面白い
「頑張れ」という言葉の獣も一種類ではない。 確かに、同じ言葉でも人によって違う意味を持っていたりもするな、と思った。 世間的には良いニュアンスの言葉であっても、自分にとってはあまり良くない意味を持つ言葉、という単語やフレーズはある。 女の子がTwitterで自分に向けられたリプを読んで「質問系や自分語りや宣言やポエミーな呟きなどがごちゃ混ぜで気分悪くなった」的なことを言っていて、「これは作者の実体験かな?」と思った。 作者さんに感想の手紙を送りたいと思っていたけど、自分の手紙で気分を悪くさせたら申し訳ないのでやめた。 でも、他人からの言葉で気分が悪くなるのはわかる気がする。何らかの言葉を投げかけられると、「そうじゃない」という苛立ちを感じたり、自分語りの道具として利用されたような気がしたり、要求(質問に答えろ等)を押し付けられた感じがしたり、自分がベタベタ触られたような感じがしたりすることはある。
<ログライン>
言葉が「想像の獣」の姿で見える女子高生と言葉に強い関心のある女子高生の物語。
<ここがオススメ!>
言葉と感情のリンクの深さが物凄い!
「国語の教科書」以上に「言葉」について考えさせられる作品。
「言葉」の解釈が辞書のような「正しさ」ではなく詩的な「解釈」に重点が置かれており、新しい視点で物事を考えるきっかけになりそう。
心に突き刺してくるものもあるけれど、言葉を大切にしようと思わせる傑作。
「言葉」を体現する「想像の獣」の姿も「なるほど……」と納得できる。
この言葉はどんな「獣」なのだろう?と思うのも面白いかも。
<この作品が好きなら……>
・ほしとんで
・うみべのストーブ 大白小蟹短編集
・テロール教授の怪しい授業