虫愛づる姫君に寄り添う日々麻衣の虫ぐらし 雨がっぱ少女群あうしぃ@カワイイマンガ死にゆく祖父を世話しながら祖父の有機農園を守る菜々子と、彼女を手伝いながら寄り添う無職の麻衣。昆虫の挿話に託して語られる、自然と人為、そして不思議な「虫愛づる姫君」達との縁の物語。 —— 菜々子は両親に裏切られ、祖父との絆を唯一の拠り所にして生きている。農業についても、自分の意思で始めたことではない。それ故か、いつも自信がなく、失うことに怯えている。 菜々子の麻衣に対する感情は、友情を飛び越えた強力なもの。依存や崇拝といった、ちょっと危なっかしい感情にも近い。 祖父が亡くなれば、身寄りがなくなる菜々子。祖父に菜々子を託された麻衣だが、距離感に悩み、挙句、菜々子を孤独にしてしまう。そして麻衣の選ぶ、菜々子との関係は……。 —— この作品は、二人の女性の関係性の物語と並行して、二つの「自然と人為」が描かれる。 一つは「有機農業」、もう一つは「自然保護」。 有機農業は、農薬等をなるべく使わない「自然への優しさ」を謳うが、その分労力は大きい。益虫を操り、害虫を殺す日々の営み故に、菜々子は益虫にものすごく優しい一方、害虫に対してはまさに「虫を殺す目」を向ける。菜々子は「益虫を愛づる姫君」である。 一方、麻衣が偶然知り合った来夏は、ヒメギフチョウや湿原を、ボランティアで保護する女性。彼女は自然を愛し、虫という虫に満遍なく愛を注ぐ「全ての虫を愛づる姫君」。また、来夏といつも共にいる美津羽は、簡単に昆虫を呼び寄せる特技を持つ「虫を愛で、共にある姫君」。 さらに、麻衣が出会う、スナックで働く香織は、虫と「食」(人間が食べる、虫が虫を食べる等)を嗜好する「虫食を愛づる姫君」。 様々な「虫愛」の形が提示され、彼女たちから語られる虫の性質と、人間の営みがリンクし、生きることについて考えさせられる。スローライフを描きながらも、「生の実感」の生々しさが常に残る作品である。 日々の営みの繰り返しから、ゆっくりと育てた大きな感情に、いつの間にか心動かされている。麻衣と菜々子が育む、じんわりとした優しさに浸っていたい。あうしぃ@カワイイマンガ1年以上前『さと』をフォローをしました百合の飴玉235粒、甘く切なく。百合ドリル 奥たまむしあうしぃ@カワイイマンガ実力派百合作家達が、お題に沿った1ページの百合漫画を描いていく「百合ドリル」シリーズ。同じお題に対して、各人様々な成分を配合してギュッと凝縮した、十人十色の百合表現。甘酸っぱかったり、ちょっと辛かったり、ひたすら甘ったるかったり……それぞれ魅惑的な味の飴玉のような掌編が、無印・応用編・難問編合計で235編。 あまりに濃厚なので、ページ数の割に読み進めるのに時間がかかる。ゆっくり読むもよし、時々引っ張り出してちょっと読むもよし。百合成分が不足してるな……という時に、すぐに補充できる、やっぱり飴玉アソートパックのような、おいしい作品集。 【無印】 基本的な百合のジャンルに沿ったお題。基本と言いつつ、すでに超濃厚。これだけでもしばらくは楽しめるが、そのうちもっと欲しくなる(何かやばいものを勧めているような気がしてきた……)計117編。 (内容)学生百合/同棲百合/姉妹百合/年の差百合/社会人百合/ファンタジー百合/幼なじみ百合/先輩×後輩百/最高に興奮する百合 【応用編】 1ページの漫画を元に、発想を広げた数ページ〜20ページ程度の漫画が描かれる。発想の広げ方が様々で面白いし、百合成分が広がっていく様は、濃厚なアロマオイルを部屋にミストで充満させているようで、豊かな気分になれる。計16編。 (内容)学生百合/同棲百合/姉妹百合/年の差百合/社会人百合/ファンタジー百合/幼なじみ百合/先輩×後輩百合/最高に興奮する百合 【難問編】 お題が難解になるも、テンションは全く変わらず、1ページに繰り出される百合は尊い。ただ、感情がより複雑になって、中毒性は強いかも(だからやばいものとかではなくて……)計102編。 (内容)学生百合/大人の百合/キスのある百合/吸血鬼百合/いけないとわかっているけど…な百合/本当にあった百合/バトル百合/となりのお姉さんとなにかする百合/ベッドにおける(※敷き布団も可)百合/未来の百合/後世に残したい尊き百合一眼レフと「光」の世界(デジカメの話)ルミナス=ブルー 岩見樹代子あうしぃ@カワイイマンガ11月30日は(オートフォーカス、以下AF)カメラの日。AF機構のカメラが登場した日です。 写真やカメラの漫画は多くありますが、こと最新のAFデジタルカメラとなると、扱う作品は意外と少なくなります。 ここからは『ルミナス=ブルー』に登場するカメラについて、推測してみたいと思います。 (物語の内容に関しては、sogor25さんのレビューをご覧下さい) 主人公の光(コウ)のカメラは、クラシカルな外見から、SONYのEマウントかと思われます(ミラーレスで軽いので、女性におすすめ)。レンズが短いので、恐らく単焦点の標準50mmf1.8。初心者は50mmの画角を覚えるべし、と言われる入門レンズ。機動性がいいので、光のようなスナップ派は、これをつけっぱなしで街に出るのが楽しいと思います。 また、単焦点レンズはズームレンズよりレンズの構成が単純で、画質が良いと言われます。シャープネス、ボケの表現は単焦点に分があり、光の写真のきらめき感は説得力があります。 一方、葉山先輩は、1巻の終わりで長くて白いレンズを使って、光と寧々を隠し撮りしています。あのレンズはキヤノンの望遠レンズ、通称白レンズと思われます。高価です。光が見て「すごいレンズ…」って言ってますね。 街撮りでは意外と望遠レンズが重宝します。かっこいい建造物、向こうに見える植栽の花など、広角や標準だと対象に寄りきれないのですが、望遠だと好きなように遠景を切り取ることができます。 被写体と近しい距離感で撮影する光。一方、被写体に無断で、ありのままの感情を撮ろうとする葉山先輩(寧々も勝手に撮られて怒ってましたね)。二人のスタンスの違いは、機材にしっかり現れていると思います。 ここまで、分かる範囲で『ルミナス=ブルー』に出てくるカメラのお話をしました。もし間違っているとか、こっちじゃないの?とか、その他カメラの話をしてくださる方いらっしゃれば、どうぞコメントください! ちなみに私はニコン派です。漫画で繋がる、拗らせた二人。Still Sick 灯あうしぃ@カワイイマンガ秘めた同性愛を同人誌にぶつける清水真琴。父を見返すために漫画を描き、見失って描けなくなった前川茜。創作の動機も愛情の形も歪んだ二人の、繋がるような繋がらないような、絆の物語。 —— 拗らせながらも前向きに生きてきた清水の前に現れた前川は、拗らせ方が尋常ではない。清水は翻弄されるが、それでも前川を気にかける。 一方、清水を試すように距離を縮めたり、突き放したりする前川。 小悪魔女子の前川が抱く「病み」と、どうしようもない寂しさが、捻じ曲がって清水に向かうのが息苦しい。 彼女達を繋ぎ止めるのは「漫画創作」。過去に間違ったモチベーションで失敗した前川には、真っ直ぐに創作の楽しさを語る清水は苦しい存在。それでいて、自分の中にもあった創作の喜びを、思い出させてくれる存在でもある。 前川が自分の創作意欲を見出そうとするのを、清水は応援する。そして寄り添いながら、二人は思う。 「色恋で壊れるような関係など、いらない」 この想いは、例えば過去に、友情に恋愛を持ち込んで失敗したことのある人なら、分かるかもしれない。 大切な事との距離の取り方を致命的に間違えてきた、「未だ病み」の中にいる二人。それでも少しずつ時間を共有し、気持ちをぶつけ合ってきた彼女達は、今後、どのような絆を繋ぐのか。切ない気持ちを共有しながら、見守りたい。 (2巻までの感想) (創作の動機が歪んでいることを否定する意図はありません。本質的に創作の動機は属人的で歪んだものであり、だからこそ愛おしいものだと考えます)あうしぃ@カワイイマンガ1年以上前ほんと癒されますねぇ... 秋田弁も面白い。私は別れ際に「へば」って使ってみたいです。自由広場方言・訛りがいい漫画まとめあうしぃ@カワイイマンガ1年以上前偉大でもあるし、いい書店でした。選書に力を入れてる書店は色々ありますが、コミック高岡はサブカル臭さがなく、オタク臭くもなく、多種多様な読者の欲望に刺さる選書をされていて、狭い店内の書棚を睨みながら歩くのが本当に楽しいお店でした。このインタビューが本当にいいです→ https://www.excite.co.jp/news/article/Shueishapn_20190319_108456/自由広場オススメの本屋さんはどこですか?2わかるあうしぃ@カワイイマンガ1年以上前うわー今知りました… 悲しいな、あそこで知った漫画沢山ありました。 ここ2年くらい神保町に行けなかったので(以前は仕事のついでに寄っていた)もっと行っておけば…自由広場オススメの本屋さんはどこですか?3わかるあうしぃ@カワイイマンガ1年以上前百合方面からはこちら。 『柚子森さん』(江島絵里先生) 無表情な小学四年生とヘタレ高校生の百合。自由広場この年の差いいよってマンガ教えて4わかるあうしぃ@カワイイマンガ1年以上前こちらからは 『夜明けの図書館』(埜納タオ先生)を。 図書館司書のレファレンスサービスを中心にしたお話。利用者の側に多様なドラマがあって意外にも感動できる。あと、図書館は司書さん以外にも職員がいる。自由広場仕事を題材にしたマンガ5わかるあうしぃ@カワイイマンガ1年以上前『ナヲコ』をフォローをしましたJSvsJK、魂のどつき愛!柚子森さん 江島絵理あうしぃ@カワイイマンガ公園で出会った小学四年生の柚子森さんに、心奪われた女子高生のみみか。友達になるも、これは恋?変態?と揺れ動き、挙動不審のみみかに対して、常に無表情の柚子森さん。この二人、どうにかなるの、この先? —— 当初は、友達になれて舞い上がるみみかが、柚子森さんに過剰反応して赤面し、震え、発汗する変態的な画面が続く。柚子森さんと友情を結びたい一方で、恋情や欲情じみた感情が溢れ出すのを、何とか止めようとするみみかが、切なくて泣ける。 柚子森さんは大人びていて、家庭でも学校でも、つまらなそうにしている。しかし、みみかに対しては、次第に色々な感情を見せ始める。 絆が深まり、柚子森さんがとうとう気持ちをぶつける、その時の目力と、大粒の涙に、こちらも涙が溢れてしまいそうになる。 想いが生まれ、堪え、溢れ出し、どうしようもなく、相手にぶつける。そこから逃げ出せば、相手とすれ違うし、臆せず立ち向かえば、強い絆が生まれる。そういう場面を何度も描き、突きつけてくるこの作品。 大人も子供も関係ない。強い感情を持ってしまった者同士、拳(と書いてハート)を交えなければ、何も始まらない。 そう、恋をするなら、きちんと戦わなくてはいけないのだ。 ……そんな意外と熱い、年の差百合のお話。 « First ‹ Prev … 157 158 159 160 161 162 163 164 165 … Next › Last » もっとみる
虫愛づる姫君に寄り添う日々麻衣の虫ぐらし 雨がっぱ少女群あうしぃ@カワイイマンガ死にゆく祖父を世話しながら祖父の有機農園を守る菜々子と、彼女を手伝いながら寄り添う無職の麻衣。昆虫の挿話に託して語られる、自然と人為、そして不思議な「虫愛づる姫君」達との縁の物語。 —— 菜々子は両親に裏切られ、祖父との絆を唯一の拠り所にして生きている。農業についても、自分の意思で始めたことではない。それ故か、いつも自信がなく、失うことに怯えている。 菜々子の麻衣に対する感情は、友情を飛び越えた強力なもの。依存や崇拝といった、ちょっと危なっかしい感情にも近い。 祖父が亡くなれば、身寄りがなくなる菜々子。祖父に菜々子を託された麻衣だが、距離感に悩み、挙句、菜々子を孤独にしてしまう。そして麻衣の選ぶ、菜々子との関係は……。 —— この作品は、二人の女性の関係性の物語と並行して、二つの「自然と人為」が描かれる。 一つは「有機農業」、もう一つは「自然保護」。 有機農業は、農薬等をなるべく使わない「自然への優しさ」を謳うが、その分労力は大きい。益虫を操り、害虫を殺す日々の営み故に、菜々子は益虫にものすごく優しい一方、害虫に対してはまさに「虫を殺す目」を向ける。菜々子は「益虫を愛づる姫君」である。 一方、麻衣が偶然知り合った来夏は、ヒメギフチョウや湿原を、ボランティアで保護する女性。彼女は自然を愛し、虫という虫に満遍なく愛を注ぐ「全ての虫を愛づる姫君」。また、来夏といつも共にいる美津羽は、簡単に昆虫を呼び寄せる特技を持つ「虫を愛で、共にある姫君」。 さらに、麻衣が出会う、スナックで働く香織は、虫と「食」(人間が食べる、虫が虫を食べる等)を嗜好する「虫食を愛づる姫君」。 様々な「虫愛」の形が提示され、彼女たちから語られる虫の性質と、人間の営みがリンクし、生きることについて考えさせられる。スローライフを描きながらも、「生の実感」の生々しさが常に残る作品である。 日々の営みの繰り返しから、ゆっくりと育てた大きな感情に、いつの間にか心動かされている。麻衣と菜々子が育む、じんわりとした優しさに浸っていたい。あうしぃ@カワイイマンガ1年以上前『さと』をフォローをしました百合の飴玉235粒、甘く切なく。百合ドリル 奥たまむしあうしぃ@カワイイマンガ実力派百合作家達が、お題に沿った1ページの百合漫画を描いていく「百合ドリル」シリーズ。同じお題に対して、各人様々な成分を配合してギュッと凝縮した、十人十色の百合表現。甘酸っぱかったり、ちょっと辛かったり、ひたすら甘ったるかったり……それぞれ魅惑的な味の飴玉のような掌編が、無印・応用編・難問編合計で235編。 あまりに濃厚なので、ページ数の割に読み進めるのに時間がかかる。ゆっくり読むもよし、時々引っ張り出してちょっと読むもよし。百合成分が不足してるな……という時に、すぐに補充できる、やっぱり飴玉アソートパックのような、おいしい作品集。 【無印】 基本的な百合のジャンルに沿ったお題。基本と言いつつ、すでに超濃厚。これだけでもしばらくは楽しめるが、そのうちもっと欲しくなる(何かやばいものを勧めているような気がしてきた……)計117編。 (内容)学生百合/同棲百合/姉妹百合/年の差百合/社会人百合/ファンタジー百合/幼なじみ百合/先輩×後輩百/最高に興奮する百合 【応用編】 1ページの漫画を元に、発想を広げた数ページ〜20ページ程度の漫画が描かれる。発想の広げ方が様々で面白いし、百合成分が広がっていく様は、濃厚なアロマオイルを部屋にミストで充満させているようで、豊かな気分になれる。計16編。 (内容)学生百合/同棲百合/姉妹百合/年の差百合/社会人百合/ファンタジー百合/幼なじみ百合/先輩×後輩百合/最高に興奮する百合 【難問編】 お題が難解になるも、テンションは全く変わらず、1ページに繰り出される百合は尊い。ただ、感情がより複雑になって、中毒性は強いかも(だからやばいものとかではなくて……)計102編。 (内容)学生百合/大人の百合/キスのある百合/吸血鬼百合/いけないとわかっているけど…な百合/本当にあった百合/バトル百合/となりのお姉さんとなにかする百合/ベッドにおける(※敷き布団も可)百合/未来の百合/後世に残したい尊き百合一眼レフと「光」の世界(デジカメの話)ルミナス=ブルー 岩見樹代子あうしぃ@カワイイマンガ11月30日は(オートフォーカス、以下AF)カメラの日。AF機構のカメラが登場した日です。 写真やカメラの漫画は多くありますが、こと最新のAFデジタルカメラとなると、扱う作品は意外と少なくなります。 ここからは『ルミナス=ブルー』に登場するカメラについて、推測してみたいと思います。 (物語の内容に関しては、sogor25さんのレビューをご覧下さい) 主人公の光(コウ)のカメラは、クラシカルな外見から、SONYのEマウントかと思われます(ミラーレスで軽いので、女性におすすめ)。レンズが短いので、恐らく単焦点の標準50mmf1.8。初心者は50mmの画角を覚えるべし、と言われる入門レンズ。機動性がいいので、光のようなスナップ派は、これをつけっぱなしで街に出るのが楽しいと思います。 また、単焦点レンズはズームレンズよりレンズの構成が単純で、画質が良いと言われます。シャープネス、ボケの表現は単焦点に分があり、光の写真のきらめき感は説得力があります。 一方、葉山先輩は、1巻の終わりで長くて白いレンズを使って、光と寧々を隠し撮りしています。あのレンズはキヤノンの望遠レンズ、通称白レンズと思われます。高価です。光が見て「すごいレンズ…」って言ってますね。 街撮りでは意外と望遠レンズが重宝します。かっこいい建造物、向こうに見える植栽の花など、広角や標準だと対象に寄りきれないのですが、望遠だと好きなように遠景を切り取ることができます。 被写体と近しい距離感で撮影する光。一方、被写体に無断で、ありのままの感情を撮ろうとする葉山先輩(寧々も勝手に撮られて怒ってましたね)。二人のスタンスの違いは、機材にしっかり現れていると思います。 ここまで、分かる範囲で『ルミナス=ブルー』に出てくるカメラのお話をしました。もし間違っているとか、こっちじゃないの?とか、その他カメラの話をしてくださる方いらっしゃれば、どうぞコメントください! ちなみに私はニコン派です。漫画で繋がる、拗らせた二人。Still Sick 灯あうしぃ@カワイイマンガ秘めた同性愛を同人誌にぶつける清水真琴。父を見返すために漫画を描き、見失って描けなくなった前川茜。創作の動機も愛情の形も歪んだ二人の、繋がるような繋がらないような、絆の物語。 —— 拗らせながらも前向きに生きてきた清水の前に現れた前川は、拗らせ方が尋常ではない。清水は翻弄されるが、それでも前川を気にかける。 一方、清水を試すように距離を縮めたり、突き放したりする前川。 小悪魔女子の前川が抱く「病み」と、どうしようもない寂しさが、捻じ曲がって清水に向かうのが息苦しい。 彼女達を繋ぎ止めるのは「漫画創作」。過去に間違ったモチベーションで失敗した前川には、真っ直ぐに創作の楽しさを語る清水は苦しい存在。それでいて、自分の中にもあった創作の喜びを、思い出させてくれる存在でもある。 前川が自分の創作意欲を見出そうとするのを、清水は応援する。そして寄り添いながら、二人は思う。 「色恋で壊れるような関係など、いらない」 この想いは、例えば過去に、友情に恋愛を持ち込んで失敗したことのある人なら、分かるかもしれない。 大切な事との距離の取り方を致命的に間違えてきた、「未だ病み」の中にいる二人。それでも少しずつ時間を共有し、気持ちをぶつけ合ってきた彼女達は、今後、どのような絆を繋ぐのか。切ない気持ちを共有しながら、見守りたい。 (2巻までの感想) (創作の動機が歪んでいることを否定する意図はありません。本質的に創作の動機は属人的で歪んだものであり、だからこそ愛おしいものだと考えます)あうしぃ@カワイイマンガ1年以上前ほんと癒されますねぇ... 秋田弁も面白い。私は別れ際に「へば」って使ってみたいです。自由広場方言・訛りがいい漫画まとめあうしぃ@カワイイマンガ1年以上前偉大でもあるし、いい書店でした。選書に力を入れてる書店は色々ありますが、コミック高岡はサブカル臭さがなく、オタク臭くもなく、多種多様な読者の欲望に刺さる選書をされていて、狭い店内の書棚を睨みながら歩くのが本当に楽しいお店でした。このインタビューが本当にいいです→ https://www.excite.co.jp/news/article/Shueishapn_20190319_108456/自由広場オススメの本屋さんはどこですか?2わかるあうしぃ@カワイイマンガ1年以上前うわー今知りました… 悲しいな、あそこで知った漫画沢山ありました。 ここ2年くらい神保町に行けなかったので(以前は仕事のついでに寄っていた)もっと行っておけば…自由広場オススメの本屋さんはどこですか?3わかるあうしぃ@カワイイマンガ1年以上前百合方面からはこちら。 『柚子森さん』(江島絵里先生) 無表情な小学四年生とヘタレ高校生の百合。自由広場この年の差いいよってマンガ教えて4わかるあうしぃ@カワイイマンガ1年以上前こちらからは 『夜明けの図書館』(埜納タオ先生)を。 図書館司書のレファレンスサービスを中心にしたお話。利用者の側に多様なドラマがあって意外にも感動できる。あと、図書館は司書さん以外にも職員がいる。自由広場仕事を題材にしたマンガ5わかるあうしぃ@カワイイマンガ1年以上前『ナヲコ』をフォローをしましたJSvsJK、魂のどつき愛!柚子森さん 江島絵理あうしぃ@カワイイマンガ公園で出会った小学四年生の柚子森さんに、心奪われた女子高生のみみか。友達になるも、これは恋?変態?と揺れ動き、挙動不審のみみかに対して、常に無表情の柚子森さん。この二人、どうにかなるの、この先? —— 当初は、友達になれて舞い上がるみみかが、柚子森さんに過剰反応して赤面し、震え、発汗する変態的な画面が続く。柚子森さんと友情を結びたい一方で、恋情や欲情じみた感情が溢れ出すのを、何とか止めようとするみみかが、切なくて泣ける。 柚子森さんは大人びていて、家庭でも学校でも、つまらなそうにしている。しかし、みみかに対しては、次第に色々な感情を見せ始める。 絆が深まり、柚子森さんがとうとう気持ちをぶつける、その時の目力と、大粒の涙に、こちらも涙が溢れてしまいそうになる。 想いが生まれ、堪え、溢れ出し、どうしようもなく、相手にぶつける。そこから逃げ出せば、相手とすれ違うし、臆せず立ち向かえば、強い絆が生まれる。そういう場面を何度も描き、突きつけてくるこの作品。 大人も子供も関係ない。強い感情を持ってしまった者同士、拳(と書いてハート)を交えなければ、何も始まらない。 そう、恋をするなら、きちんと戦わなくてはいけないのだ。 ……そんな意外と熱い、年の差百合のお話。
あうしぃ@カワイイマンガ1年以上前偉大でもあるし、いい書店でした。選書に力を入れてる書店は色々ありますが、コミック高岡はサブカル臭さがなく、オタク臭くもなく、多種多様な読者の欲望に刺さる選書をされていて、狭い店内の書棚を睨みながら歩くのが本当に楽しいお店でした。このインタビューが本当にいいです→ https://www.excite.co.jp/news/article/Shueishapn_20190319_108456/自由広場オススメの本屋さんはどこですか?2わかる
あうしぃ@カワイイマンガ1年以上前うわー今知りました… 悲しいな、あそこで知った漫画沢山ありました。 ここ2年くらい神保町に行けなかったので(以前は仕事のついでに寄っていた)もっと行っておけば…自由広場オススメの本屋さんはどこですか?3わかる
あうしぃ@カワイイマンガ1年以上前こちらからは 『夜明けの図書館』(埜納タオ先生)を。 図書館司書のレファレンスサービスを中心にしたお話。利用者の側に多様なドラマがあって意外にも感動できる。あと、図書館は司書さん以外にも職員がいる。自由広場仕事を題材にしたマンガ5わかる
死にゆく祖父を世話しながら祖父の有機農園を守る菜々子と、彼女を手伝いながら寄り添う無職の麻衣。昆虫の挿話に託して語られる、自然と人為、そして不思議な「虫愛づる姫君」達との縁の物語。 —— 菜々子は両親に裏切られ、祖父との絆を唯一の拠り所にして生きている。農業についても、自分の意思で始めたことではない。それ故か、いつも自信がなく、失うことに怯えている。 菜々子の麻衣に対する感情は、友情を飛び越えた強力なもの。依存や崇拝といった、ちょっと危なっかしい感情にも近い。 祖父が亡くなれば、身寄りがなくなる菜々子。祖父に菜々子を託された麻衣だが、距離感に悩み、挙句、菜々子を孤独にしてしまう。そして麻衣の選ぶ、菜々子との関係は……。 —— この作品は、二人の女性の関係性の物語と並行して、二つの「自然と人為」が描かれる。 一つは「有機農業」、もう一つは「自然保護」。 有機農業は、農薬等をなるべく使わない「自然への優しさ」を謳うが、その分労力は大きい。益虫を操り、害虫を殺す日々の営み故に、菜々子は益虫にものすごく優しい一方、害虫に対してはまさに「虫を殺す目」を向ける。菜々子は「益虫を愛づる姫君」である。 一方、麻衣が偶然知り合った来夏は、ヒメギフチョウや湿原を、ボランティアで保護する女性。彼女は自然を愛し、虫という虫に満遍なく愛を注ぐ「全ての虫を愛づる姫君」。また、来夏といつも共にいる美津羽は、簡単に昆虫を呼び寄せる特技を持つ「虫を愛で、共にある姫君」。 さらに、麻衣が出会う、スナックで働く香織は、虫と「食」(人間が食べる、虫が虫を食べる等)を嗜好する「虫食を愛づる姫君」。 様々な「虫愛」の形が提示され、彼女たちから語られる虫の性質と、人間の営みがリンクし、生きることについて考えさせられる。スローライフを描きながらも、「生の実感」の生々しさが常に残る作品である。 日々の営みの繰り返しから、ゆっくりと育てた大きな感情に、いつの間にか心動かされている。麻衣と菜々子が育む、じんわりとした優しさに浸っていたい。