ジョジョの奇妙な冒険 第2部 カラー版

フーーー スッとしたぜ

ジョジョの奇妙な冒険 第2部 カラー版 荒木飛呂彦
さいろく
さいろく

エシディシの「う~~ううう あんまりだ…H E E E E Y Y Y Y あ ァ ァ ァ ん ま り だ ァ ァ ア ァ AHYYY AHYYY AHY WHOOOOOOOHHHHHHHH!!おおおおおおれェェェェェのォォォォォ うでェェェェェがァァァァァ~~~!」というセリフはあまりにも有名。 第二部ではジョジョ(ジョセフ・ジョースター)とシーザー(ツェペリさんの息子)が波紋疾走(オーバードライブ)を操り、人智を超えた柱の男達との凄まじい闘いに挑む。物語の展開もさることながら登場人物たちの魅力たるや荒木飛呂彦の髄を味わう事が出来るパートである。 数ある「ジョジョの奇妙な冒険」においてもTOP3に入るのではないか(ここ数年で一気に増えた若年層ファンの女子の多くは5部推しのようなので数だと弱いかもしれない…) でもシーザーは女子ファン多いはずだぜっ!!かっこいいからなっ! かくいう私も第二部はリアルタイムではなくコミックスで知った層だけど、第二部はジョジョを読む上で外せない存在です。 そして何より今だとカラーで読める…! この荒木飛呂彦の作品がカラーで読めるというのは(最初は抵抗ありましたが)特に素晴らしいと感じています。 何故かって言うと、モノクロと比べて奥行き感が掴みやすく、複雑かつ芸術的な描写で織りなされている荒木飛呂彦作品の中により入り込めます。 既に読んだ人は多いでしょうし、カラーって言っても本人じゃないじゃんって言う人も多いのはわかってますが、一度見比べてみてほしい。こっちのほうがいいとは言いませんが、違いはわかってもらえると思います。 ワムウとの戦闘以降は特に奥行きが臨場感を増すというのはわかると思います。全体的に明るめなのも逆にGOOOOOD!

ジョジョの奇妙な冒険 第1部 カラー版

『ジョジョ』の基本思想が詰まった始まりの部

ジョジョの奇妙な冒険 第1部 カラー版 荒木飛呂彦
TKD@マンガの虫
TKD@マンガの虫

大ヒット漫画『ジョジョ』の 記念すべき開幕を告げる部 ではありますが、 ファンの人でもわざわざ読み返すことは あまりないのではないでしょうか? 私の周りでも「1部が一番好き!」 という人は1人もいません。 確かにその後の部に比べて バトルも地味なものが多く 現代から見ると時代を感じるキャラクターが多いので若い人たちが見ると 物足りなさを感じてしまうのは 仕方ないことだと思います。 しかし、今回久々に読み返して 私はビックリしました! 第1部にはこの後30年近く貫かれ続ける 「ジョジョの基本思想」が 詰まっていたのですッ! それは3巻で語られる ツェペリさんの3つの教えです! ①相手の立場に身を置く思考。 ②「勇気」とは怖さを知ること  「恐怖」我がものとすること。 ③「成長」には犠牲が付き物  「犠牲」成長につなげられる人間こそ   美しい人間である。 おそらく『ジョジョ』はこの3箇条をもとに 作られているのでしょう。 相手の立場に身を置くことで、 敵キャラの造形を 細かく描写することができる。 そして、「恐怖」を我がものとする。 つまり、克服しようとするからこそ 「ホラー映画」に影響を受けた シーンづくりをする。 そして、ジョジョたちが犠牲を成長に つなげていくからこそこの漫画は 「王道」なのだと思います。 これらの基本思想があり、 そして、ジョナサンの正義漢としての描写も 少し過剰ではありますが、 キチンと入っています。 このジョナサンの過剰なまでの 「いい子」「正義漢」描写があったから 後のジョジョはどんなに不良でも ジョナサンの子孫だからという 土台の安定感から ヒーローとして自然に 読者に迎え入れられる のではないでしょうか? そんな感じで、あの『ジョジョ』の 始まりの部がただの旧時代の 漫画の訳がありません。 一回読んだだけで その後読み返してないという人は 是非一度読み返してみてください! 自分の好きな 『ジョジョ』のエッセンスが 生まれた瞬間を 何個も発見できると思います!

バオー来訪者

荒木飛呂彦 格闘の歴史②

バオー来訪者 荒木飛呂彦
TKD@マンガの虫
TKD@マンガの虫

『ジョジョ』の荒木飛呂彦先生の連載2作目の今作 イタリア旅行で肉体美にこだわった ルネサンス美術に出会い、 そしてリドリー・スコット監督の 『エイリアン』を見て究極生物という 概念に気づき作り上げられた作品です! バオーという寄生虫みたいな生物に寄生され超人的な生物に変身できるようになった育郎を主人公に小さな女の子を助けるために戦う超王道ストーリーです! 『エイリアン』のイメージを少年漫画的な フォーマットに昇華させた見事な作品です。 当時B級と呼ばれながらも画期的なアイデアが詰まったホラー映画のエッセンスを 少年漫画の中に持ち込むという 革新的な荒木流創作術が開花した 荒木先生の歴史の中、そしてマンガの歴史の中でも大きな転換点となる作品だと思います ので、荒木ファンだけでなく全マンガファン必見の作品ではないでしょうか? 主人公の育郎が戦闘中は喋れないので、 代わりにナレーションが心情などを説明してしまうので感情移入がしにくいという問題点があるからか、打ち切りとなってしまった 作品ですが、この打ち切りは後の『ジョジョ』での大爆発に繋がるので、 意義のある打ち切りだったと思います。