茜新社マンガの感想・レビュー12件征夷大将軍と蝦夷のロミジュリ #1巻応援赫赫 一二〇〇年前の春 トウテムポール兎来栄寿『東京心中』や『ジドリの女王』で知られるトウテムポールさんが歴史マンガ、しかも戦国や幕末などタレント揃いの時代ではなく奈良時代の坂上田村麻呂を描いていくという挑戦的な内容には期待に胸が躍りました。 なお、BLレーベルで出されており公称も歴史BLではありますが、少なくとも1巻の時点では男性同士で抱擁し合う程度でむしろ歴史マンガとしての趣が断然強いので、男性でも抵抗なく読めるでしょう。 阿倍内親王=孝謙天皇が寵愛した僧侶・道鏡が完全なイケメンとして髪の毛フサフサで描かれていたり、少しだけファンタジー要素も出てきたりしますが、基本的には史実に忠実なドラマを描こうとしているのが伝わってきます。 権力闘争が激しい時代において後の桓武天皇である山部王と、幼少期の坂上田村麻呂である利仁の国を良くして民を助けたいという志を同じくするふたりの出逢いから歴史が動き出していきます。 利仁は他人のために自分のものを躊躇なく分け与える清廉な心を持っていますが、優婆塞の老人に「本当に人を助けたことがあるかい?」「それは自分の力ではなく与えられたものではなかったかい?」と問われるシーンがとても良いです。理想だけでも、力だけでも、世界を良くすることはできないという厳しい現実を受け入れながら彼はどのように成長して行くのか。 更に、その優婆塞との暮らしの中で農耕や麻を使った布作り、ヘクソカズラの実を用いた調薬など当時の庶民の暮らしぶりが丁寧に描かれていくところは学びもあります。 今後の描写次第では学級文庫に置くには難しいかもしれませんが、奈良時代の歴史を学ぶ際に読んでおけば解像度が一段高まること間違いなしの良質な歴史マンガです。 なお、坂上田村麻呂といえば征夷大将軍であり蝦夷の征伐を成し遂げたことで有名ですが、彼はそのときの好敵手に対して敵味方を越えた友情があったという話もあります。BLという題材においては非常にうってつけの関係性であり、良い種の蒔かれたその部分が今後どのようにエモーショナルに描かれて行くのかは本作の最大の焦点で非常に楽しみです。オノ・ナツメの商業BL最新?作ナカさんのながれ bassoさいろくオノ・ナツメ先生のBL作品用別名義、basso先生の今のところ最新作…8年前(2012年)のだけど。 ナカさんというラーメン屋の店主(43歳)と不動産勤務のサラリーマンで客だったゲイの戸松(27歳)っていう二人の物語。 設定というか人物がそこら辺に本当にいそうで、オノナツメ作品とは大きく異なってリアリティがある。 そこが良いとする人も沢山いそうだし、もっと夢を見させて!と思う人もいるかもしれない。私はどちらかといえば前者。 ところで、ラーメン屋さんは本当に 「そんなもん(チャーハン)喰えるならもう一杯ラーメン注文しろ!」 と思ってるんだろうか。 ラーメン屋でラーメン2杯頼んでもいいものなら(かつその方が店側が嬉しいなら)頼むんだけどなー 替え玉ならぬ、別のラーメン追加。出来るのかな… ↑皆さんの意見求む!とにかくスカっとする。先輩は女子校生♂️ 新井煮干し子華子今年、ダブルで文化庁メディア芸術祭にて「マンガ部漫画部門優秀賞」を受賞したい野田彩子さんが別名義で描いた漫画です。 そもそもから割と独特な世界観と絵柄の作者ですので、BLについても独特も良いところです。 世の中には沢山のBL漫画がありますし、読んだ事ないだけであるんでしょうけど、登場人物が貧困に喘ぐフリーターと、こちらもいい加減に生きている女子高生限定でハメどりアダルトビデオを撮影しては売っているというロクでもない三十代のお話です。 先輩が徐々に女性化していく謎はあるのですが、年下の主人公がフリーターで貧困でありながら、いい加減でだらしない先輩を、どうにか食わせてやらなければと思う健気な気持ちや、将来への不安がめちゃくちゃみにつまされました。 後半三分の一くらいはもう、なんかその気持ちわかる。。。。という具合に、ついつい共感してしまったワタシは今、転職活動中の無職です。 笑えない。 ただ、最後はびっくりな凄い終わり方でスカっとします。青春時代を追体験できる。同級生シリーズ 中村明日美子華子BLファンなら読んだことないんじゃないの?というレベルの認知度で、今更レビュー?という気もしますが。。。 絵柄の美しさもありますが、中村明日美子さんのすごいところは、漫画でありながら「行間を読ませる」ところです。 コマの余白にまで、物語を感じる事ができる漫画を描かれます。 演出が本当に上手いです。 同級生シリーズは、これ以外に三冊スピンオフ作品が出てますが、本編のこちらは現在もOPERAで連載中になります。 残念ながら次号で最終回との事で、まだ終わってもないのに、終わると知って泣きました。 いよいよか、と。 草壁と利人の二人が色んな困難を乗り越えながら、愛を育んでいく物語です。 簡潔に言いますと。 ただ、この二人の困難は大袈裟なものじゃありません。普通に生きていたら、誰にでもある、ちょっとした引っかかりだったりするのです。 そういった日常の延長線上に描かれる物語ですので、まるで自分の身近で起こった事のように、感じられます。 誰もが通る道だからこそ難しい、そんな青春時代を美しく再現しています。 未読であれば、男女問わず読んで頂きたい、そんな漫画でございます。 あの名作のスピンオフ…!空と原 中村明日美子さいろく全然知らなかった、ノーチェックだった。 2020年になって2012年のお宝を見つけたという気持ちで晴れやかな新年を迎えられそうです。 中村明日美子「同級生」からのスピンオフ、と言っていいと思う。 本作は同じ学校の教師として「同級生」が「卒業生」として巣立っていくのを見守っていた原先生がソラノという新入生に出会ってしまうところから始まる。 始まりは読めばわかるけどかなり強引なものの、原先生もソラノもよきなのでよきなのです。 すべてよき。最高です放課後はいつもふたり 風呂前有むBL好きでなんか読みたいな〜と探してる人にこれを!! 盛りだくさんでエロくて最高です。 短編詰め合わせだけどどれも可愛い 1話目のそばかすっ子よくないですか!? 表紙を裏切らない重厚な世界HEARTLESS ニシンマスミたかまるで映画や洋ゲーのような、残酷で暗くて神秘的な作品だった。 青年誌で「ホラーアクションサスペンス漫画」として出してもおかしくない完成度で、それがたまたまボーイズラブにカテゴライズされているという印象を受けた(読んだ人ならわかってくれると思う)。 今後もこういう圧倒的な世界観を持つユニークな作品を読みたいので、ぜひいろんな人に買って読んでほしい。 自己中かわいい系BLやさしくおしえて 井戸ぎほうむ簡単にいうと弟の友達の兄(年下)と自己中な大学生のBL そこまで描写多くありません 自己中でスカしてる感じの主人公が弟の友達と会って、その兄とも会って、明らかに自分を好きなやつに翻弄される感じです。 主人公のモノローグが多めで最後まで悶々してるんですがその様が途中からかわいいじゃん!となります。 タッチおしゃれで会話もおしゃれ。『同級生』好きなひと、集まれ!同級生シリーズ 中村明日美子あの先生に溺れるルートも読みたいな・・・見た目男前のデレ攻めと中身男前のツン矢野さんの愛しか感じないトピ東京心中 トウテムポールmeets東京心中のトピがない!ので、見た目男前のデレ宮坂と、中身男前のツン矢野さんのやりとりが好きすぎる画像を貼ってみる。 読みやすいソフトBL卒業生 中村明日美子ぴっぴ男子校ってこんな感じなのかなって想像した(笑)祝!映画化!卒業生 中村明日美子ぴっぴもう映画公開してるんですね! 観たひといますか?
『東京心中』や『ジドリの女王』で知られるトウテムポールさんが歴史マンガ、しかも戦国や幕末などタレント揃いの時代ではなく奈良時代の坂上田村麻呂を描いていくという挑戦的な内容には期待に胸が躍りました。 なお、BLレーベルで出されており公称も歴史BLではありますが、少なくとも1巻の時点では男性同士で抱擁し合う程度でむしろ歴史マンガとしての趣が断然強いので、男性でも抵抗なく読めるでしょう。 阿倍内親王=孝謙天皇が寵愛した僧侶・道鏡が完全なイケメンとして髪の毛フサフサで描かれていたり、少しだけファンタジー要素も出てきたりしますが、基本的には史実に忠実なドラマを描こうとしているのが伝わってきます。 権力闘争が激しい時代において後の桓武天皇である山部王と、幼少期の坂上田村麻呂である利仁の国を良くして民を助けたいという志を同じくするふたりの出逢いから歴史が動き出していきます。 利仁は他人のために自分のものを躊躇なく分け与える清廉な心を持っていますが、優婆塞の老人に「本当に人を助けたことがあるかい?」「それは自分の力ではなく与えられたものではなかったかい?」と問われるシーンがとても良いです。理想だけでも、力だけでも、世界を良くすることはできないという厳しい現実を受け入れながら彼はどのように成長して行くのか。 更に、その優婆塞との暮らしの中で農耕や麻を使った布作り、ヘクソカズラの実を用いた調薬など当時の庶民の暮らしぶりが丁寧に描かれていくところは学びもあります。 今後の描写次第では学級文庫に置くには難しいかもしれませんが、奈良時代の歴史を学ぶ際に読んでおけば解像度が一段高まること間違いなしの良質な歴史マンガです。 なお、坂上田村麻呂といえば征夷大将軍であり蝦夷の征伐を成し遂げたことで有名ですが、彼はそのときの好敵手に対して敵味方を越えた友情があったという話もあります。BLという題材においては非常にうってつけの関係性であり、良い種の蒔かれたその部分が今後どのようにエモーショナルに描かれて行くのかは本作の最大の焦点で非常に楽しみです。