美咲ヶ丘駅に住む人達の人生を1話完結で。 どんな話かなとおもいきや、意外にじんわりと心に響く作品。 話ごとに内容も濃く、読み応えがありました。 忘れかけてる感情を引き出してくれたような、そんなお話の数々でした。 (でも、最初の話はある意味中々衝撃的)
世界の古典や民話をモチーフにした全4話の短編集。 「いまさら面白くもなんともない…」と思われがちな古典作品を、 漫画界のストーリーテラー・戸田誠二(←私が勝手に呼んでる)が、現代にも通じるヒューマンドラマとして鮮やかに生まれ変わらせています。 <収録作> ロシア民話 『大きなかぶ』 李氏朝鮮の古典 『春香伝』 アイヌ民話 『金の刀』 中国の古典 『化けの皮』 奥付によると、2002年から2003年にかけ「まんがグリム童話」シリーズに掲載された読切とのこと。 グリム童話を集めた短編集「唄う骨」も別にありますので、興味のある方はそちらも是非。 どの話も出色の出来ですが、やはり表題作『化けの皮』がすばらしいです。 原典は蒲松齢の「聊斎志異」。 道教の思想に基づく、独特の世界観のある作品です。 読者が想像もつかないような展開が多く、非常に絵に落としにくい場面をマンガにするのは物凄い想像力が必要だと思うのです。
近未来SF仕立てで、森博嗣や瀬名秀明の小説などと同じ理系の雰囲気を漂わせた短編集。なのですが、作品全体として投げかけているのはむしろ”哲学”な印象を受けました。生きること、もしくは生きていくこと、というか。それが、脳を入れ替える手術や男性の出産、そして表題となっている自殺志願者を思いとどまらせるゲームなど、奇抜なアイデアの中でうまく主張されているのです。このテーマを一番感じたのは、「キオリ」という作品。自殺をはかった女性。だがその脳は無事。研究員たちは実験のためその脳を人工的に培養し、意思の疎通をはかる…。研究員の生い立ちと、女性の人生観を照らし合わせながら淡々と進むストーリー。それでも生きていく、ではどう生きるのか、と考えさせられ、ラストの漠然とした語りが切なさを倍増してくれます。他の作品でも、形は違えど同様な試みがなされているのでそれぞれの味わいを感じてみてください。あ、「タイムマシン」だけは違うかな? でも自分もタイムマシンがあったらこれはやってしまうかも。
戸田誠二らしくちょっと変わったシュチュエーションもある。 男性作家が描く女性の人生と心の機微が新鮮だった。 田舎に里帰りしていた女性が新幹線で東京に帰ってくる。車中での独白のモノローグにドキッとした。私こんな風に思ったこと最近ないかもしれない…。 「これは新しいあなたに出会える物語。」は大げさでもない。
クローンとかロボットとか心を操作する薬や機械みたいなものを扱った近未来の短編集。 こういうのってだいたい現代社会への風刺だったりディストピアだったりするんだけど、スキエンティアはそういうのがなくて綺麗な物語しかなかった。逆に驚いたw
美咲ヶ丘駅に住む人達の人生を1話完結で。 どんな話かなとおもいきや、意外にじんわりと心に響く作品。 話ごとに内容も濃く、読み応えがありました。 忘れかけてる感情を引き出してくれたような、そんなお話の数々でした。 (でも、最初の話はある意味中々衝撃的)