著者がデビューした直後に発表した漫画を集めた鮮烈なる処女作品集。後の傑作『南くんの恋人』の「ちよみ」ちゃんが初登場する「言いなりになりたい」や、不思議な男どもの出現で困惑する「ヘンなくだもの」、人の心が読めてしまう「哀愁のまちこロール」、おなじみ四コマ漫画シリーズなど、内田春菊の原点がここにある。
「あたしは顔はかわいいけど、ものすごっくいじわるな女です。とくに男の人を傷つけるのがだあいすき。あなたにも男の傷つけ方をお教えするわ」5ページ程度で、思いもかけないオチを見せてくれる短編「ヘンなくだもの」シリーズ。可愛い女の子達に癒されるのもよし、登場人物の人生観に共感するのもよし。可笑しくて、ちょっとHな連発コミック!
3人の子供をもつシングルマザーのお母さんが子供たちに教えるのは、お金を使わなくたって「幸せ一杯!」の楽しい暮らし方。自然に素直に正しく暮らすこと……、物欲だらけの生き方はもう古い!ごぼうのかりんとう、白菜の餃子、スイカの皮の漬け物、りんごの皮茶……。巻末には、親子が作中で作ったレシピを掲載。読んだら試したくなる! 内田春菊が描く、ほのぼの節約コミック。
もも、26歳。夢、半ば。週3で派遣の事務をしながら、小さな劇団で女優をしているもも。職場の同僚には演劇をやっていることは秘密。なぜなら一番大切なものだから。そして失うのが怖いから。美しい友人、活力ある劇団主宰、迷いのない看板女優の中でからっぽな毎日を生きるももの不安と焦り。このまま変わらずにいていいのだろうか--。夢にむかって進もうとする26歳の女の子の心情が風景と結びつき、著者ならではの美しい色使いに魅せられる、オールページフルカラー!ウェブ「花椿」の人気連載、待望の書籍化!
クラスメイトと名乗る女子から貰ったチョコレートを食べた水島樹権(じゅごん)。翌日、彼の身体に異変が……(「吸血少女」)。仲良しの男女グループの中で、唯一実家住みの女子大生が抱いた違和感。その正体とは……(「真相」)。吸血鬼、フランケン、幽霊などの怪異を取り扱ったものから、人間の心の深淵を暴くサイコホラーまで、幅広い「恐怖」を扱った内田春菊渾身の作品集。<収録作品>吸血少女少女フランケン恐怖三話真相わたしというにんげん不幸の足音ブルイ・ドンかいだん奥さん渡辺です
一生しごとを持っていたいきもちをわかってほしくて、私は思わずききかえした――。男の勘違いに幻滅したり、それでもやっぱり恋したり。既成概念にとらわれず、自分にとって大切なものを直感的に選びとっていく女性たちの、辛口な恋の物語。キャリアウーマンの心の揺れを描く表題作「凜が鳴る」ほか11篇。解説・友沢ミミヨ
「所有のない社会」を目指す「カルト村」で生まれ、過酷な労働や理不尽な掟に縛られた村の暮らしを受け入れて育ってきた著者は、なぜ自ら村を出たのか? 村で過ごした13歳から19歳までの青春期を描き、当時のマスコミを騒がせた村の実態に迫る、衝撃の実録コミックエッセイ。朝日新聞、毎日新聞、新潮45、TVブロス、アンアンなど、数多くの書評欄で取り上げられ、「その後の話が読みたい!」の声が殺到した話題作『カルト村で生まれました。』の待望の続編! 思春期をむかえた村の子の毎日(音楽、男女交際、一般の本を読むことは禁止。男子の部屋も女子が掃除!)。「個別ミーティング」や内容を大人にチェックされる「日記」など、思想をコントロールする村独自の新たなシステムがスタート。結婚相手は年の離れたおじさん!? 村の「調整結婚」など驚愕のエピソードが明らかに――。
ほのぼの節約コミックとは言いつつ、かなり内田春菊節が炸裂してます。途中からワタハン読んでる気持ちになりました! 竹を割ったような性格のママとヒトシ・フルタ・ミツバの3兄妹。 貧乏だけど楽しく仲良く、役に立つ節約レシピを教えてくれます。ここまではかなりほのぼの! 貧乏なシングルマザーに対する偏見、性に対するあけすけな発言、縁を切ったのに家に乗り込んでくるオレ様なおじいちゃん……やっぱり内田春菊作品だなあと思わされます。でもそれが豪快で面白いから読んじゃうんですよね。 賛否両論あるかもしれないけど、内田春菊作品を読むと家族っていいなと思えます。何言われても本人たちが幸せだったら幸せなんですよね。貧乏も偏見も怖くない!