美しい壁に囲まれた世界で暮らす子供たち。少年・トキオはある日、「外の外に行きたいですか?」というメッセージを受け取る。一方、外では、マルとおねえちゃんがサバイバル生活をしながら、天国を求めて、魔境となった世界を旅している。未来の日本を「あね散歩」。二つの世界を縦横無尽に行き来する、超才・石黒正数最新作、極大スケールでスタート!!
国内外で大絶賛された『神様がうそをつく。』の尾崎かおり最新作! 小学生の頃、大の仲良しだった継(つぐ)、空、優心、朝里。変わらないと信じていた絆には、いつしかヒビが入っていた……。高校生男女4人組が織りなす青春と再生の物語。
高校卒業を間近に控えた加茂野紫(かものゆかり)のもとに突如現れた少女アーニャ。その瞬間から世界はそれまでとはまったく違う姿を見せ、加茂野は自分が恐るべき異能力を持つことを知る!
人類vs.絶滅恐竜の規格外バトル!! 拉致された兄貴分の椿原(バッキー)を救出すべく、単身ヤクザの事務所に乗り込んだ我良(ガラ)は難なくヤクザたちを撃退し、バッキーを助け出した。ヤクザのひとりに「お前よりも強い奴を知っている」と廃映画館に連れて行かれると、そこにはヒトを喰らう恐竜が!! 一体何が起きているんだーー!!
『げんしけん』の木尾士目が新たに描く工業高校×合唱の青春物語! 声にコンプレックスを抱える藤吉晃。声変わりから極端に低い声になった彼は、「声を使わない仕事に就けるかも」という理由もあって工業高校に進学した。しかしそこで、合唱部を作ろうと意気込む同級生・木村仁と出会う。木村は藤吉の声に魅力を感じ、「一緒に合唱やろう!!」と誘ってきた! リアルな工業高校の日常と、歌で人の心が繋がってゆく青春模様です!
人間の性と暴力、そして愛。マルキ・ド・サドの傑作短編集『恋の罪』でもっとも淫靡で陰惨な悲劇「エルネスティナ」を完全漫画化! 悪徳の美麗伯爵が、善良な青年と淑女の心身を蹂躙する!
平々凡々なサラリーマン・藤ノ木の秘かな楽しみは、小学生のとき同級生だった男・赤岩から不定期にかかってくる電話だ。もう20年も会っておらず、今はどこで何をしているのかも分からない。この電話だけで繋がった奇妙な友情は、いつしかとんでもない方向へ転がっていき――。『ガイコツ書店員 本田さん』の本田氏が贈る、男2人の物語! ラストシーンに大きな反響・感動を呼んだ読み切り傑作を電子書籍化。おまけ漫画も収録!
欲望、勇気、魅力、道徳、まごころ…… 人の中にある「カタチの無いもの」を盗まれた時、 人はどうなるか? 世の中はどうなるか? ここは数多の強奪者(=ドロボウ)が跋扈する街。私立探偵・如月ウロは不可解な事件を鮮やかに解決していく。彼こそが、誰よりも巧みなドロボウだから。ヒット作『エンバンメイズ』の作者が満を持して放つ、向かうところ盗っ人だらけの究極異能活劇!
この後自殺か人殺しでもしないかぎり、聖人認定は間違いないと言われる修道女のマザー・ドロテア。だがある日、彼女の経歴を疑う青年記者・アレハンドロが修道院を訪れる。彼女の正体は、奇跡の聖女か、稀代の詐欺師か――。『辺獄のシュヴェスタ』で各所から激賞された竹良実が放つ、85ページの特濃読み切りを、リクエストにお応えして緊急電子書籍化! 電子版では彼らのその後を描いた、おまけマンガ3ページも収録します。
ちょっぴり変な動物たちとのんびりゆったりもふもふライフ!ツイッターで話題の動物マンガがついに書籍化!ちょっぴり大きくてダンディな声のインコ、突然巨大化したのほほんハムスター、人間に負けちゃうひ弱ぐま…。そんなケモノたちと過ごすちょっぴり変な女の子たちとの、クスッと笑って癒される、けももふマンガ!書籍でしか読めない新作エピソードや描きおろしも収録!!
手塚治虫にしても、藤子不二雄にしても、元をただせばパロディ作家なのである。そもそもスターシステム(同一の作家が同じ絵柄のキャラクターをあたかも俳優のように扱い、異なる作品中に様々な役柄で登場させるような表現スタイル)からして自作間におけるパロディであるし、一般に手塚が体系を整えたといわれる漫画的記号の数々にしても発明者本人に特許権のようなものは何ら存在しておらず、作家間を隔てる異空間を超えてあたりまえのことのように浸透している。あまりに広く、あまりに希薄に、浸透しているので、それがパロディだとも気づかぬほどだが、1970年代には吾妻ひでおが『不条理日記』等の作品で漫画的記号の使用を脱臼させてみせ、それがパロディ的要素を備えていることを如実に示してみせた。吾妻はその後、アルコール依存症に苦しみ、一時はマンガ界から姿を消すが、大ヒット復帰作となった『失踪日記』が『不条理日記』の頃からは考えられない"正統派"のマンガであったことは記憶に懐かしい。ちなみに手塚は自作内に吾妻のマンガキャラクターをパロディとして登場させるなどしていたが、手塚キャラをパロディギャグにして世に出てきた田中圭一が最近では『ペンと箸』や『うつヌケ』等の"正統派"のマンガで第二次ブームをむかえている。 そしてほかでもない石黒正数も、手塚治虫や藤子不二雄、それから吾妻ひでおや田中圭一らに連なる正統派のマンガ家であると思うのだ。正統派のマンガ家とは、マンガというものに広く希薄にも共有されて、そして受け継がれているものの使用に自覚的な作家にほかならない。それは当たり前にそこにあるものではなくあまりに貴重な共有財産である。パロディとは、それを使わせていただきます、という一種の照れのようなものである。だからこそ異端であるかのようなパロディ作家こそが正統足りえるのだ。 いっぽうで共有財産の使用を拒んだ真の異端としてのマンガ家が数人いる。彼らはマンガの革命者であり、マンガの可能性の限界を押し広めた者たちであった。大友克洋、高野文子らがそれにあたるだろうか。そして石黒正数のパロディは多岐に渡るが、作品間を超えて貫かれており、今作『天国大魔境』にも見られるのは大友や高野のパロディである。背景の白い建物の壁にひび割れや汚れが描かれるのは大友そのものであるし、ジーンズの描き方は高野から来ているものにちがいないだろう。さらに一巻目をさいごまで読んで驚いたのは、おねえちゃん、ストップひばりくんではないか! 江口寿史とは正統→異端に転じたひとであろう。異端である革命者はやはり偉大だが、わたしは正統派も同様に偉大であると思う。パロディとは一種の愛のようなものではないか。なぜって石黒正数のマンガのそこここから偉大なマンガの数々への愛が感じられるのだ。