失業中の青年・高坂賢吾と不登校の少女・佐薙ひじり。一見何もかもが噛み合わない二人は、社会復帰に向けてリハビリを共に行う中で惹かれ合い、やがて恋に落ちる。しかし、幸福な日々はそう長くは続かなかった。
毎日を無気力に過ごしていた青年クスノキは、ある日寿命を買い取ってくれる不思議な店の噂を耳にする。金に困って寿命の大半を売り払った彼は、余命3か月を「監視員」のミヤギと共に過ごすことになるが…。三秋縋の人気小説「三日間の幸福」を完全コミカライズ。
SNSで話題のコミック作品、1・2巻同時刊行!死にたがりの少女と、彼女の「死に甲斐」を奪おうとする殺し屋。少女にとって、どこまでも幸福で、どこまでも残酷な夏が始まる。
今公開している実写版も見たけど、個人的にはマンガ版の雰囲気のほうが好みかも。ハッピーエンドなのかどうなのかとか、ふたりの恋の解釈を読者に委ねる部分が大きいと感じたのが理由かもしれません。 今から映画を見る予定の方はマンガ版を先に読んでおくと話の流れがスムーズに掴めるようになると思うのでそれもアリだと思います。寄生虫の設定が少し複雑なので。見ていたらだいぶテイストというかコンセプトが違うんだなというのはすぐわかってきますし。 自分もまだ原作小説は読んでないのでそれぞれ比べてみようと思っています。
人生に疲れた男が寿命を買い取ってくれるという謎のお店で手にしたのは、残りの人生の価値をもとに査定された30万円。手元に残した余命3ヶ月をミヤギという監視員の女性とともに過ごすことに。 世にも奇妙な物語のような設定と、終始漂う退廃的な雰囲気が特徴の作品です。「余命モノ」という言い方はよくないかもですが、あまりピンとこなかったジャンルだったのに、本作には完全に心奪われてしまいました…。 始めの頃は主人公クスノキの鬱々とした暗い性格や振る舞いを冷めた目で見てしまうかもしれませんが、3ヶ月という限られた人生の中で彼は徐々に変わっていきます。そのキッカケはやはり隣りにいるミヤギ。 ただ見守るだけだった彼女の存在が物語とクスノキの人生に少しずつ光を当て始めてからは、残りページを読み終わってしまうのがもったいないような切ない気持ちになります。作品の中に滞在してるのが心地いい感じというか。 私小説的な語り口で、どことなく閉じた世界観。人を選ぶような気はしますが、なにか行き詰まりを感じてる方に読んでほしいかも。ほんの少しかもしれませんが、読む前より前向きな気持ちになれるはずです。
人間社会での生きづらさを抱えた潔癖症の男・高坂と不登校の女子高生・佐薙が少しずつ互いの心の穴を埋めながら惹かれていくという「年の差」ジャンルのマンガです。 ラブストーリーは正直得意ではないのですが、タイトルのインパクトと美麗な表紙に惹かれて手にとりました。結論から言うとすごいよかったです。 自分の感情が何者かによって作られたものだとしたら…というのは思春期を生きた者なら一度は考えたことがあるんじゃないでしょうか。 それでもなお人を愛せるのか、その気持ちに基づいた恋は本物なのか…というのが本作のテーマです。そこまでだとよくある展開ですが、もう一捻りあるのがゾクゾクするんですよね…。 おとなになって読むのと、中高生ぐらいの時分に読むのとでまた味わいも変わるんだろうな。見事なジュブナイルだと思います。 作画の方もあとがきで語られていましたが、物語に寄り添うかのように絵のエネルギーがグッと増していき、真に迫ってくる瞬間がとても心地よかったです。 高坂と佐薙、どちらの気持ちにもズブリと入り込める画面と物語の説得力に飲み込まれてしまいました。 どちらかというと自分も「希死念慮を抱えた薄幸の美少女なんて手垢のついた青臭いモチーフだぜケッ」と思っちゃうタチなのですが、読み終わる頃には感情プールに投げ出されて浮かんでいるような状態でした。完敗。 実は好きなのかもしれんこういうジャンルが…ということにちょっと気付かせてくれた意味でも、出会えてよかったと思える作品です。ありがとうございました。
今公開している実写版も見たけど、個人的にはマンガ版の雰囲気のほうが好みかも。ハッピーエンドなのかどうなのかとか、ふたりの恋の解釈を読者に委ねる部分が大きいと感じたのが理由かもしれません。 今から映画を見る予定の方はマンガ版を先に読んでおくと話の流れがスムーズに掴めるようになると思うのでそれもアリだと思います。寄生虫の設定が少し複雑なので。見ていたらだいぶテイストというかコンセプトが違うんだなというのはすぐわかってきますし。 自分もまだ原作小説は読んでないのでそれぞれ比べてみようと思っています。