サンディエゴの南、国境の町・ティファナを抜け、ラ・パスへと向かって伸びる国道(ルート)1。バイクを友に荒涼とした砂漠を走る時、永遠と呼ばれる一刻に陶酔する…「ノー・ダメージ」。お気に入りのモデルのAVを見るため、頭金15万円+24回払いで29インチのテレビを購入し、アパートの一室で一人お楽しみの時間を過ごす…「東京ゴージャスライフ」など、短編9作を収録した、志水三喜郎作品集!
風になりたい…と、中型自動二輪免許を取得するため、教習所に通う16歳の相原龍平。現在は原付き自転車、通称原チャリで走る龍平だが、幼稚園児時代からのライバル・和臣は、金持ちの父親に買ってもらったVFRを乗りまわしていた!その和臣に挑発され、50CCの原チャリで400CCのVFRに勝負を挑むことになった龍平だが…!?
浅草で三代続いた天ぷらの名店、江戸吟の息子・味見旬平。食品専門商社・本丸食品第3部に中途入社した旬平は、出勤初日から大遅刻!しかも、おにぎりを片手にオフィスへと飛び込んできた…。そこで魚沼産コシヒカリを絶賛するが、部長の怒りをかってしまう。そんなに米に詳しいのならばと任された初仕事は、先輩・浜野ななみと一緒に秋田県の生産農家が作っている『奇跡の米』と呼ばれる米を、コンビニおにぎり用として契約すること。だが、農家の主・田上には全く相手にされない…。そんな時、旬平が「俺の作った料理が美味しかったら納得したことにしてほしい」と提案し、対して田上は『冷や飯』で自分の納得する味が作れたら考えてもいいと言い出すのだが…!?
下町・浅草に店を構えるレストラン、ヨーロッパ亭。三代目を継いだ織田和馬は三つ星レストランで修行を積んだ若きシェフ。若者に人気のヨーロッパ亭だが、年寄りには入りづらく、和馬の父が作るハヤシライスを懐かしがっていた。そんな時、店を訪れた全日本洋協会会長の池端は、和馬の父にハヤシライスを頼み、先代の味が守られていることに安堵する。だが、すでに店で和馬の作ったハヤシライスを食べていた池端は、和馬の方は洋食ではないと言い出して…!?
「最高のソムリエ」と言われながら、ワインを取り巻く状況に絶望し、さ迷い続けていた北村瞬。だが、偶然に再会した親友・久世慎次にその腕を買われ、新規開店のレストランでソムリエに就くことを勧められる。個性的なスタッフと共にオープンへの挑戦が始まるが!?
寸暇を惜しんで受験勉強中のクラスメートを尻目に、女性を求めて街中をさまよう三上大成・17歳。最近、美しくなった14歳の妹・奈緒に惹かれる大成は、中学時代、ナンパの勇次といわれ、暴走族の特攻隊長だった親友の勇次に相談する。実は親父が死ぬ間際に、奈緒は親友から預かった娘で、大成とは本当の兄妹ではないと告げられていた。