「国語の教科書」になってもおかしくない言葉の深さ!
<ログライン> 言葉が「想像の獣」の姿で見える女子高生と言葉に強い関心のある女子高生の物語。 <ここがオススメ!> 言葉と感情のリンクの深さが物凄い! 「国語の教科書」以上に「言葉」について考えさせられる作品。 「言葉」の解釈が辞書のような「正しさ」ではなく詩的な「解釈」に重点が置かれており、新しい視点で物事を考えるきっかけになりそう。 心に突き刺してくるものもあるけれど、言葉を大切にしようと思わせる傑作。 「言葉」を体現する「想像の獣」の姿も「なるほど……」と納得できる。 この言葉はどんな「獣」なのだろう?と思うのも面白いかも。 <この作品が好きなら……> ・ほしとんで https://manba.co.jp/boards/96324 ・うみべのストーブ 大白小蟹短編集 https://manba.co.jp/boards/172968 ・テロール教授の怪しい授業 https://manba.co.jp/boards/96410
詩に強い関心を持っている女の子・薬研(やげん)は、国語教師との会話をたまたま聞かれたことをきっかけにクラスメイトの東雲(しののめ)と接点を持ちます。
普段からどこか挙動がおかしくてクラスでも少し浮いていた東雲ですが、それは彼女が五感の1つを感じると同時に別の五感も感じる「共感覚」という感覚の持ち主だったからでした。
「共感覚」といえば“音に色が見える”だったり“字に色が見える”などが代表的ですが、東雲の「共感覚」は『人の言葉を聞くとそれが獣の姿に見える』というもの。
その獣は言葉の意味や解釈、発した人間の感情などを反映した姿をしているらしく、そんな東雲との交流によって薬研は「言葉の獣」の世界へと入り込んでいきます。
詩や言葉に興味を持っていた薬研と「共感覚」を持つ東雲との出会いにより、2人が身の回りにありふれた「言葉」に対して理解を深めて心を耕す様子が見て取れます。
そしてそれが「言葉の獣」という形で視覚化されて描かれる、まさに物語がマンガとして描かれるべきものに昇華されている、そんな作品です。
1巻まで読了