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【連載版】人生崩壊【タテヨミ】

人生崩壊を食い止められるなら、何をする?

【連載版】人生崩壊【タテヨミ】 T.Jun
野愛
野愛

久しぶりに再会したいじめられっ子の森といじめっ子の赤城。 逃げようとしてうっかり高所から落ちたと思ったら、森の体に赤城の精神が入った状態で高校時代に転生してしまう。 赤城は元の世界に戻るべく、森の人生を崩壊させた事件を解決していく…というお話。 あらすじだけを読むと「???」となってしまいますが、これがまた面白い。 いじめっ子といじめられっ子が入れ替わるわけではないので、赤城は過去の自分自身にいじめられることになる。 森がやり返すわけではなく(森自身は人魂みたいに赤城の近くを漂ってる)、赤城が自らの行動を反省したりやり直すことで未来が開かれていくという構図。 いじめっ子がただただ改心していくシリアスなお話ではなくポップなノリのギャグ漫画でめちゃくちゃ笑えるのもよい! 森の親友でこれまたいじめられっ子の卓や、森に恋するクラスの女王愛梨、校内の風紀を取り締まる菊池、赤城の舎弟やまじんなど、いじめられっ子もいじめっ子もそれ以外もみんな個性的で愛すべきキャラクターだらけ。 だからこそ、いじめ描写の残酷さが際立つ。 いいところも悪いところもある普通の愛すべき人間が、理由もなく暴力を受ける悲しさ。理由もなく暴力を振るう歪さ。 話せばわかりあえるのに、人を好きになったり笑ったりできる同じ人間なのに、そう思ってしまうからより恐ろしく悲しく感じられる。 しかもいじめ描写は作者さんの実体験がもとになっているそうで。もう言葉も出ませんね。 森と赤城のように人生をやり直すことはできないけれど、生まれ変わったつもりでファイティングポーズをとったり逆に拳を下げたりはできるかもしれない。 さんざん笑って少し立ち止まって、人生を見つめ直せるかもしれない作品でした。

不揃いの連理

タイトルから見る"伴侶"の形

不揃いの連理
あうしぃ@カワイイマンガ
あうしぃ@カワイイマンガ

ここではタイトル『不揃いの連理』の語義と内容をリンクさせながら、(6巻までで)四組の女性ペアの関係を追う本作の魅力を書いてみたいと思います。 「連理木(れんりぼく・れんりぎ)」というのは、隣りあった木々の接触した枝や幹が一つにくっつき、木目まで混ざり合った状態のこと。そこから「連理」という言葉は二人の深い契りを表すのだそうです。 幸せな予感のある「連理」という言葉。では「不揃いの」という言葉はどうでしょう? 登場するペアは、いずれも全然タイプの違う二人。そしてどちらか片方、もしくは両方とも「ダメな人」だったりもします。 まっとうな会社員×元不良は見た目に反して、ダメなのは会社員の方。いかにも悪そうな人と優等生のJKコンビは、優等生が意外と暴力的etc……。でもそんな二人が何故か寄り添う。 ではそこにどんな心があるのか。 ある人に惹かれる理由を、言葉で言い表すのは難しい。でも、なぜある人の側にいるかは、理由を言える場合もある。 この作品でそれが分かりやすいのは、ダメな漫画家に接する生真面目な編集者。彼女は恋愛的惹かれの他に、ダメな漫画家を支える動機としての「ある気持ち」を持っている。そして同じようなものは、他の三組にも見て取れる。「ある気持ち」はおそらく頼りない人に対する普遍的な心情なので、納得する人は多いと思います。 「ある気持ち」で支え合い、接するうち、彼女たちはいつのまにか離れ難くなっていく。そこには理屈ではなく、もはや必然として一つになった連理木が生まれている。 伴侶って、こういうことだよな……大きな安心感とエモーションが同居する感じ。実はかなり暴力描写・しんどい内容も多いのにそれはとても不思議な感覚で、いつまでもこの物語を追う動機となってゆくのです。 ダメな人に対する、共通する「ある気持ち」......どんなものか、ぜひ本作から探してみてください。 さあ、まだ不穏な堅物教師×生徒の物語はどうなるかな? (6巻までの感想) (追記:実はマンバ読書会でリアルタイムで書いたものから、細かく改稿しています。どんなふうに変化しているか、ぜひ配信と比較してみてください! https://www.youtube.com/watch?v=FgBPuVvUHFI) #マンバ読書会 #クチコミを書く回

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