原作者とオタクのお仕事ラブストーリー?!
第一話とても面白かったです!努力家な主人公の瀬戸田あかりは間違いなく”アリ”タイプですが、須藤静の方は単なる怠け者な”キリギリス”ではなさそうです。さっそく仕事だけじゃなく恋人としてもパートナーになりましたが、須藤さんはあかり本人が好きなわけじゃなくて、あかりがデザインした「ネコミン」のマニア(しかも歴代の彼女が引くレベル)であることも判明しました。デザイナーとプランナーという間柄のお仕事マンガとしても、原作者とオタクのちょっと変わったラブストーリーとしても面白くなりそうですね!
すべき思考orべき思考とは、認知の歪みと言われる偏った思考の一つ。道徳・一般通念や理想像に過度に固執する状態であり、精神疾患を長引かせる要因にもなる厄介な思考。
主人公の女性はこの「べき(すべき)思考」の持ち主。常に「べき」を振り撒く彼女は、何をするにも「べき」と音を出していて痛々しい。
そんな彼女の心を救うプランナーの男性は、キャラクターデザイナーの彼女が創るキャラを愛し、彼女をいつも見てくれる。しかし実は彼は……なんじゃそりゃ!?(試し読みを読もう!)
軽いタッチのラブコメには、ちょっとモヤッとする人ばかり登場する。主人公の家族の人でなし感は物凄いし、主人公に求愛する男性も何を考えているのやら……そして主人公のべき思考も頑なで、自他に押し付ける姿には抵抗感がある。
だが主人公の「べき」が己の心を守っている事、彼女が『アリとキリギリス』の呪いの被害者である事には、心底同調してしまう。誰も望んで苦しい思考を身に付けない。それは防御反応なので、ある程度は周囲のせいなのだ。
男性の可笑しな求愛に振り回され、怒り傷つきながら気付かされる考え方に、ハッとする。頑なな自分と向き合って、べき思考の奥にある「望み」を知る様子に、彼女の心に平和が訪れる事を、我が事の様に祈ってしまう。