最前線にいる人をたたえたい
常に命の危険に晒されながら、感染拡大を抑えるため、ひとりでも多くの命を救うために最前線で働く人たちの目線を体験したような感覚でした。凄まじい。 自宅隔離生活で人との会話に飢えてる人の描写も、今の自分は近いものを経験してるからこそ「ほんとそう…」となります。 ついウイルスは人間の敵と思いがちですが、人を殺すためではなく、あくまでも目的は寄生することなんだと、ただ憎むだけでは何もならないという考えを学びました。
起こりうるウイルス感染の恐怖!!都心の湾岸地区で風邪の症状だったはずの患者たちが、突如「溺れる…」の言葉を遺し死んでいった。なんらかの感染症を疑った潮浦総合病院の医師・鈴鳴涼子(すずなり りょうこ)は、検体を国立疫病研究所に送る。通称・疫研から来たのは、若いが実力のある疫学者・羽貫琉伊(はぬき るい)であった……次々と感染者が増える中、ついにヒト-ヒト感染が確認され警戒レベルはフェーズ4に!! 感染源は一体なんなのか。見えない恐怖が襲い来る。湾岸地区という閉鎖区域で発生したウイルスの猛威に人類は一体どう対処していくのか…!? 世界との距離が近くなった現代の日本に、警鐘を鳴らす本格ディザスターコミック!! 死は…ウイルスは誰かを理由があって選ぶわけじゃない。人間VSウイルスの壮絶な闘いに要注目!!
読み終わったあとに、巻末には羽貫のレポート(実際に現実で発生した感染症の事例をまとめたもの)が収録されており、「本編のあとにレポートを読むまでが作品の一部」という構成が見事。
たとえるならエンドロール後のCパートみたいな良さがあります。
脱帽したのが巻頭の目次ページ(とその前の扉絵)。もうすでにここから物語は始まっていたことに、読み終わってから気づいて震えました。