なおなお
1年以上前
久しぶりに温かみの感じる回だった。これまで自分が何とかしなきゃ、でやってきた心だが、まさかの牢屋での自由を奪われる経験、何もできずに以降の事件をやり過ごす不安、釈放されたが「またな」と言い捨てられ、帰ったら風評被害に脅迫電話。自分だけでできる限界をはるかに超え、主人公のキャラが違えばもう泣きじゃくってべそをかいてたであろう気が滅入る状態だったと思う。 それが夢の中とはいえ妻や佐野文吾もいる温かい家族に囲まれ、帰ってみたら文吾、和子共に外の人々とは違って家族の一員として信頼し温かく接してくれている。それらがすべて後半の二人で酒を飲みながらいよいよ本当のことを話す伏線の積み重ねだったんだと思う。もちろん息子が父親に打ち明ける気分で。 一読者としては待っていた場面だったが、それが単なる立ち話ではなく、一話全体をかけて主人公をとことんまで追い込み、繊細な心の動きを追いかけ、夢と現実両方で味方になってくれている家族に触れさせる場面を差し込んでついに父親に事実を打ち明けるというクライマックスに持ち込む、という自分としてはドラマチックな回だった。 まだ心の話は始まったばかりだが、心にとっても佐野にとってもターニングポイントとなり、チームとして立ち向かっていく足場を固める時となって欲しいです。