作者のエマニュエル・ギベールは、アングレーム国際漫画祭2020グランプリを受賞した実力派!
派手さはないですが、静かな語り口でとても心に沁みる作品を描かれる方です。
本作のほかに、アフガニスタンを舞台に報道写真家が直面する死と生を描いた『フォトグラフ』が邦訳されています。

『アランの戦争』は、戦争を描きながらも、人の死や殺し合うシーンがほとんど出てこない、けれどとても心に残る名作です。

第二次世界大戦、ヨーロッパに渡ったアメリカ兵アラン・イングラム・コープの戦争体験を描いたバンド・デシネ。
戦友たち、出会う人々との交友…戦争中の兵士たちの生活が、飾り気のない語り口で、ときにユニークささえ感じるエピソードとともに描かれる。

アランさんがホントにイイ人なんだよなぁ。

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アメリカン・ボーン・チャイニーズ  アメリカ生まれの中国人

自己肯定できずに悩む青少年の成長ストーリー!

アメリカン・ボーン・チャイニーズ アメリカ生まれの中国人
書肆喫茶mori店主
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自分のアイデンティティに悩む中国系移民2世の高校生を描く、全米の学校で読まれているベストセラー作品! 西遊記の物語、中国系2世のジン、ステレオタイプな中国人の従弟に悩まされる白人のダニーの3人の物語が同時進行していく。 この3人の物語が最終的にひとつに融合していくストーリー展開がほんとうにスゴい! ダニーを悩ますステレオタイプな中国人の従弟チンキーが登場するパートでは、コメディドラマを模していて、コマの下に拍手や笑い声が入っている。だが、よく考えると笑えないシーンだったりするのだ。 この作品はもちろん中国系移民の物語なのだが、ジンが抱くコンプレックスや劣等感を自分のそれと置き換えて読むことができるようにも感じた。 コンプレックスを克服しようと孫悟空のようにがむしゃらに努力したり、それを切り捨てて理想の姿になったつもりでもダニーの章で登場するチンキーのようにチクチクと劣等感がうずく。 結局はコンプレックスや劣等感を感じる個性も含めて自分のものであり、そのままの自分でいいのだと認めることができるようになるまでの成長物語なのだと思いました! ぜひ自己肯定ができずに悩んでいる青少年にも読んでもらいたい一作です!

アランの戦争 アラン・イングラム・コープの回想録
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戦争を描きながら殺し合うシーンがほとんど出てこない、でも心に残る1作!にコメントする