ゆめのはしばし
あらすじ
「結婚することになっちゃったけど私のこと見捨てないで」 心中未遂後の70年――。時代に許されなかった女性同士の恋と人生を、令和から戦後まで遡って辿るドラマチック一代記!伊藤貴代子、85歳。認知症で家族の顔さえわからなくなる日々の中、突然訪ねてきたのは、忘れるはずもないかつての恋人・園田ミツだった――。貴代子とミツは、戦後の女学校時代に心中を図った恋人同士だった。心中が失敗しても恋愛関係は続いたが、貴代子は28歳で見合い結婚を決めてしまう。ミツは傷つくも、貴代子の悲壮な理由を知り、婚前最後の旅行を提案するが――?
めいじしまいとたいしょうゆうじょしんそうばんせつげっかおおもんぱらだいす
あらすじ
『重版出来!』の松田奈緒子が贈るおんなの天国と地獄。「雪月花/大門パラダイス」に加え、極上に切ない掌編漫画を描き下ろし! 木綿のような、強く匂う華のような、夢二の美人画のような、炎のような、堕ちてもくさらないおんなたちの人生。 雪月花───明治時代、裕福な家庭に育った質素で学問好きな姉・光子(みつこ)と、派手で男に愛される妹・喜久子(きくこ)。正反対の姉妹は、お互いの出生の秘密を知り…。大門パラダイス───大正8年。吉原(よしわら)遊郭に売られ初見世(はつみせ)を迎えた「紅(くれない)」こと、りん。人生を儚むりんに、ある御仁が言葉を授けた。「仕事を蔑んでも自分を蔑んじゃいけない」心から勤めることに徹したりんは、強く美しい花魁(おいらん)へと成長してゆく。
冒頭、85歳まで会って話せる距離にいたなら良いじゃない、と思ったんですけど、どんどん2人の歩んできた道を遡るほどに、いろんな葛藤や後悔があったんだなというのがわかりました。と同時に、少しでも何かが違っていれば、どこかのタイミングから一生再会できなかった場合だってあり得る。思うようにいかないことだらけだったかもしれないけど、なるようになったとも言える。教科書に載らないような人の人生だって、立派な歴史だなと思い知った。 決して結ばれなくても、「死ぬ気で愛した人がいた」という経験は、死ぬまで離さず持っていたい宝ものだと思います。 過ぎたことは変えられないけど、出来るだけ後悔のない人生を生きたいものです。