彩図社マンガの感想・レビュー7件劇画に詳しくなくても面白かった劇画の神様~さいとう・たかをと小池一夫の時代~ 伊賀和洋かしこ劇画の歴史について何も知らずに読んだけど面白かったです。小池一夫がさいとう・たかをプロにいたことも知らなかったので驚きでした。しかも脚本の小池先生だけじゃなくて作画を支えていたチーフアシスタントの面々も抜けて別の会社を作るって中々のお家騒動ですよね。淡々と描いてあるのでそんなに大変なことのように感じなかったけど…。さいとう先生は漫画制作の完全分業制を実現して、小池先生は劇画村塾で才能ある漫画家をたくさん輩出して、それが今の漫画界でも揺るぎないものとして受け継がれているからすごいです。高い理想を持つことは大事なことですね。数gで宇宙や神へと至る物質 #1巻応援キメねこの薬図鑑 キメねこ兎来栄寿SNSで大人気のキメねこさんによる、自称「卓越した道徳的書物」。表現の自由の極北を驀進していく1冊です。 大麻やLSDから始まり、さまざまな合法市販薬から海外で売られているキノコや薬物などの詳細なレポートマンガ、また自身が逮捕された際の留置場生活のレポートマンガなどが盛り込まれた内容です。フィクションで実在のものとは関係ないとのことですが、良い子のお友だちは真似しないでくださいね。 担当編集は『地元最高!』、『ゴールデンドロップ』、『ごくちゅう!』などでもお馴染みの草下シンヤさんということからで、内容とクオリティについては一定の安心感が生まれます。 かわいいフルカラーの絵でありながらリアルに描かれるさまざまな薬物やその使用レポート、世界の見え方の変容などはマンガという媒体の長所を生かし切っており、視覚的に解りやすく描かれています。自分と世界の区別がつかなくなるさま、音が見えたり味が輝いたりするさま、幻視や幻覚、圧倒的感謝……。 幾何学的模様が見えてくるのは、自然界において存在する黄金比のように視覚野と生命科学が生む美しい秩序であるという節などは、なるほどと得心しました。 ″神への直通回線″と呼ばれる宇宙最強の幻覚剤「アヤワスカ」など、自分では絶対に使いたくはないものの好奇心はそそられる対象についても詳述されていき面白いです。 「TDLでLSD」 「真昼のエレクトリカルパレード」 「★大麻(ガンジャ)に感謝――――――!!」 「成人は4錠、しかし聖人であれば20錠以上は飲んでおきたい」 などなど言語感覚の良さに笑わされてしまうところも多々。 他方で、 「存在するのは、毒だと分かっていても、刹那的な夢を見ようとして、取り憑かれ、堕落してしまう人間の悲しき性だけである」 といった名文もあり、さまざまな味わい深さがあります。 『ミッドサマー』のトリップ描写は解像度がとても高く正確、などの普通に生きている上ではまず見聞きしない類の情報に溢れており、普段刺激されない部分を刺激してくれます。 「絵描きの不幸はある意味で幸いである なぜなら漫画の出力を誘うためだ」 で始まる、大麻取締法違反で逮捕された際の モノクロで描かれる留置場レポートも面白く、作者のエッセイ系マンガの上手さを感じさせられます。いえ、フィクションだそうですけどね。 「ここが留置場かぁ〜 テーマパークに来たみたいだぜー」 と野原ひろしになってる場合ではない、とツッコミを入れたくなるところや 「今ち◯かわってどうなってる?」 「ち◯かわも牢屋入ってるよ」 といった会話にも笑わせられました。 終盤で出てくる、普通に生きるのには向いていなかった筆者が語る 「創作の世界だけは人格的な部分にとらわれず 最終的な成果物のみで評価してもらえる 極楽浄土です」 という言葉は胸に残りました。 大麻の合法化についてはさまざまな議論もありながら、世界的な潮流としては合法化される国が増えてきていることも言及されています。まともな議論の土台となる知識を得ようとしても、日本では違法であるためまずその第一歩が難しい状況にはあり、そういったときにこうした作品の存在がその一助になることはあろうと思います。劇画の神様~さいとう・たかをと小池一夫の時代~の感想 #推しを3行で推す劇画の神様~さいとう・たかをと小池一夫の時代~ 伊賀和洋starstarstarstarstar_borderマンガトリツカレ男・読んだ直後に思ったこと ※一番大事!※ タイトルから俺の好きな要素しかないのがわかっていたが面白い。さいとう・たかをと小池一夫の関係性も興味深い。『ゴルゴ13』の最終回ネタに関しては特に良かったが小池一夫の御用牙の1回目の終わり方?ってそんな感じだったよな・・・ あと最初の方にふりがなの間違いがありそれが気になったな ・特に好きなところは? 小池一夫の劇画村構想から劇画村塾につながる流れだ。 ・作品の応援や未読の方へオススメする一言! さいとう・たかを、小池一夫、劇画村塾あたりが好きならおすすめです。 地元ヤバい地元最高! usagistarstarstarstarstar_borderさいろくもうほんとバカ・・・ バカバカー><って済ませたいけど済まない。 済まないんだよなぁ・・・ 非常に明るくエグい地元女子のキワキワ生活。 彼女たちの純粋なソレを見ていると最初はくだらないと思っていたのに気づいたら目が離せなくなってきている。 地元最高!の感想 #推しを3行で推す地元最高! usagiマンガトリツカレ男・読んだ直後に思ったこと ※一番大事!※ 絵柄が可愛いが内容はむちゃくちゃえぐい群像劇だな。暴力の連鎖の4コマの出来は凄すぎる。どっかの地方都市に日常であってもおかしくない話なのかね ・特に好きなところは? 仕事を始めたあたりから一気に面白い ・作品の応援や未読の方へオススメする一言! タイトルの「地元最高!」の闇の深さが読めば読むほどわかるね・・・ 暴力とお薬とすてきななにもかも地元最高! usagi野愛ヤバいしエグいけどポップなせいでサラッと読めちゃう、そしてポップだからこそヤバさもエグさも際立ってます。 これを日常系ギャグ漫画の絵柄でやらないでくれと思ったけど、シャネルちゃん達にとっては紛れもない日常なんだよな……。 暴力とお薬とすてきななにもかもみたいな世界に、姉妹愛とか友情とか秩序がほんの少しあって、全てを凌駕するほどの諦めがあって、そりゃパキって思考停止したくもなるよなと思ってしまいました。 逃げるにも救われるにもどこから手をつけてよいのやら、とりあえずシャネルちゃん達が幸せになればいいなと思考停止するのでありました。明るく描かれているが…。地元最高! usagistarstarstarstarstar干し芋どこにいても、地元どこ? って話になった時、自分が生まれ育ったところだったり、 生活したところだったり、同じ学校に通ってたりするだけで、 人ってかなりの親近感がわく。 それを、逆手にとって先輩たちは、後輩たちを悪の道に誘ってくる。 それも、犯罪になるようなことを軽く手伝ってって。 無知なことは、恐ろしい。 そして、暴力にも少しづつ慣れていくのも恐ろしい。 日常生活が、非日常生活になっていくことに違和感を感じなくなるって恐ろしい。 人間は、沼にはまると抜けられなくなる・・・。 1巻読了。
劇画の歴史について何も知らずに読んだけど面白かったです。小池一夫がさいとう・たかをプロにいたことも知らなかったので驚きでした。しかも脚本の小池先生だけじゃなくて作画を支えていたチーフアシスタントの面々も抜けて別の会社を作るって中々のお家騒動ですよね。淡々と描いてあるのでそんなに大変なことのように感じなかったけど…。さいとう先生は漫画制作の完全分業制を実現して、小池先生は劇画村塾で才能ある漫画家をたくさん輩出して、それが今の漫画界でも揺るぎないものとして受け継がれているからすごいです。高い理想を持つことは大事なことですね。