姉・アマテラスとふたりで暮らすスサノオ。スサノオは、オオカミのタケルとウサギのミミ公とともに、行方不明の父を捜す冒険に出る!!1958年から「幼年クラブ」に連載された表題作他、けな気な姉弟愛を描いた『あんじゅとずしおう』(「たのしい三年生」)、盗賊団に家族を奪われた少女・アリスと白いらくだ・リジイとの信頼を描いた『白いらくだ』(「なかよし」)。低学年向け雑誌に発表された初期作品3作を収録!!
「U・マイア」とは水野英子、赤塚不二夫、石森章太郎の3人合作時の共同名義。U・マイアによる、旧約聖書からサムソンの物語をもとにした『赤い火と黒かみ』、アイーダをもとにした『星はかなしく』の2編を収録。同じく、赤塚不二夫と石森章太郎の2人の共同名義「いずみあすか」による、トスカをもとにした『消えていく星』、不時着した宇宙船の乗組員を助け、地球へきた少女の物語『はるかなる国から来た少女』の2編を収録。
水野英子、赤塚不二夫、石森章太郎の共同名義で描かれたミステリー『くらやみの天使』。不幸を呼ぶダイヤ「死神の目」をめぐる殺人事件が起こる前日、チコちゃんは被害者の山形が言い争いをしているところを偶然目撃し……。警察官のお父さんと新聞記者のお兄さんを味方に、チコちゃんが真相に迫る!他、赤塚不二夫との共同名義で描かれた『そしてミヤはいなくなった』も収録。
三つの星が降った夜のあくる朝、竹取りヨヒョウは竹林で女の子の赤ん坊を拾いました。女の子は深雪と名づけて育てられましたが、その子は実は天女だったのでした。宝玉の持ち主・参元食婦人の怒りに触れて、姿を変えられた弟の姿を元に戻すため、その原因である「三つの珠」を下界へ捜しに来たのでした。美しい娘に育った深雪は珠を探すために旅に出ますが……。「少女クラブ」に掲載されたジャパニーズ・ファンタジー。
そんじょそこらの企画物の合作とは訳が違います。本作の著者は水野英子、石森章太郎(当時)、赤塚不二夫の3人。頭文字のイニシャルを取って、ペンネームはU.マイア。内容は「死神の目」というダイヤにまつわる事件に巻き込まれた少女チコが、愛犬クロとネズミのシロ、そして家族とともに謎を解き明かすミステリーです。幻の作品といわれるだけあり、発表は昭和30年代初頭。さすがに絵柄や設定(パパが警察官、兄が新聞記者)に古臭さを感じるのはしょうがないところですが、テンポよく読めて3人で描いていることを全く感じさせません。これは絵が似ているということではなく、しっかり構成をして、それぞれの長所を生かして漫画にしているということ。秀作になるのは当然です。また何となくですが、楽しみながら描いているふうにも見えるんですよね。冒頭の事件の概略説明パートにチラッとU.マイア先生の自画像を描いているところとかも。これは誰のアイデアなんだろうw 巨匠の3人には失礼ですが、ちょっとほほえましく思います。