老犬とわたし~妹は64歳になりました~

飼い主は啜り泣き必至

老犬とわたし~妹は64歳になりました~ 青色イリコ
兎来栄寿
兎来栄寿

無理です、泣いてしまいます。 現在アラフォーの娘(ポメラニアン)と暮らしている私ですが、実際に犬を飼う前であったらここまでは泣かなかったことでしょう。 我が家に来たときにはまだアラサーだったのに、あっという間にアラフォーになってしまった犬の時間の進みの早さは、結構恐怖です。このままの勢いであっという間に老犬へとなってしまうのではないか……。 どうにも自分の子の未来と重ねて読んでしまいます。もし、自分の子がこうなってしまったら。辛い別れのときを迎えてしまったら。決断を迫られるときが来たら。そんな風に考えていたら、全編で涙が溢れてきました。 人間のことを気遣ってくれる健気な所作や、そんなところでずっと待っていなくてもというところで待っててくれているなども、あるあると共感してしまうところ。コーギーのコーギーらしい振る舞いもかわいい限りでした。飼っている犬種が共通する方は、より共感できるポイントも多くあるのではないでしょうか。 明日何があるかは解らなくとも、今日までに貰った笑顔や幸せは永遠。いつか来るその時を迎えるまで、まだまだたくさんの思い出を一緒に作って、目いっぱい幸せに過ごしてもらおうという想いを改めて強くしました。

陽だまりの樹

手塚先生による幕末もの

陽だまりの樹 手塚治虫
酒チャビン
酒チャビン

1981年〜1986年にビッグコミックで連載ということで、時代的にはキャプテン翼と同じ連載開始年ですね。感慨深いです。 内容は、鉄板のビッグコミックものですので、ハズレがありません。 よく「手塚先生の先祖(曽祖父)の手塚良庵を主人公とした物語」「手塚治虫のルーツを描いた作品」みたいに紹介されたりするのですが、あまりそこがメインのテーマではないので、ミスリードな感じがします(メインキャラとして手塚良庵はガッツリ出てきますが)。 手塚良庵も結構好感が持てる性格(女好きでだらしないが、やるときの集中力がやばい)で愛せるのですが、もう一人の主人公の伊武谷万二郎もそれとは反対(不器用で融通が効かない正義漢)ですが、かなり愛せます。 二人はいつも殴り合ってるのですが、本当は仲良くて尊敬しあってるところが良いですね。退廃の時代に咲いた一輪の友情の花ですね。現代にこれが連載されていたらBLの同人誌が多数作られていてもおかしくないです。 色々な人に目をかけられるほどの資質を持った万二郎でしたが、その性格のためにあまり出世せずに、最後は悲しい最期を遂げてしまいます。わたしも出世とかは良いので、自分に正直に生きようと思いました。