泣いてなんかいられない
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真面目一筋の親父。「親父が浮気をしてるかも?」だなんて、おふくろより言った僕自身の方がありえない冗談だと思っていたんだ。だけどまさか、これが本当の事になろうとは…。おふくろは「私は流行のイタ飯に連れてってくれなかったのに、浮気相手はイタ飯に連れて行ったからこれは浮気じゃなくて本気だ」とか言って嘆き、さっさと離婚してキャリアウーマン満喫してる。でも親父としては、おふくろはワガママが言える居心地が良い相手だったわけで…。
センチメンタル・ゲーム
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結婚四年目、子宝を諦めかけていた時期に夫が見知らぬ女の娘を養女として連れてきた。明らかに夫の子とわかる顔立ち。あの時何故離婚しなかったのだろう? それから娘の美樹… その「女」は、年を重ねるごとに私を圧倒する。そして私は自覚してしまった。娘に向けられる密やかな憎悪に。「堕ちてしまえばいい…!」美樹の恋人の拓也、あの男に感じた嫌な気配… 私の思い過ごしかもしれない。今ならまだ止められる。止められるけど… 私は突き放してしまった…。
誰かがあなたを殺してる
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幼い久志は夜毎隣室から聞こえる泣き声に恐怖を感じていた。ある晩、母は就寝中の久志に語りかける。「久志ちゃんはパパみたいにママを棄てたりしないでね。大きくならないでね…」久志は言いようの無い恐怖を感じて目を瞑っていた。翌朝、久志は歩けなくなっていた。病院に行っても「何か精神的な理由だろう」と言われるだけ。それから母は、すっかり機嫌が良くなって…。人の心の奥底を刺激するミステリーサスペンス短編集。