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カカオ
1年以上前
生まれたときに取り違えられた主人公の少年・凪が、本当の両親に会いに行く話。『東京ヘルヘブンズ東京ヘルヘブンズ』、『柊さんちの吸血事情』に続く、週マガ60周年特別企画の「吉河美希完全新作読み切り3本掲載」の第3弾。 https://pocket.shonenmagazine.com/episode/10834108156690079296 いやこれメッッチャいいな!?3作全部読んだけど、ダントツでこれが一番面白かった…最後に持ってくるにふさわしい面白さ。 ヒロインが出てきたときから当然読者は展開が読めているんだけど、そのうえで2人の変なやつぶりが発揮されてて面白い。 お嬢様のエリカは、許嫁から逃れるために自殺する振りの動画を撮って炎上を狙ったり、大金を使って凪を強めな彼氏に仕立て上げたり、カップルが何をするのかをググって「セックス」と答えたり…おバカさが隠せない。 凪は凪で、陰キャで頭脳明晰なわりに彼氏のフリをしている最中に「契約上の彼氏だ」と堂々といってしまったり、家訓に従って売られた喧嘩を買ったりとギャップが中々すごい。 ギャップといえば、前半さんざんヤバいやつだった凪が、しんみりと写真の良さを語って「2人が最初に取った自撮り」を選ぶシーンはすごくグッと来た。 https://i.imgur.com/OCvYTlJ.png (『カッコウの許嫁』吉河美希より) 最後の「子どもたちが結婚すればどっちの子も自分の子になる」理論は笑ったし、本来ヤンキーになるはずだったエリカが凪を殴って終わるのは良いオチだなと思った。 「取り違えて育てられたヤンキーと秀才」という設定には、面白さのポテンシャルしか感じないので、ぜひこの『カッコウの許嫁』で連載化してほしい! https://pocket.shonenmagazine.com/episode/10834108156690079296 【追記】 3作品全部読んでみて思ったのが、「キャラ萌え」が足りないということ。(自分が最近Twitter発の、作者のフェチと萌えを詰め込んだ漫画ばかりを読んでいるせいかもしれないけど…) 3作ともお色気シーンがやっつけに感じられて全然おもしろくないのは、作者自身がキャラ萌えしてないからなんじゃないかと思う。ヤンメガが好きだったので、ああいう物語の設定とキャラの魅力が噛み合ったお話がぜひまた見てみたい!
不揃いの連理

タイトルから見る"伴侶"の形

不揃いの連理
あうしぃ@カワイイマンガ
あうしぃ@カワイイマンガ

ここではタイトル『不揃いの連理』の語義と内容をリンクさせながら、(6巻までで)四組の女性ペアの関係を追う本作の魅力を書いてみたいと思います。 「連理木(れんりぼく・れんりぎ)」というのは、隣りあった木々の接触した枝や幹が一つにくっつき、木目まで混ざり合った状態のこと。そこから「連理」という言葉は二人の深い契りを表すのだそうです。 幸せな予感のある「連理」という言葉。では「不揃いの」という言葉はどうでしょう? 登場するペアは、いずれも全然タイプの違う二人。そしてどちらか片方、もしくは両方とも「ダメな人」だったりもします。 まっとうな会社員×元不良は見た目に反して、ダメなのは会社員の方。いかにも悪そうな人と優等生のJKコンビは、優等生が意外と暴力的etc……。でもそんな二人が何故か寄り添う。 ではそこにどんな心があるのか。 ある人に惹かれる理由を、言葉で言い表すのは難しい。でも、なぜある人の側にいるかは、理由を言える場合もある。 この作品でそれが分かりやすいのは、ダメな漫画家に接する生真面目な編集者。彼女は恋愛的惹かれの他に、ダメな漫画家を支える動機としての「ある気持ち」を持っている。そして同じようなものは、他の三組にも見て取れる。「ある気持ち」はおそらく頼りない人に対する普遍的な心情なので、納得する人は多いと思います。 「ある気持ち」で支え合い、接するうち、彼女たちはいつのまにか離れ難くなっていく。そこには理屈ではなく、もはや必然として一つになった連理木が生まれている。 伴侶って、こういうことだよな……大きな安心感とエモーションが同居する感じ。実はかなり暴力描写・しんどい内容も多いのにそれはとても不思議な感覚で、いつまでもこの物語を追う動機となってゆくのです。 ダメな人に対する、共通する「ある気持ち」......どんなものか、ぜひ本作から探してみてください。 さあ、まだ不穏な堅物教師×生徒の物語はどうなるかな? (6巻までの感想) (追記:実はマンバ読書会でリアルタイムで書いたものから、細かく改稿しています。どんなふうに変化しているか、ぜひ配信と比較してみてください! https://www.youtube.com/watch?v=FgBPuVvUHFI) #マンバ読書会 #クチコミを書く回

カッコウの許嫁(読切)

かっこうのいいなずけ
著者:吉河美希
かっこうのいいなずけ
カッコウの許嫁(読切)
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