30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい 豊田悠
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「ずっと会いたかった、忘れたことなんて一日もないよ」 失恋の傷心を抱えたままの売れっ子小説家・士狼の前に人間の姿で現れたのは10年前に助けた猫の“雨”。士狼の恋人になりたいとHも知らないのにいきなりベッドインするウブで可愛い雨。士狼は日に日に癒されていくけど、まだ小説は書けないまま。元カレを傷つけ、じゃあどうすれば良かったのか、“愛する”とは何なのか未だに士狼は分からない。なのに雨は士狼から愛されないと泡になって消えてしまうという。“しろーと一緒ならどこでも嬉しい”。雨の士狼へのけなげな愛は大きすぎて、こぼれ落ちていくのが怖くて、ただ抱きしめるしかないのだけれど――。
この設定、この表紙、フワフワでハッピーな話かと思いきや途中から生き死にが掛かったハードな展開で戸惑った。
猫の雨は始終健気で可愛かった。
作家の士狼は最初は絆されて同情から、それが最終的に愛情に変わって、だからこそのこのハピエンになった。
最後の代償は良かったな。
物理的に「書けない」だけだから小説家のポテンシャルは健在。