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非常によかったです。
不老不死のルイとカルラ。
160年前、ルイは真実の愛を見つけるには人生は短すぎると魔女カルラへ不老不死にしてくれと全財産を投げうってお願いし、実際に不老不死になったがいまだに真実の愛を見つけられずに、いつからか二人で暮らしている。
不老不死の魔法が解けるのは真に愛し愛される人が現れたとき。
そんな二人の前に現れたのは、ボロボロの少女ライラだったが…。
性別や年齢、様々なことは愛の前では不要だというテーマは多いが、この読切は少し違うな、新しいなと感じた。
説教くさくなく説明も最小限で、ありのままの姿がいいんだと思想を啓蒙するわけでもなく、それをそういうものだと自然と描いている。
これが、ルーキー賞でしかもブロンズで、掲載が「ジャンプ+」なんだと驚く人が多いのも分かる。
どことなくゆるいのによくできている隙の無さ、展開としてはベタかもしれないがどことなく新しい形、それを現代で描かないでバイアスのかからず本質が見えやすい普遍性の高そうなファンタジーな設定の中で描いていること、そしてやはり不老不死が肝ですよね。
死が確定されない状況で人は生き急がないわけで、「真実の愛」へ真摯になるわけです。
それがどういうことかと言うと、より深く本質を捉えて形に囚われないということ。
男と結ばれるのは女であるべきということや、娘同然の少女に恋してはいけないということは本質的な愛の前でなんの障壁にもならないのです。
意識的かどうか分かりませんが、それを嫌味なくするっとした読み味で描けているのがすごい。
今後どういう話を描いていくのか楽しみで仕方ありません。
【2021年4月期ブロンズルーキー賞】不老不死のカルラとルイは、真実の愛を探すために100年もの年月を過ごしていた。ある日2人は、街に1人でいたライラという少女を引き取ることにする。ルイは次第にライラに惹かれていくが、ライラは病で床に臥せってしまい…!?