文明が爛熟期を迎えたころ、突如地球規模の大戦が勃発し、人類は歴史と繁栄のすべてを失った。人類は核を逃れ、地下に移住するようになって数世紀。再び文化を取り戻しつつあった。そしてアトラス暦460年ごろ…その環境下の中で特殊な能力を持つものが現れた。いわゆる超能力者…後に《P》と呼ばれる者たちであった。E・S・P研究所。1人の少女が訓練をしていた…彼女の名前はメィリア…半年間の事故により記憶が喪失、日夜リハビリを続ける彼女は瞬間移動を得意とするテレポーターである。ここはL1―L7まで能力順によって階級が分けられており、メィリアはL6のメンバーであった。ある日、メィリアは自分にテレパシー能力がついたことを知り、さらには恐るべきクローン計画について知ってしまうのだった。北原先生がお贈りする、壮大なる超能力者《P》たちのサーガ! 難解なストーリーを読みやすく再編成!! シリーズ第1巻!!
学校で仲のいい、ヨウとコウ。しかし、ヨウのフワフワ感がコウは不思議であった。特に際立って感情を表に出さないヨウ。それについて、問いただすコウに対してヨウは、すべては夢だからと言い放つ…。ヨウには何か特別な思いがあると感じたコウは、意味が分からない言動を発するヨウに疑問を感じながらも、友達として離れることはなかった。一方で、ヨウは突然姿を消した兄・一也のことで、ヨウは自分を見失いかけていた…。そんなとき、声をかけてくれたのがコウであり、やはり一番の理解者であった…。どこか不思議な雰囲気と若者の心理状況を巧みに描きあげた北原文野先生のヒューマン短編集。
きらい! きらいきらい! なにもかもきらい! なにもかも雨と一緒に消えてしまえばよい! そう思いながら雨の中を歩く1人の少女・美沙都。お父さんとお母さんの仲が良くないから、帰ったって独りぼっちだと思っていた矢先、信号のところで、うずくまっている少年を発見する。思わず声をかけた美沙都であったが、少年は捨て猫を見ていたのだった。とりあえず家につれて帰る美沙都。少年の名前はたけるといった。少年の将来の夢は獣医だという。そして他の人の夢なら叶えてあげられるんだけど、僕の夢だけはどうしようもないんだと、寂しそうに語るたける。その理由とは? 《P》シリーズでおなじみ、北原文野先生がお贈りする、ふんわり不思議で、心温まる短編集。
グレイスは16歳のときに両親を亡くしたあと、叔父に引き取られた。最初は優しかった叔父だが、ある晩を境に豹変し、グレイスは虐待を受けるようになった。それから数年後。やっと舞踏会への出席を許されたのだが…。みすぼらしいドレスをまとった娘を誰が花嫁にしたいと言うの? 財産も持参金もない私は、見向きもされない壁の花――。ところが彼女に、伯爵位継承者のケイン・モーリーがいきなり結婚を申しこんできた。負傷して失った片目に、ある思惑を忍ばせて…。
ひとりぼっちでジョバンニが乗り込んだのは、銀河鉄道。すでに乗りこんでいた親友・カムパネルラと共に幻想的な旅をすることになり…
母親の入院のあいだ、伯母の家に滞在している少年デビィ。ある日、伯母に連れられて行った美術館で絵を見ていると、その絵の中に入り込んでしまい、ジョシュアという名の少年に出会った。表題作「もうひとつのハウプトン」のほか、優しく淡い色彩に溢れたファンタジー作品「月がみえる…」「海へ…」「ふたりの風景」、Pシリーズ番外編「夜明けまで」を収録。
宇宙開発、クローン研究などが爛熟期を迎えた頃、突如地球規模の大戦が勃発し、人類は歴史と繁栄のすべてを失った。しかし数世紀後、核を逃れ地下に生き長らえた人類は、再び文明を取り戻しつつあった。――これは超能力者たちが『P』(混乱させる者)と呼称されず、まだ迫害も受けることのなかった頃の物語。ESP研究所の施設L6のテレポーターであるメィリアは、事故に遭い半年間の記憶を失っていた。事故の晩なぜか研究所の外に出ていた彼女。本当にメィリア本人なのか、仲間たちが疑念を持ち始めて…。
父の再婚で同い年のアントワーヌと兄弟になったティム。幸福なはずの新生活の始まり…なのにどこかぎこちない。愛されようとすればするほど、アントワーヌと母の心の溝は深まっていく。ふたりの間にはどんな過去があったのだろうか?哀しい心のすれ違いを知ったティムは、何とかしてふたりの橋渡しをしようとするが…。表題作ほか、アリステアとトゥリオ4部作を収録したPシリーズの決定版!
なにげない日常から、ふと迷い込む不思議なラビリンス――。中学3年生の東風美(あゆみ)は新しいクラスで出会った少年・阿川勉(ベン)に心惹かれる。ところが、翌日になると勉の名前は出席簿から消えていて、クラスみんなが彼のことを忘れてしまっていた。あたしは長い夢を見ていたの――!?傑作「きのういたベン」、Pシリーズ短編「草原の子ども」「GreenZone」を含む北原文野、珠玉の幻想作品集。
超能力者が『P』と呼称され、「人々を混乱させる者」として迫害されるA500年代。P狩りの先頭に立つI市評議会議長のゲオルグ3世に賛辞を送る8歳の少年クァナがいた。しかし、皮肉にも数年後、クァナは透視能力に目覚めてしまい、ゲオルグ3世の残虐な本質を知ることになる――!北原文野の傑作「Pシリーズ」決定版!
超能力者たちが『P』と呼ばれ、人間たちから弾圧されていた時代。Pだった父が突然亡くなったことで、リー・カールセンは叔父の家に引き取られることになった。しかしながら、その後リーは他人の心が分かる――テレパスとして目覚めてしまう!驚くリーの前に現れた男はP科に属していた。Pから地下都市市民を守る名目のP科は、優秀なPを利用してSSPを組織し、Pの抹殺を行っていたのだ!!(Pシリーズ・リーの章)
リーはSSP(特別秘密警官)養成学校に入学して、アビィと離れて暮らすことになった。何度となく無実のPを殺すための手伝いをさせられてきたリーは、良心の呵責に耐えかねていた。だが、たったひとりの愛する妹・アビィのため、生き続けることを決意する。これは――自分自身の自由と希望のために生きたリー・カールセンの物語である。(Pシリーズ・リーとケビンの章)