講談社マンガの感想・レビュー6230件<<2930313233>>アンメット(Unmet)であるということはアンメット 大槻閑人 子鹿ゆずるstarstarstarstarstarmampukuUnmet Medical Need(満たされていない医療ニーズ) これをタイトルに掲げている通り、単に医療という大きなテーマに挑んでいるにとどまらず、いろいろな悩みや欠点を抱えた人間同士の相互のドラマが非常に面白い漫画です。 主人公の脳外科医は外科として優秀なだけでなく常に患者やその家族に寄り添うことによって救おうとする。しかし医療全体の最適化を図りたい経営者たちや、異なる信念を持った同僚たちとしばしば衝突する。また寄り添うべき患者も、患っているのはほかでもない「脳」である。いくら主人公たちが有能かつ真摯だとしても、彼らの苦しみを本当の意味では分かち合えない。数学における不完全性定理のように、医療とは、どこまでいってもアンメット(Unmet)なものである運命なのかもしれません。 医療漫画はどうしてどれもこれも面白いのか、とときどき考えます。膨大な取材や考証、高度な画力、これを社会に訴えかけたいという熱い思い……数え切れないほどに高いハードルが山積みであるため、世に出た医療漫画というのはすべからくハイクオリティでなければならない、という前提はあると思います。ですが読み手の目線から考えたとき、きっと医学とは人間なら誰しも無関係でいられないからなのかもしれないなとも思います。大半の人間は病院で死にますし、日本の制度では死亡確認ができる(=人の生死を判断する)のは医者だけです。病と死について真剣に向き合って本気で描かれたプロの漫画が、面白くないはずなどないのです。最新話&過去回を語ろう妻と僕の小規模な育児 福満しげゆき名無し※ネタバレを含むクチコミです。『二階堂地獄ゴルフ』はロシア文学である二階堂地獄ゴルフ 福本伸行starstarstarstarstar_bordermampuku私も私の友人知人たちも初め、この漫画の真の価値に気づいていなかった。面白い「読み方」がわかっていなかった。 第12話にもやってようやくふと気がついたのだ。この悶々とした読み口が放つ既視感の正体に。ドストエフスキーやんけこれ。金貸しの婆ァを転がして罪の意識と自己正当化に揺れるラスコーリニコフの頭の中を膨大なページ数で延々と読ませられるあの小説と完全に一致しているではないか。 ということを先週ドヤ顔で投稿仕損ねていたら、今週(第13話)にまさかの新キャラ「ドストエフスキー罰子」が登場してしまったではないか。なに勝手にネタバラししとんねん!モーニング読者全員『地獄ゴルフ』の面白さに気づいてしまうやんけ!自分だけが気づいてドヤ顔していたかった!映画部シリーズ 4宵々モノローグ じゃのめstarstarstarstarstarるる※ネタバレを含むクチコミです。 映画部シリーズ 3黄昏アウトフォーカス overlap じゃのめstarstarstarstarstarるる※ネタバレを含むクチコミです。映画部シリーズ 2残像スローモーション じゃのめstarstarstarstarstarるる※ネタバレを含むクチコミです。映画部シリーズ 1黄昏アウトフォーカス じゃのめstarstarstarstarstarるる※ネタバレを含むクチコミです。 そうなるんかい… #読切応援溶け彼 塩野ネリコstarstarstarstarstarNanoちょっと不思議なほのぼの可愛いカップル漫画だと思ったのに…うそん…。何言ってもネタバレになってしまうからとにかく読んでほしい。30ページもない短めのお話なのに色んな気持ちにさせられる。 自分的にはめちゃくちゃ好きな作品。愛だね…。厳しい人生を生きる2人の束の間の出会い #読切応援あしをあらう 秋ヨシカstarstarstarstarstarたか※ネタバレを含むクチコミです。主要キャストがそれぞれ個性的で笑えるザ・ファブル The second contact 南勝久starstarstarstarstarこめつぶ今作はプロの一般人に転向した人物が増えて、笑いの幅が広がりました。いかにも青年漫画なリアルな絵ですが、どんどんキャラクターの性格や生き様に好感が持てて、見た目も職業も共感しないのに、どんどんカッコよく見えてくるさすがな作品です。時代設定はコロナ禍の現代とあって、親近感も湧いてきました。クロちゃんがこれからたくさん出てきてくれそうで嬉しいです。日常の生活の時と仕事の時のアキラのギャップ、人間性がちょいちょい滲み出る部分、ストーリー展開にも引き込まれてどんどん読み進められます。 クレイジーサイコホラーの良い迫力悪の教典 烏山英司 貴志祐介 中村忠朗starstarstarstarstar_border宮っしぃ優秀・有能・イケメンな主人公の蓮実は学校の生徒・先生をコントロールし、学校全体を自分の庭ようにしようと日々画策しているが、少しずつ歯車がズレていき、次第にアンコントロールな部分が浮き彫りに よし、全部リセットしよう、とばかりに猟銃でクラス・生徒を皆殺しにするという、かなりクレイジーキラーっぷりを発揮 ホラーチックなサスペンス感や蓮実の心理描写などなど、小説原作ながらもしっかり描かれていて、ラストまで一気読みが止まらない作品だった すごく今更読んだ作品だし、マンガだけしか読んでいないが、これは原作も映画も面白そうだなぁと思った良作 ただ単にクレイジーなだけでなく、シリアルキラーとしての描写や虐殺に至るまでの過程の描写もしっかりと丁寧に描かれている作品なので、サスペンス物好きならオススメできる一品でした転生しすぎだよ。僕以外全員転生者かよ 夏名ゆーまstarstarstarstarstar_borderゆゆゆノリがよい。 各話のタイトルも「〜かよ」。 そして、作品タイトルそのままに、ノリが良い。 タイトルとおり、僕以外全員、チート持ちな転生者。 そんな設定。 一方、僕はしがない村人…の顔して、主人公は転生していないものの、チート級なパワー持ち。 みな強いのでなんでもサクサクと解決してあっさりしているのかと思いきや。 転生者たちは世界の常識が今ひとつ足りない。 齟齬やうっかり、バカンス気分から生まれるコメディの数々。 悲惨な状況に対しても、ノリがよい。 妹は無事救えるのか。 転生者はどこまて増えるのか。 展開が楽しみ。真面目ちゃんとコワモテ男子強引です!鬼森くん 山倉あおは名無しどっちもピュアでかわいかった!まずは友だちとして仲良くなったほうがいいと思う。 ほぼTLイジめないで、キスしてよ 宮咲依澄名無しエロいです!たくさんの話の中にひとつくらいこういうのが載っててもいいですよね。悲しいかな、こういう場合に親の存在が気になり入り込めない年齢になってしまいました。泣お隣さんラブ好きな子あつかい 古里こう名無しこれも同じ号に載ってた「お腹がすくのは〜…」と同じく主人公がダイエットする話だけど、こっちのほうがお隣さん(幼なじみ?)らしい関係性ならではの拗れ方をしていておもしろかった。男の子の照れ方がリアル。王道ラブコメって感じで好きお腹がすくのは君のせい 采花名無し※ネタバレを含むクチコミです。 今こそ再び輝く短編 #1巻応援ダウト・ミー! 森野萌starstarstarstarstar_border兎来栄寿『花野井くんと恋の病』『おはよう、いばら姫』『マイ・フェア・ネイバー』の森野萌さんが、新人時代に描いた長編読切が電子で単体で発売開始されました。 ある程度ページ数があると単行本の巻末に載せるにも長く、しかし連載していて他の短編が増えるわけでもないので短編集としても出せず未単行本化という作品はかなりあるので、こういう形で改めて読めるようにしてくださるのは嬉しいですね。 本作は、女優の母譲りの顔で性格も良く運動もできて友人も多いという、普通の少女マンガであれば学校のアイドル枠である少年・夏彦がある日突然クラスメイト全員から無視されるようになってしまうところから始まる物語です。 居場所をなくした夏彦が辿り着いたパソコン教室で出逢うのが、ハーフ美人のエマ。写真を撮るのが好きな彼女と、写真を通して少しずつ仲を深めていきます。 後ろ暗いところが何もない夏彦が悪し様に扱われるということは普通に考えれば何かしらの誤解が生じているということなのですが、その誤解は一体どこから生じているのか? その部分が、改めて読むとより今日的なテーマを感じさせてくれました。特に、55Pのセリフは非常に大事なことだと思います。 それと同時に、エマとの関係性やそれを築くために紡がれる言葉ひとつひとつに煌めくものがあります。夏彦の置かれた状況は辛いものですが、そこから立ち直っていく夏彦のポジティブな心根は気持ちの良いものです。 ボーイミーツガールの上質な短編です。主人公の努力が見ものです聖者無双 秋風緋色 ブロッコリーライオン simestarstarstarstarstarこめつぶ自分の努力で境地を切り開いていく主人公の真摯な姿勢と情熱が読んでて気持ちが良い!自然と応援したくなる物語です。しかし貰ったばかりの 癒しの力だけでは生き残れないという、この世界感が、世の中の厳しさを語っているような気がします。作画も丁寧で、徐々に訓練の成果がでているのが見ていて分かるし、最初から段々と筋肉もついていく様子とかも描き分けられていて、これからのストーリーも楽しみです!異世界転生ものですが、主人公のドM、味覚異常といった設定などが面白いです。真実がわかるにつれて切ない法廷遊戯 束ユムコ 五十嵐律人starstarstarstarstarmotomi法律家は、法律をもってして相手を納得させる弁論ができなければならないです。 そこに感情や事実であっても不利益なものは必要ないと思います。 何故なら、裁判においては、自分側の主張をとおすことが重要、あるいは、判決を下すための話し合いであるからです。 本来、身内の裁判を受け持つことはできないけど、家族も同然の2人の関係は切なすぎて、それでもセイギは彼なりの正義を貫いたんじゃないかなと思いました。 切ないストーリーでした。 三国志が気になるパリピ孔明 小川亮 四葉夕卜starstarstarstarstar_bordermotomi純粋な孔明がかわいらしく見える場面もあるし、とても面白いです! 孔明が出てくるお話なので小難しかったらどうしようかなぁと思いながら、読み始めたらビックリしました! 偉人孔明の策をうまく現代にも活かしててすごいです。 小難しいどころかわかりやすく、コミカルでお茶目な孔明さんにハマっちゃいました。 三国志を知らなくても逆に三国志が気になる漫画です。ゆっくり成長していく異世界もの異世界ウォーキング 小川慧 ゆーにっと あるくひとstarstarstarstarstar_border宮っしぃ勇者として異世界召喚されたけどスキルが弱かったので城から追放され、冒険者として成長していく系の物語 主人公のスキルもチートスキルというより、1歩あるいたら1経験値がもらえるという、ゆっくりと成長していく系のスキルなので、物語も比較的ゆっくり丁寧に進んでいく いきなりチート能力で俺つえー!とかもなく、歩くようなスピードで仲間と冒険していくのがまったりしていて、個人的にも楽しめた まだ巻数も短いので、今後の展開に期待できる良異世界物ですよ54歳から取るMT免許 #1巻応援みっしょん!! 入江喜和starstarstarstarstar兎来栄寿『たそがれたかこ』は45歳。 『ゆりあ先生の赤い糸』は50歳。 今回の最新作『みっしょん!!』は54歳。 歳を重ねた女性を主人公にした作品に定評のある入江喜和さんの最新作、待望の1巻発売です。 やはり、この年代の女性のドラマを描かせたら卓抜しているなと思わされます。 認知症の87歳の母。 50歳になっても家に居座るも家にお金も入れず母の面倒も見ない妹。 仕事はしてくれるが仕事以外はしない夫。 中学で不登校になった22歳の息子。 住まわせて欲しいと言ってくる義姉の息子。 それらに加えて家業の書店の激務と膨大な家事で、自分の時間などまったく持てずやりたいことも何もできずに日々疲労とストレスだけを溜め続けている主人公・庵未知(いおりみち)。 彼女の閉塞していた日々に風穴を空けたのは、颯爽と真っ赤なポルシェに乗って走り去った妖精(豹柄グラサンミニスカの老女)でした。あんな風に私も自由が欲しい、と一念発起して54歳にして免許取得を目指していきます。 何しろ、一番大変なのは認知症の家族の世話です。8050問題が叫ばれる昨今、未知ほど酷い状況ではなくとも同じような苦しみを抱えている方は多くいることでしょう。私も認知症の祖父を自宅で看ていましたが、ひとりでは到底見切れるものではありません。いくら努力をしても改善することはなく、終わりの見えない中でできることをしながら心身が摩耗していく日々です。 入江さんも実母が認知症になった経験があるということとで認知症患者の描写の解像度が非常に高く、それ故に読んでいて未知にかかるストレスの甚大さがよく伝わってきます。コロナ全盛期は、かかりつけ医に行くのも救急車を呼ぶのも難しく余計に大変だっただろうなと思います。 何とか時間を作り教習所に通い出してからがまた大変で、祈るような気持ちで未知を応援してしまいます。MT免許を取ったときのことを懐かしく思い出しながら、この後に控えるS字クランクや坂道発進などの難関をどう乗り越えていくのかハラハラします。 ともあれ、誰でも何歳からでもやりたいことをやる権利があると謳う物語は素晴らしいです。本作を読んで、勇気をもらえる人や救われる人が必ずいることでしょう。 いつ読んでも「連載化したら奥深い物語になる」と確信している、尊い読切漫画です。 #推しを3行で推す #読切応援野村ナオと京極ヒナは シャリオ名無し※ネタバレを含むクチコミです。「ジドリの女王」考察メモジドリの女王~氏家真知子 最後の取材~ トウテムポール名無し※ネタバレを含むクチコミです。<<2930313233>>
Unmet Medical Need(満たされていない医療ニーズ) これをタイトルに掲げている通り、単に医療という大きなテーマに挑んでいるにとどまらず、いろいろな悩みや欠点を抱えた人間同士の相互のドラマが非常に面白い漫画です。 主人公の脳外科医は外科として優秀なだけでなく常に患者やその家族に寄り添うことによって救おうとする。しかし医療全体の最適化を図りたい経営者たちや、異なる信念を持った同僚たちとしばしば衝突する。また寄り添うべき患者も、患っているのはほかでもない「脳」である。いくら主人公たちが有能かつ真摯だとしても、彼らの苦しみを本当の意味では分かち合えない。数学における不完全性定理のように、医療とは、どこまでいってもアンメット(Unmet)なものである運命なのかもしれません。 医療漫画はどうしてどれもこれも面白いのか、とときどき考えます。膨大な取材や考証、高度な画力、これを社会に訴えかけたいという熱い思い……数え切れないほどに高いハードルが山積みであるため、世に出た医療漫画というのはすべからくハイクオリティでなければならない、という前提はあると思います。ですが読み手の目線から考えたとき、きっと医学とは人間なら誰しも無関係でいられないからなのかもしれないなとも思います。大半の人間は病院で死にますし、日本の制度では死亡確認ができる(=人の生死を判断する)のは医者だけです。病と死について真剣に向き合って本気で描かれたプロの漫画が、面白くないはずなどないのです。