完兀
完兀
1年以上前
今や狭い世界で広く知られることとなった数学的題材「巨大数」を扱った、世にも奇妙な寿司漫画である。 ぶっちゃけ読んでもよくわからない人がほとんどだと思う。でもよくわからないまま読んでも面白いのだからすごい。このことは、本作を読むのに巨大数への理解が必要ではないともいえるのだけど… でもよくわからないまま読み進めるだけじゃなく、扱われている巨大数への理解を深める挑戦もしてみてほしい。でなければ大きな機会損失になりかねない。 この漫画が提供してくれる機会、それは「世界が広がる感動と衝撃」である。 物心ついた頃、普段目にしている家周辺の空間の外へ初めて飛び出たときに体験するあの感覚。 小さかった頃、自分の知っている世界は実は地球上の非常にちっぽけな範囲だけなのだと気付いたときに得たあの感覚。 利口になってきた頃、あんなにも大きいと思っていた地球の外には、全知識を動員してもどうにもならないぐらい広大な宇宙が広がっているのだと思い知らされたときのあの感覚。 人生でそう何度もないような、あの劇的な感覚を与えてくれる可能性がこの漫画にはある。私は味わった。まさに『わかり』の状態だ。 この漫画、絵やストーリーが最高だと評価される可能性は極めて低いだろう。 しかし「最高の体験を導いてくれる漫画」になる可能性は充分にある。少なくともクラス1の数の逆数で表される範囲ぐらいはある。 それがどれぐらいの大きさになるかは、本作を読み進めて確かめてみて欲しい。単行本未収録の話がpixivコミックに公開されているのでそちらもお忘れなく。
今や狭い世界で広く知られることとなった数学的題材「巨大数」を扱った、世にも奇妙な寿司漫画である...
たか
たか
1年以上前
**【11話】ホルス×ハトホル回** ハトホル様がホルスのためにハープを奏でるシーン。 台座の船で言う舳先に当たる部分がファラオの顔になってて、想い人に曲を贈るというすごくいいシーンのハズなのに人面ハープがおもしろくて笑ってしまった。 お守り的な感じでハトホル様がホルスに手鏡渡して恋する乙女は可愛らしいなぁ〜と思ってたんだけど、夜に自分が持ってる手鏡見てうっとりしてた。ちょっと怪しくない? それ両面鏡なんじゃ?(ハリポタ脳)     **【12話】第1試合①** 水中息止め対決!?wwwwww ついに真のエジプト王を決めるセトVSホルスの戦いが開幕か……とシリアスに読んでたのに。 エジプトの水中でバトルってことは、ワンチャン川底で砂の鎌倉つくるんじゃない?(ジョジョ脳)     **【13話】第1試合②** 〜回想〜 ホルス、ハトホル様の鏡のことでママに相談してる!!wwww 報連相ができるの偉い。 >イシス「不気味って?」 >ホルス「初めて合う男への贈り物にしては重い気がします」 >ホルス「あの鏡は初めから何も映さないように何らか細工が施されている様子でした」 https://i.imgur.com/GOAZTxs.png いや「さすがに不気味で置いてきました」は草 正直すぎてメチャクチャおもしろい。 あんな可愛い女の子に想いを寄せられて舞い上がらないどころか冷静。 この男、さてはモテるな……。 ヌト様そんな見た目なんだな〜。 てかそうか。イシスのお母さんがヌト様なのか。 大気の神の祝福があると水中で息ができるとして、湿気の神の祝福は何ができるんだ?常にお肌が潤うとか?     **【14話】第1試合③** 「ここって水中のはずだよな…」 https://i.imgur.com/U1YlVJ9.png 普段顔の下半身メチャクチャイケメンなくせに、急にギャグ漫画みたいな簡単な作画になって面白いこと言うのズルい。 そして場外からバフかけようしてるイシスお母様。 あら〜〜〜〜〜〜〜〜!!!叔父と甥でキッス。 それによってホルスが水中で息ができる理由を知るセト。 お母様の攻撃がホルスに届き出したらしく、「いや、これは俺じゃ…」というホルスのモノローグで終わるの草     **【15話】第1試合④ 決着** イシスママの川をナイル川にする力、バトル漫画っぽくて好き。 セト、エジプトで砂漠の神やってるとか強すぎるよなぁ。 「水の無い所でこのレベルの水遁を」の逆じゃん(NARUTO脳) 地べたにずぶ濡れのまま倒れ込み動かないホルスと、口元に笑みを浮かべるラー……。 イシスママは不敵に笑ってるけどどんな策があるんだろう。     **【16話】試合の反省会(ホルスとイシス)** ママと反省会するホルスくん。素直ないい子だぁ。 そして夜中に1人で水中で叔父と交わしたキスを思い出すホルス……。 https://i.imgur.com/YVmim6x.png https://i.imgur.com/obYIPGb.png なにあの最後にホルスの頬を撫でた手……!?意味深すぎる。 「やっちゃおうかしら」って、目バッキバキでワクワクしてるハトホル様。 ややヤンデレの香りがするけども一応ホルスのことは助ける気ではいるんだね。 そしてそこへ通りがかるセト叔父さん。     **【17話】ホルスとネフティスの出会い** あの手鏡にセトが映るのを見たホルスは鏡の中へ吸い込まれ、闇の中でイシスママの妹だというネフティスと出会う。 ハトホルちゃんの鏡を取り上げようとセトがゴロツキすぎるし、火炎放射ハトホルちゃんが強烈で草 https://i.imgur.com/o79kHQX.png 「うおビックリした」ってセトの地味な反応がかわいい😂 たしかにハトホルちゃんはもともと愛と美の女神なのになんで火が使えるんだろう。     **【18話】ホルスとネフティスの出会い** え!?ネフティスってセトの奥さんなの!???! 兄弟が姉妹と結婚したのか。 牢屋に居るネフティスは偽物で鏡の中に居るのが本物…。 うわ〜!面白くなってきた。 そしてようやく焦点が当たったアヌビスきゅん。 いきなり青年に成長したと思ったら、本来は子供の姿のまま成長しないはずだったらしい。     **【19話】ネフティスとアヌビス** 牢に閉じ込められてなおセトを想い続ける母と、決して成長しない自分の身体に絶望したアヌビスは川に身を投げる。 しかし死によって救われることはなく、苦しみ続けていたアヌビスをある神が救い、さらにはその境遇に涙したことでアヌビスは実の父親であるセトを排しオシリスをエジプト王に戻すことを決意する。 ネフティス(牢屋)からは、息子に死を選ばせてしまった母の無念が伝わってくる…。 アヌビスは母に見切りを付けてしまったけど、ネフティス(牢屋)が抱えているらしい息子に言えない事情とやらがすごく気になる。     **▼20話までの感想** 血縁関係と愛憎が入り乱れまくりでメチャクチャおもしろい! アヌビス助け出したのが誰なのか気になって、読み流してた1話読み返してみたらオシリス・イシス・ネフティス・セトが四きょうだいで草 兄弟が姉妹と結婚したんじゃなくて、きょうだい同士で結婚してた。流石神話。 BLを期待して呼んだ人は展開の遅さにイライラするかもしれないけど、むしろBLとか関係なくフツーにエジプト神話マンガとしてクオリティ高くておもしろいから全然OKです。
完兀
完兀
1年以上前
昔どこかで「金!暴力!SEX!な漫画を教えてくれ」みたいなスレッドがあったと思う。この漫画は数少ない正答の一つだろう。 漫画紹介はこの口コミのタイトルだけで一応足りてしまうのだが、以下に補足と私見を書き連ねる。 漫画タイトルを見てピンと来た人もいるだろう。明らかに「野望の王国」の影響を受けて描かれた、というかそれが元となって生まれた作品である。特に第一話の導入なんか隠す気がなくてニヤリと来る。 しかし大胆にして最高のアレンジがある。「野望の王国」は主人公・橘と無二の友にして相棒の片岡が協力し、明確な目的が明かされぬまま裏社会でのし上がる物語だが、「野望の群れ」は言うなれば橘と片岡が敵同士になり、復讐するという明確な目的を果たすためにのし上がる物語になっている。作品全体を貫く物語の背骨はこちらの方が骨太だ。 闘争の空間もこちらの方がやや大きい。復讐相手が大企業の御曹司なので、闘争の空間には社会の表裏の両面が使われる。場所も東京を起点に北海道から九州、果ては海外(香港)まで広がる。素寒貧の一匹狼だった主人公が、度胸と頭脳と復讐心で裏社会を駆け上がっていくのは素直にかっこいい。 裏社会を駆け上がっていくのに重要な役割を果たしたのが「金」「暴力」そして「SEX」なのだ。この漫画、ライバルと取り合うメインヒロインの他にも登場人物に女性が複数登場する。そして大体主人公とSEXする。謀略のために利用してやるだけのSEXだ。主人公以外にもSEXシーンがある。その大体が、付け入られる隙として主人公に利用されるSEXだ。無駄なSEXはそう多くはない。 細かいところをつついていけば、闘争の各元ネタなどここに書き連ねたいことはまだある。でもあまり長々と紹介していてもしょうがない。それを読む時間があるなら、作品そのものを実際に読んで欲しいのがファンの心だ。本作はありがたいことに、マンガ図書館Zなどの漫画配信サイトで全編無料公開されている。そう、タイトルでググればすぐ読めてしまうのだ。というわけで皆、今すぐにググって本作を読もう。それか「野望の王国」の方を読もう。