小学館集英社プロダクションマンガの感想・レビュー5件日本人が到達出来なかった白黒表現シン・シティ フランク・ミラー 堺三保starstarstarstarstar線セーショナル アメコミ界において、フランク・ミラーの影響力が絶大だったのは言うまでもない。それは海を超え、この日本においても同じだ。特に松本大洋の初期の絵柄は明らかな影響が見受けられる。 では、なぜフランク・ミラーの作品が海を越えることが出来たのか?それは、このシンシティという余りに男臭く、色気のあるハードボイルドな物語が、誰もが見れば一発で認識できる程の鋭い暴力的な線と、強い白と黒のコントラストで描かれているからである。 不幸なのは色彩の無い日本の漫画から、この絵柄が出てこなかったことである。 1巻から4巻にかけて線からどんどん面的な絵柄になっていくフランク・ミラーの実験もまた面白い。かなりギリギリまで攻めている。漫画の根源的な部分の表現サルヴァトール ニコラ・ド・クレシー 大西愛子starstarstarstarstar線セーショナル 漫画はそもそも荒唐無稽な内容や寓話を簡潔にまとめられた線の集積で、描かれたカリカチュアである。これは日本の漫画の歴史の始まりとして、鳥獣戯画が上げられることからもよく分かる。 今作はニコラ・ド・クレシーの中でも最も軽やかな線の集積で描かれており、情報量の多いバンド・デシネが苦手な人にはこの作品からオススメしたい。 まさに戯画的な動物である主人公が自分の大切な人を探し求め旅をするのだが、愛おしいい展開がテンポ良く進んでいくので、ニコラ・ド・クレシーの異常な絵の上手さを忘れてしまう所である。流行りの可哀想かわいいジャンルのキャラクターちこまる スズキハルカstarstarstarstarstar_borderゆゆゆねえ、ちこまる。 君は可哀想かわいいジャンルにいるから、不憫な目にしばしあってしまうんだ。 ハムスターだから大切にギュッとしてあげたいけど、この気持ちをくみ取られて漫画にされたなら、きっとまた君を可哀想な目にあわせるだけなんだと思う。 だから、君を眺めるだけで助けてあげられないけど、許して欲しい。 でも負けないで。有象無象に存在する他の可哀想かわいいキャラクターに負けず、かわいらしさをアピールしつつ不憫な目にあいつつ、人気とPVをもりもり食べて、グッズをたくさん買ってもらって、なんならアニメ化もして、創造主さんの力になるんだよ… なんてことを思いながら読んでしまった。 内容的にはあるあるネタが混じってたり、読んでフフッとする内容だったり、作者さんの目の付け所がとても素敵。不憫でかわいいちこまる スズキハルカ野愛がんばってるけどなんか残念でかわいい。不器用で不憫でかわいい。 一生懸命生きてるかわいそうでかわいいちこまるが愛おしい。 バイト先の新人さんに話題をふるけどそっけなく返される、居酒屋で自分が頼んだ料理に誰も手をつけない、バーベキューで役に立たない…… やってるのがハムスターのちこまるだからかわいくて笑えるけど、自分がそうだったらと思うと割と笑えない。でも一度は経験したようなことばっかり。 世界って生きづらいね。ちこまるのようにかわいくてもしんどいんだね。 不憫でかわいいちこまるに自分を投影しつつ強く生きていきます。 ジョーカーという絶えぬ狂気の「誕生」バットマン:キリングジョーク 完全版 秋友克也 アラン・ムーア ブライアン・ボランドキャップ推し※ネタバレを含むクチコミです。
アメコミ界において、フランク・ミラーの影響力が絶大だったのは言うまでもない。それは海を超え、この日本においても同じだ。特に松本大洋の初期の絵柄は明らかな影響が見受けられる。 では、なぜフランク・ミラーの作品が海を越えることが出来たのか?それは、このシンシティという余りに男臭く、色気のあるハードボイルドな物語が、誰もが見れば一発で認識できる程の鋭い暴力的な線と、強い白と黒のコントラストで描かれているからである。 不幸なのは色彩の無い日本の漫画から、この絵柄が出てこなかったことである。 1巻から4巻にかけて線からどんどん面的な絵柄になっていくフランク・ミラーの実験もまた面白い。かなりギリギリまで攻めている。