ひさぴよ
ひさぴよ
1年以上前
> 蟲師蟲師あまりよく知らないんですけど、ファンだったら買って読んだほうが良いですか? https://manba.co.jp/topics/30932 というコメントを見かけたのでクチコミで回答。 **結論としては、豊田徹也ファンの方は読んだ方が良いと思います。** 世界観のベースは『蟲師』ですが、収録されている短編「影踏み」には、「アンダーカレント」に登場する探偵・山崎が主役として出てきます。 (過去作「ゴーグル」「珈琲時間」にも登場するあの山崎です) 蟲師の設定を上手く活かしながら、話自体はアンダーカレントのスピンオフとしても読めると思います。ページ数も50p程の長さで、非常に読み応えがありますよ。蟲師って何?という疑問についても、作中で説明がありますし、問題なく作品世界に入り込めるかと思います。 ここからは蛇足です。 豊田徹也氏以外にも豪華なアフタヌーン作家陣が参加していますが、どの短編も素晴らしい出来で、これで660円という価格は正直言ってお買い得本です。蟲師未読の方でも、この短編集をきっかけに、蟲師ワールドに入ってみるのも有りかと。もし興味を持たれた方は、ぜひ本編も読んでみてください。 さらに蛇足。 蟲師の作者・漆原友紀先生は、のちに「猫が西向きゃ」という作品を発表するのですが、これが豊田徹也氏の「影踏み」とちょっと似ているのです。単なる偶然かもしれませんが、もしかすると、「影踏み」の構想からインスピレーションなり、影響を受けたのではないかと思うのです。蟲師にも近いエピソードがあったかもしれないですが、あらためて読み直してそう感じました。
sogor25
sogor25
1年以上前
内務省直轄機関の特殊工作員である高橋怜司は、突入したマフィアのアジトで1人取り残された少女・ニーナを発見します。 彼女はマフィアにより暗殺マシーンとして育てられていた上に「最初に自分を発見した者を殺せ」という暗示を受けており、「最初の発見者」である怜司を殺そうとします。 腕利きの工作員である怜司にとってニーナをあしらうのは容易いのですが、怜司が彼女のターゲットとなっていることから、逆に上司から「ニーナを監視するために一緒に暮らす」ことを命じられます。 という導入から始まるので、設定だけ見ると殺伐としているのですが、実際は一緒に暮らし始めた怜司とニーナが徐々に関係性を深めてゆき「家族」になっていく様子を描く作品です。 暗示により無意識に怜司を殺そうとするニーナと、そんなニーナを御しつつ 無理に暗示を解いて彼女の精神に影響を与えないよう丁寧に「普通の生活」を教え込もうとする怜司の生活は、 見ようによってはじゃれ合っている親子のようにも見えてきます。 また、途中から怜司の同僚である美緒が補佐として2人の生活に関わるようになり、本当の親子3人の日常のように見える場面が増えてきます。 一応"暗殺者とそのターゲット"という関係なのに、気づいたらちゃんと親子のような関係性を築いている、設定に反してとても心温まるホームコメディのような作品です。 1巻まで読了