富士」「陸に上がる魚」「夜鳴く鳥」
大人たちの揺れ動く心情を巧みに描く、齋藤なずな珠玉の短編集。[収録話] 背黄青鸚哥(セキセイインコ) / 戸惑うライオン / 納戸の百合 / 冬の金魚 / ライク・ア・シンギング・バード / 白鳥 / 黒猫 / チューリップ畑でつかまえて / 門