Azalea

バトルも頭脳戦も最高にカッコいい女刑事の活躍劇 #1巻応援

Azalea 鳳乃一真 新島光
sogor25
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誰もが認める凄腕の刑事でありながら、その能力の高さゆえに独断での行動も辞さないという暴れ馬・氷堂楓。近未来のような、洋画の中のような世界で活躍する彼女と、彼女が事件の解決に乗り出すことになる"犯罪者だけを狙った連続殺人事件"の首謀者「幽霊卿」との対決を描くサスペンス・アクション。 彼女の向こう見ずに事件解決へと突っ走っていく性格や身体能力の高さから来る派手なアクションシーンに目が行きがちですが、個人的には彼女の最大の魅力の根源は事件の本質を見抜くその洞察力にあると思っています。その洞察力は事件の推理を行う際だけでなく連続殺人鬼と対峙した際にも遺憾なく発揮され、彼女の行動力や事件解決能力を裏打ちしています。 また、キャラクターとしては一匹狼のような雰囲気が強い主人公ですが、彼女の周囲を取り巻く登場人物との関係性も魅力的に描かれます。彼女の思考の根本までは理解していないにも拘わらず、阿吽の呼吸で彼女をサポートする同僚のビリー。長年連れ添った友人のような間柄の検死官のキーナ。おそらく過去の何らかの事件で司法取引を行って彼女に協力するハッカーのジル。そして、出会ってすぐ惹かれあって結婚した最愛の夫・アーサー。どこをとってもそれぞれがバディのような深い関係値を示していながら、実際に事件解決に向かうときには単独行動。この外連味溢れる感じが、好きな人にはたまらなく刺さる作品だと思います。 さて、物語のほうは1巻の終盤で一気に加速していきますが、ストーリーが進むにつれてその展開がこの作品の大いなる導入に過ぎないことに気付かされます。ここからどう事件が連なって楓と連続殺人の黒幕とが引き寄せられるのか、かなり長丁場になりそうな予感があるので、是非作者が満足できるどころまで描けるよう応援していきたいところです。 1巻まで読了

空腹なぼくら

斬新すぎるゾンビマンガ

空腹なぼくら 友安国太郎
六文銭
六文銭

ゾンビ映画やドラマって以前はB級ホラー臭漂うものでしたが、昨今、あらゆる面でハイクオリティになってますよね。 描写的にも、ストーリー的にも。 ただのパニックホラーからヒューマン・ドラマまで、ゾンビには無限の可能性があるなぁと感じてます。 マンガも然りです。 本作は、数あるゾンビ作品のなかでも、まだこんな話ができるのかと唸りました。 さて、その内容なのですが、 ゾンビによって人類がほぼ絶滅な状況のなか、主人公もゾンビになってしまう。 しかし、主人公は他のゾンビと違い、人間同様の知能と感情が残っており、人間とゾンビの狭間の存在となる。 そこで、彼はその知能を使って、ある計画を考える。 それは残った人間を繁殖させ、ゾンビたちの食糧を確保するというもの。 これによってゾンビ界の神になろうという目的だ。 冒頭から人間の男は確保できていたのだが、つがいとなる女性を探して話はすすむ。 そんな中現れたのが、人間時代に未練を残し別れた元カノ。 彼女を使って計画を実行するのか? ゾンビになった主人公の葛藤が描かれます。 感情があるがうえの葛藤。ゾンビと人間の対比が見事です。 また、ゾンビから逃げるか・戦うかのストーリーが多いなかで、ゾンビになって自身の野望を実行するとか秀逸です。 とにかく気になるところで話がグイグイすすむので、あれよあれよで読んでしまいます。 胸糞悪い展開も、良いスパイスとなって、これがまた良い。 まだ1巻しかないのですが、今後どう転ぶのか楽しみな作品です。