フジオ・プロダクションマンガの感想・レビュー20件あらゆる超能力者を持つ、へんな子へんな子ちゃん 週刊女性版 赤塚不二夫名無しへんな子ちゃんは、超能力などのスーパーパワーを持っている不思議な女の子です。そんな女の子が透視能力、予知能力、破壊能力などの超能力パワーを駆使しながら世の中の悪をぶった斬るという爽快な内容です。子供なのに大人のような、変わった子どもに見えますが実は精神的には大人顔負けの冷静さがあり、そのギャップが面白かったです。ゲスの極み漫画ヤラセテおじさん 赤塚不二夫あほえもん赤塚作品の中では、最もゲスい部類の漫画じゃないだろうか。 その名も「ヤラセテおじさん」。 ハーメルンの笛吹きのように、尺八を吹くと人を意のままに操ることができるエロアイテムを使い、飲み屋などで下世話なエロ話をしては、最後は女性に対して「ヤラセテ!!」と無邪気にお願いして持ち帰るまでが一連の話のパターンとなっている。 ときには若者を諭すようなチョット良い話もあるのだが、大抵はゲスの極みとしか言いようがないネタばかりである。 絵面がゲスいわけではなく、とにかく発想がヤバいのである。 一体どういう考え方をしたら、こんな酷いネタを思いつくのか…。(褒めてる) まさかこれが少年誌に?と心配になり、掲載誌を調べてみたところ、1987年の「週刊大衆」であった。 なるほど。赤塚不二夫ワールド炸裂大日本プータロー一家 赤塚不二夫あほえもんその日暮らしのプータロー一家の生活を、おもしろおかしく描いたまさに赤塚不二夫ワールド炸裂といった感じの作品。 家族全員が仕事を持たないプータローという設定なので、どのキャラも全員ぶっ飛んでる。 食べていく為に、常識では考えられないような方法で金を稼ごうとする家族は、たくましくも可笑しくて仕方なかった。ネコ人形ニャンダとミミの冒険ニャンニャンニャンダ 赤塚不二夫あほえもん導入はほぼピノキオ。猫の人形であるニャンダとミミちゃんが命を吹き込まれ、二匹の人形が繰り広げる明るく楽しいギャグ漫画となっている。 赤塚作品において、ネコキャラ中心の作品は安心して読める印象がある。やはりネコ好きだからだろうか。 赤塚流ロミジュリ?ロメオとジュリー 赤塚不二夫あほえもん題名は「ロミオとジュリエット」を意識したものだけど内容は「醜いアヒルの子」に近い気がした。 自分をブスだと思っている女の子のところへ、醜いモノが美しく見えてしまうハンサムな青年が現れ、お付き合いをするという設定で、世間とは反対の価値観を、巧妙に笑いに変えてくる手法は流石である。 主役のジュリーがパワフルに動き回り、ロメオはお下品ネタで責め、親父はキ○ガイ発言ばかりブッ込んでくる。 そして、飼い牛のポン助が後半になるにつれ存在感を増し、主役より目立つマスコットに変化する様は、ニャロメやウナギイヌを彷彿とさせるものだった。パロディ、時事ネタ、ダジャレ…これぞ赤塚ワールドギャグ21世紀 赤塚不二夫名無しパロディ、時事ネタ、ダジャレ、さらに下ネタで埋め尽くされた作品ですが、もちろん赤塚流に料理されており、とてつもない赤塚ワールドが炸裂しています。ただ私のような初老の人間にはパロディや時事ネタの元になった事象が分かるのですが、残念ながら令和の若者には意味不明なものもあるかもしれません。作風としては、同時期に少年誌に連載されていた作品と比較してコマ割りがかなりダイナミックになっており、全体にモダンな印象を受けます。古き良き日の少年ギャグ漫画タトルくん 赤塚不二夫名無し土管を積んだ空き地で子供たちが野球、町の小さな果物屋さんやケーキ屋さんなど...懐かしい光景ですね。1977年の作品だそうですが、赤塚ギャグの素晴らしさとともに、描かれている風景の懐かしさに大きな郷愁を感じました。設定やギャグのぶっ飛び方とは逆に、コマ割りはカッチリしていて、作品としてはオーソドックスで手堅い印象です。 やはり赤塚不二夫氏は不世出の天才漫画家なのだひみつのアッコちゃん 赤塚不二夫名無し言わずと知れたギャグマンガの帝王、赤塚不二夫氏の遺した少女漫画です。何故かおっさんである私の記憶の中にもしっかり残っているのは、TVアニメ化された物を見ていたからだろう。漫画も読んでいた筈なのですが、今回のGWにかけての無料公開で読み返させて頂き、変身に使うのがコンパクトでなく立派な鏡だったり、「テクマクマヤコン」を唱えない事を再発見し、大いに驚きました。懐古趣味からでなく、偶然昔読んだ漫画に出会って、その頃の気持ちの戻るって良いですね。可愛くて、あっけらかんと残酷わんぱく天使 赤塚不二夫名無し『わんぱく天使(エンゼル)』は1976年に秋田書店の月刊プリンセスで連載されていた赤塚不二夫の作品。美人のお姉さんと、酷いイタズラばかりする弟キヨシが巻き起こす、わちゃわちゃしたドタバタコメディです。 整形、首吊り、いじめ、恐喝、暴力など、アブナイ話題ばかりですが、それは時代もあってか、あっけらかんと描かれています。姉さんを慕う犬が、ハンドバッグにされて、最後は姉さんに愛用されて良かったね、なんて残酷でシュールな話でしょう笑 でも、そこが面白いです。 はたして当時の少女読者にどこまで受け入れられたかわかりませんが、少なくとも最終話のオチを見る限りでは、いいお話だったように思います。わかるかなぁ~わかんないだろうなぁ~?赤塚不二夫 1950年代作品集 赤塚不二夫名無し赤塚先生のギャグ漫画で、時折登場する目のキラキラしたバカボンやイヤミ、彼らの源流になったのがこの50年代に描いていた少女漫画群である。 作品中にも出てくるが、石ノ森章太郎先生との合作及び伝説のトキワ荘の面々がペン入れをしたと思われるコマもあり、ストーリーだけでなくこのあたりを想像するのも楽しいものだと言える。内容としては短編でクラシックなものなのだが、セリフの独特の言い回しが面白い。この“ん?”と思わせる読者を引き込む力はやはり赤塚&石ノ森&トキハ荘といったところに思えた。 赤塚ワールドが炸裂する創世記B.C.アダム 赤塚不二夫名無し赤塚不二夫流解釈で綴られる、ギャグにびっしり包まれた旧約聖書・創世記といった趣の作品で、そのギャグも下ネタ、ダジャレ、楽屋落ち連発で、飲み屋で構想されたのでは?といぶかってしまうようなレベルのものが殆どという、まさに赤塚ワールド炸裂の作品です。この漫画は1975年発表ですが、今の感覚で見るとコマ割りが素直で、背景の書き込みが少なく、画面全体が白く感じられます。ギャグの破天荒さとともに、意外なほどオーソドックスで手堅い画面構成も印象に残りました。シュールすぎるギャグの海にどっぷりはまろう。おそ松くん 赤塚不二夫名無し登場人物一人ひとりがあまりにも強烈な個性を発しているため「主役は誰?」と、真面目なひとは考えてしまうかもしれません。 もはやお話もストーリーがあるのかないのかハチャメチャ。でも読後感は爽やかです。突き抜けすぎているナンセンスな世界。 常識をふりきっているキャラクターたちが、抑圧されて窒息しそうな気持ちに穴をあけてくれる。 自分の常識のねじを外す危険な本でもあります。平均・平等を無理やり意識させられて息が詰まりそうになっているとき、こんなギャク漫画が日常をちょっとだけ逸脱させてくれます。 現実に会社組織などで、この漫画のキャラクター達に当てはまる人がいると思います。苦手な上司・同僚をこの漫画のキャラクターでイメージすると、ちょっと気持ちが楽になりますよ。かわいい顔してゲスな天使ピヨ13世 赤塚不二夫名無し冴えない学生の男ふたりが、ゴミ捨場の冷蔵庫から天使のピヨ13世を拾う物語。ピヨ13世ができることは、恋のキューピッドでもなく、夢を叶えるでもなく、「人の心を具象化させること」だけ。つまり、人が何を考えているかを、わかりやすい絵で見せてくれるだけ。矢を放つと、刺さった人の頭の中が、そのままその人の頭部になっちゃいます。真面目そうな警察官の頭の中がエロづくしで、警察官の頭が女性の下半身に変わったり、お嬢様風を気取る女の子の頭からは、何本もの卑猥なものが生えてきたり…。ほぼシモネタです。天使も可愛い顔して、ゲスなことを平気で言います。 そして、男たちは、天使と触れ合ったことで大事なことに気づく…といった説教じみた話では当然なくて、最後までエロバカなままで、ハイサヨウナラ。このばっさり具合が好きです。 ア太郎と絡む連中が最高もーれつア太郎 赤塚不二夫名無し日本中にブームを巻き起こした丸善石油の大ヒットCM「Oh!モーレツ」からもじった「もーれつア太郎」ですが、赤塚不二夫氏の作品らしく、主人公の「ア太郎」よりも「ニャロメ」や「ココロのボス」などの登場で爆発的な人気を得た作品です。バカボンのパパを少年にした様な、腹巻に鉢巻き姿で下町の八百屋を切り盛りするア太郎たちが巻き起こすドタバタ騒動。令和の今でも笑えます。今なら即連載中止の破滅的傑作レッツラゴン 赤塚不二夫名無し昭和中期生まれの私には懐かし過ぎて涙する作品です。「おそ松くん」や「天才バカボン」を赤塚不二夫氏のギャグ漫画部門の代表作とするのが一般的ですが、私はこの作品を一番に推したいと思います。懐古趣味的なアプローチでなく、若い方にもナンセンス漫画の極みであるこの作品で充分に味わって貰いたいと思うからです。因みに、この作品内のギャグのカオス度に匹敵出来るのは、谷岡ヤスジ氏のそれしかないと思っています。猫好きだった赤塚不二夫…ネコの大家さん 赤塚不二夫名無し猫好きだった赤塚不二夫の人柄が忍ばれる作品だと思う。マンションの経営者になったネコが繰り広げるはちゃめちゃで痛快なストーリーが爆笑を誘います。猫が人間と重なりあうように、人間の小狡さなどもうまく表現されていて猫を通した人間学のようなものを感じた。 ブラックユーモアに富んだ異色作ワルワルワールド 赤塚不二夫マウナケア時代とともに、ウケる”笑い”の質は変化していきます。漫才などもオシャレに笑うことが受けたかと思えば、捨て身のギャグが評判になったり。当然、漫画の世界でも手を変え品を変えさまざまなギャグが考案されてきた訳です。しかしながら、果たして大衆に受けたのか、はなはだ疑問なのが、ギャグの帝王・赤塚不二夫の異色中の異色作であるこのタイトルです。主人公は小学生のタロ。彼は悪人だらけ(というか悪人しかいない)町でずる賢く生きているのですが、内容はもう、ヒドイのひと言。家族の愛情などないに等しく、おやつは愛犬の足だし、学校では万引きのやり方を教え、警官(目玉のおまわりさん)は自分の息子を誘拐させて点数を稼ごうとする。八百屋の親父も突如として包丁を振り回し、医者はすべからく藪医者と、お子様には到底見せられない代物。暗黒面が全開です。不快でないのが唯一の救いでしょうか。赤塚絵だから許されるのであり、”笑えないギャグ”というのは言いえて妙。普通のギャグに飽きた方にオススメ、してもいいのかなぁ。赤塚不二夫の愛猫「菊千代」花の菊千代 赤塚不二夫マウナケア我が家には猫が三匹おります。で、彼女たち(すべてメス)を見ていると、こいつら何考えてるんだろう、と思うときがあります。しゃべれたら何を言うかな、などと。ということでこの作品。愛猫家としても知られる作者の作品には、けっこう猫が出てきますね。最も知られている猫キャラはニャロメでしょう。ただしニャロメは脇役。堂々主役を張っているのが、作者が愛してやまなかった愛猫が活躍するこの作品です。オチのコマに本物の菊千代の写真を使ったりして猫バカまるだし?なのがいいんだなあ。お金持ちの猫という設定だけど、ニャロメほど嫌味もなく、ずるくてとぼけたキャラなのも猫らしくて好感。そういえば本物の菊千代も死んだまねが得意でしたしね。作者も菊千代がこんな風にしゃべれて遊べたらいいのに、なんて思いながら描いていたのに違いありません。きっと天国でも仲良くやっていることでしょう。ひみつのアッコちゃんひみつのアッコちゃん 赤塚不二夫るろおそ松さんの影響で読んでみたら予想以上に面白くてびっくり。 アッコちゃんが人間味のあるゲスさを見せてくれて魅力的です。 シェー!おそ松くん 赤塚不二夫とどまつシェー!
へんな子ちゃんは、超能力などのスーパーパワーを持っている不思議な女の子です。そんな女の子が透視能力、予知能力、破壊能力などの超能力パワーを駆使しながら世の中の悪をぶった斬るという爽快な内容です。子供なのに大人のような、変わった子どもに見えますが実は精神的には大人顔負けの冷静さがあり、そのギャップが面白かったです。