きみが死ぬまで恋をしたい

王道ファンタジーで彩られた美しくも儚いシリアスな神百合作品

きみが死ぬまで恋をしたい あおのなち
カワセミ㌠
カワセミ㌠

一見とある学校を舞台とした普通のシリアス系百合作では?と当初軽い気持ちで手に取り既巻全てを読破した者の感想になりますが簡単に言い表せない濃厚なシナリオ+不穏な世界観に彩られた"きみ死ぬ"の世界観に圧倒され百合漫画総選挙で上位入賞+大多数のアニメ化を求める声に偽り無しと強く実感したタイトルと呼べた名作でしたね まずその世界観についてですが、主人公含めた学生達は皆孤児でその孤児達を集め魔法を学ばせその学んだ魔法を使い戦争の兵士として駆り出すと言う生き死にのかかった不穏な世界観が舞台となっており、主人公のシーナちゃんはそんな世界に馴染む事が出来ずにいた所学校内で最強の魔法使いと謳われるミミちゃんと出会いそこから運命の歯車が回り出す所からこの物語が始まります そこからお互いの役目やこの不穏な世界での生き方について心境の変化やミミちゃんに纏わる秘密や噂の真相が明らかになっていく等の尊くもシリアスな濃密ファンタジー百合が展開されていきますがどの要素も破綻する事なく見事に調和し美しくも儚いと呼べるレベルまでへと昇華したこの作品の沼に捕まってしまいましたね

ばくおん!! 台湾編【電子単行本】

しっかり台湾行きたくなる

ばくおん!! 台湾編 おりもとみまな 太田ぐいや
さいろく
さいろく

箱根~伊豆スカイラインにはバイカーズパラダイスっていう名前のバイク乗りのホットスポットがある。 なんでわざわざそんなところに、という場所にあるのだが、それが盛況なのだ。 バイク乗りってそういうとこで集まっちゃうのです。バカなのです。私もだが。 で、台湾編。 アジアの原付交通事情はよく「カブに4人乗り」とか「めっちゃ多い」とか言われるとおりで、バンコクや北京でもそうだったけどめちゃくちゃ乗り物として普及している。 バイク乗りという意味ではなく、本当にチャリの代わりなのだ。 どうやら台湾もそのようだ、というのを本作で知った。 そして私はタイでは国際免許証でバイクを乗り回して来たので知っている、海外のバイク旅は楽しいのだ。あと意外とめちゃくちゃ安い。移動費自体が日本より物価が安いからっていうのもあるけどめっちゃ安いのだけど、さらに輪をかけて安い。 例えばバンコクで5日貸してくれって言ったとする。その5日で南はパタヤビーチ、北はアユタヤまで(プーケットまではさすがに行けなかった)レンタルバイクで全然いけちゃうのである。 移動費はガソリン代だけみたいなもんなので安いし、何より一回体験したらもういいよと言いたくなるほど酷い未舗装道路なので死の恐怖もうっすら感じながらのツーリングが楽しめる。 5日間レンタルでもせいぜい5000円、安いとこ探せば3000円しないで借りれる。もちろんそんな長距離乗る場合は壊れたら野垂れ死ぬ可能性もあるのでちゃんとしたバイクを借りたほうがいいけど。 というわけで前置きはすごく長くなったけど、台湾編を読み、まさにコレをタイでやったなぁとしみじみ思いつつ、台湾でも出来るんだ!と知らなかったので嬉しい気持ちでいっぱいになった。 何より、ちゃんとツアーガイド的に要所要所で著者が体験したのであろう事柄や見るべき場所を丁寧に解説してくれており(おりもとみまな先生にしては珍しいぐらいまともに)めっちゃいいガイドブックになっている。 続きが待ち遠しいし、早く台湾行きたいぜ。 PCR隔離がなくなったら行ける、みたいに考えてるけど行けるのかなー 韓国とタイは開放し始めたようなので、日本の場合は帰国時に隔離があるのだけどそれがなくなりさえすれば本作と同じ事が本当に出来るであろう。

ばくおん!!

コロナ禍でブーム到来のバイク界、参考にしてはいかがか

ばくおん!! おりもとみまな 蒔野靖弘
さいろく
さいろく

需要と供給が反比例して中古市場が爆上がりしているバイク業界。 半導体含むパーツ不足により新車を買おうとすれば半年待ちは最早当然になりつつある。 さらにYoutubeなどのインドア向けコンテンツで旧車ブームも来ており、一般人からしたら知らないよって話だと思うがとんでもない状態なのです。 かくいう私も昔からのバイク乗り。そして今年乗り換えを決意してつい先日2台納車を迎えました。両方新車です(高かった) 本作の主要キャラたちは各メーカー推しの設定となっており、主人公の羽音ちゃんは特にこだわりはなかった初心者からの導入として当然のようにスーフォア(バイ太)に乗る事になったHONDA贔屓。 YAMAHA乗りの恩紗、SUZUKI乗りの凛、KAWASAKIの来夢先輩、外車乗り(執事が)の聖、ロリGPレーサーの千雨…などバイク乗りの五感を刺激するレア車やネタ車を含めたてんこ盛りな内容となっている。 もちろんギャグマンガだ。バイク漫画なんてそんなものだ!無理に麒麟みたいにガチガチに固めては各メーカーを総なめに紹介して媚びを売ることなんて出来ないからな!!! というわけでバイクをこれから買おうかなと検討されているあなた、バイク乗りの彼氏の気持ちが理解できないあなたにオススメです!!! (画像は一例であり私はHONDA乗りです)

森繁ダイナミック

マニア向けの怪作ギャグマンガ

森繁ダイナミック 桃吐マキル 福耳ノアル
toyoneko
toyoneko

森繁ダイナミックは,桃吐マキル先生と福耳ノアル先生がヤンサンに連載した怪作ギャグマンガです。 表紙をみればわかりますね。 マニア向けです! 不条理と意味不明のハイテンションギャグが延々と続くので相当に読み手を選びますが,読んでいると次第に楽しくなってきます。 …楽しくなってこないかもしれませんが,そのときはまぁ相性が悪かったということで。 下巻の巻末には,いろいろな漫画家が寄稿してます。具体的には,非メジャーな作風だったころの押切蓮介先生とか清野とおる先生などが寄稿しており,何となくこの作品のディープさが伝わるかと思います。 上下巻ともアンリミで読めますので,興味ある方は是非ご一読を。 ところで,作者の一人である福耳ノアル(福耳ノボル)先生は,かつて週刊少年チャンピオンに連載された伝説の作品「フリオチ」の作画(三三先生)と同一人物なのではないかと噂されています。 フリオチは…正直歴史に残るレベルでヤバい漫画だったのですが,今となっては,改めてまた読んでみたい漫画の一つではありますね(コミック未刊行)。 フリオチの連載第1回が載ったチャンピオン https://akitashoten.co.jp/w-champion/2005/19 「福耳ノアル(福耳ノボル)」=「三三」であるという噂 https://etc4.5ch.net/test/read.cgi/wcomic/1120975143/356 https://etc4.5ch.net/test/read.cgi/wcomic/1120975143/358 http://kuzure.but.jp/f/b/756832697/756832697.html

CHERRY TEACHER 佐倉直生

『CHERRY TEACHER 佐倉直生』が卒業するまで

CHERRY TEACHER 佐倉直生 立花和三
みや
みや

『卒業までにお前ら全員と愛し合うことだ!』 と生徒に名言する熱血教師と、女子高生3人娘を中心に繰り広げられるエロコメディ。 まず、この作品 佐倉先生のキャラ設定が絶妙です。 コイツは基本熱血で生徒思いの教師ですが人並みにエロい。部屋にはジャンル偏ったエロ本もあるし。 でも、生徒に欲情なんてしたらアカンのや!って倫理観ももってる。 ヘタに聖人度100%だったりエロ脳100%だったりしない丁度良い人間らしさです。 あとはメインの女子高生キャラは3人 ・パンチラ担当 ・人妻のオーラを持つ魔王系百合 ・慎ましやかな胸部装甲の元気系空手娘 ストーリーは日常系の基本1話完結構成です。 画力の高さがあり、ギャグ調の絵柄とリアル寄りの絵柄を使い分け、要所要所でシッカリと画力の無駄遣いをしていくスタイル!良いゾもっとやれっと思えました。 『愛すべきバカ』とか『もっと評価されるべき』タグつけたい漫画でした。 女子高生 + ブリーフ 人妻女教師 + 鹿の剥製 新任教師 + 特注エロエロメイドビキニ このあたりのワードに可能性を感じる紳士にもオススメの漫画です! 以下、最終回についてのあさ~~いネタバレ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 最終回のタイトルは『卒業』です! しかしながら『○年後~』のような展開ではなく、生徒達が3年生になっていたりしない CHERRY TEACHERは 変わらず1年の担任である ではナニからの卒業なのか? それは実際に読んで確かめて欲しい

ラブロマ 新装版

全5巻完結ラブコメの金字塔 #マンバ読書会

ラブロマ 新装版 とよ田みのる
兎来栄寿
兎来栄寿

「5巻完結の名作」というと色々と思い浮かぶ作品はあるのですが、私の中で真っ先に出てくるのはこの『ラブロマ』です。新装版でも全5巻ですが、とりわけまだとよ田みのるさんがこれを初単行本として出したフレッシュな時に描かれた、初々しさも残るコピックで塗られたカラフルな表紙の方の全5巻を思い出すのです。 本作は、主人公の少年・星野がクラスメイトの根岸さんに人目も憚らず告白するところから始まります。二人が付き合うところまでは非常に早く、付き合ってからの甘酸っぱい時間がじっくりことこと煮込むように描かれます。その後に完成する美味しい料理を早く食べたいような、完成に至るまでにずっと漂ってくる甘美な匂いに浸っていたいような、不思議な感覚を与えてくれます。 二人以外の周囲の人間の個性や関係性も含めて青春の粋が詰まっており、無限にかわいらしく無限に愛しみが湧く物語です。二人を笑顔と拍手で応援するモブが好きすぎる! そして、意外と清らで品行方正なわけでもないところもまた魅力です。星野は根岸さんとキスはしたいし、乳にも触りたいし、何なら「みかん」もしたい。少し変わった性格の星野は、その欲望すらも包み隠さず明け透けに見せてちょくちょく根岸さんに殴られます。たがそれがいい。こういうのがいい。 一人一人全然違う人間同士が一生懸命生きて、時にぶつかり合いながらも同じ時を過ごして感動を共有する瞬間の尊さ、掛け替えのなさ。この作品から溢れ出るそういったシーンの輝きに、読む度に心を満たされて幸せになります。 全5巻を読んで最後に必ず笑顔になれる傑作です。