政略と愛憎に満ちた名家の物語
豪奢なホテルを経営する名家・セレニティ家唯一の相続者であるセレナ。 夫婦でありながらセレナと敵対しており、セレニティホテルの一切を取り仕切るアイザー。 セレナの側を片時も離れず寄り添う謎の男妾・フリードリック。 3人の男女が繰り広げる政略と愛憎に満ちた物語。 20世紀初頭の架空の王国をモチーフにしており、繊細かつゴージャスな絵がとにかく美しいです。 我儘で気高く、激しさと繊細さをあわせ持つセレナのキャラクター性も魅力的。 年相応の可愛らしさもありながら、圧倒的なカリスマ性を感じさせる女性です。 普段はあまり読まないジャンルの作品ですが、重厚なストーリー×美しい絵×縦読みの手軽さの相性がよく夢中になってしまいました。 恋愛要素は意外と少なく、名家の再興を描いたストーリーとして楽しめるので幅広い世代の方に読んでみてほしいです。 美しい絵を眺めているだけでも満たされます。