ストーリーの骨子はまさにど真ん中のストレート。なんちゃって野球部が、ふとしたきっかけで目覚め、甲子園を目指すというもの。これだと、なんだ普通の野球漫画かと思われていまいますが、この作品はなかなかあなどれない。いくつも変化球を投げてきているのですよ。まずは主役がかつての野球部マネージャーで、10年ぶりに故郷に戻ってきた女性教師ということ。設定に変化をつける、さしずめスライダーといったところ。そして意味深なタイトル。わざわざ「みんなの」という文字に×をつけ「私の」にしてあり、これは最後のオチにも関係しているので、決め球のフォークといえばいいでしょうか。さらにもうひとつ、魔球クラスの球がありまして、これがなんと幽霊。???ですが、この幽霊、特に物語の導入部で、過去と現在の橋渡し役となる重要な存在なのです。物語が進むにつれだんだん出番も減りますが、それは生きている人間の存在感がでてきているから。そして「みんなの」につながっていくという流れ。ちょっと違うと思っていたらなんとなく打ち取られた、そんな感じです。
誰しも一度はThe Beatlesにハマったことがあると思うけれど、この主人公は中二でビートルズに出会って以来、人生全てをビートルズに捧げた『ビーマニ』の山田くん。 「捧げた」というだけあって妻も子もおらず本まで出版し、なんなら「山田会」というビートルズを語る会まで開き、ビートルズファンの間ではちょっとした権威になっている。 そんな山田くんが山田さんと呼ばれるようになる頃に、通称「レベル3※」と呼ばれるビートルズのコピーバンドに勝負を挑まれる。(※お金が取れるレベルのことらしい) 山田は「私は『ビートルズ』で負けたくないんです。絶対に!」と、人生40年間を捧げてきたプライドに懸け勝負を受けるのだが……というあらすじ。 好きなもので真正面から勝負を受ける山田くんと仲間の石田くんの情熱、1カ月間週3で練習する気概…その積み重ねがあったうえでの、当日のライブ会場での山田のセリフは胸に迫るものがあった。 「大切に思えば思うほど、畏れ多くて生半可な気持ちでそれに接することができない」というのは、誰しも共感することができるテーマだと思う。 そして最後の最後に、山田は『愛の深さゆえの畏怖』を乗り越え、新たな決意をすることができた。それは誰にでもできるような簡単なことではなくて、愛を貫き通す勇気「覚悟」を持つ人にだけできる決断だと思う。 これはもう山田でも山田くんでもなく、敬意を込めて山田さんと呼びたい。 お話の全体の雰囲気としては「綺麗な響※」のような印象を受けた(※響のようにその道しか見えない人間だが、響のようにブレーキがぶっ壊れてないの意)。 これはぜひ連載化して、山田とビートルズの出会いからコピーバンドでのし上がるまでを全部描いてほしいです。 【本編WEB掲載】 https://www.futabasha.co.jp/tachiyomi/vtreader.html?pc=1&fd=ac_be-maniyamadaLR (画像は本編より。揺るぎない山田の決意が熱い…!)
表紙の絵柄からやや少女マンガ寄りの雰囲気なのかなと思って手にとった作品。ある事件のせいで幼馴染の穂積と疎遠になってしまった中学2年生の女の子・芽出子。どうにかして仲直りをしたいけども上手く行かなくてもどかしい様子の描写はまさしく少女マンガ。しかし、ある日の河川敷で穂積の子供の頃にそっくりの少年に出会ったことから大きく物語が動き出す。 穂積への思いと少年との出会い、どちらも並行して展開しながら芽出子の心境が変化していき、やがて大きく行動を起こしていく。 少女マンガ的な様相を保ちながら、ファンタジーのようなミステリーのような、不思議な雰囲気を併せ持っている。何よりその両方の面に馴染んだ形で主人公の芽出子の内面が前向きに変化していくのが伝わってくるので、より芽出子のことを応援したくなる。 少女マンガ的な特徴が強くなれば「orange」のような雰囲気になりそうだし、ミステリー性が高くなれば「僕だけがいない街」のような作品になるかもしれない。まだまだ先の展開は分からないけど、いろんな面で楽しめる作品になりそう。 1巻まで読了
昨今だとYOUTUBEでゲテモノ料理が普通に見られるのでついつい桐谷さんで出てきたやつは探してみたりしちゃう。 ワニはタイで食べたけど普通に美味しかったなーとか、甲虫は同じようなものと思いきや味が全然違うらしく怖くて食べれなかったけど登場人物たちはとても頑張っている。うん。 なんだかんだでグルメ漫画も多様性が広がっている(言い方正しくないかもだけど)ので一通り手を出してってみるんだけど、これは読みやすいと思う。 テンポも慣れたら「いつものアレ」になるのと、桐谷さん自体がボケのようなガチでアレなのであまり類を見ないところがあって好き。
仕事は編集者。仕事の後のお酒が好きで、お酒の後の〆が好き。 なんとも世のサラリーマンに共感を呼びそうな豪快な主人公が、ただシメのごはんを食べるという漫画。 普段お酒を飲まない自分からすると、「シメ」っていうのは鍋やった後の雑炊くらいしか思いつかない。しかもごはん食べてお酒飲んで追い打ち的にまたごはん食べてるのはちょっと理解できない。 孤独のグルメに似てるけど、あんなにこだわった食じゃないし1話がすごく短いので通勤とか空いた時間に読むのがおすすめ。
※ネタバレを含むクチコミです。
初期は師匠である「ちばてつや」の絵に似ているんだけど、だんだん違う感じ絵になっていった。 妙な人情ものだったけど進むにつれ料理バトルあり/いい話あり/料理の謎解明ありと色々盛りだくさんで、主人公の音やんの人間的な成長も含めて面白い 単行本で全20巻とあるけど、コンビニで発売していた『食の鉄人たち』シリーズで続編を連載していて単行本未収録エピソードがあるらしい 電子書籍で完全版「音やん」を発売して欲しいぜ
まるで捨て猫を拾うようなシュチュエーションで現れた自称・宇宙の妖精チルチルとピルピル。今のところ明確なツッコミキャラがいない。全員ボケてる。どんなふうにストーリーが展開していくのか期待!
絵が可愛いのでなんでも食えそうな気がしてくる。 サバイバル系と料理もの多いけど絶対実践できなさそうって思ってしまう。 これ、孔雀食ったらこういう味みたいなさらっと好奇心に対しての答えを提示してくれるので、蘊蓄としていつか人に言ってみたい。 これ◯◯味ですよ…
もし2019年の恋愛マンガの中で男女双方ともにピュアな純愛指数を競うランキングがあったら確実に五指には入るであろう、ピュアをじっくりことこと煮詰めてピュアでコーティングしたような作品です。 画力も高く特にヒロインのかわいさが際立ち、主人公が人生初の一目惚れをするのも絵で納得感を得られます。 真面目に頑張ってきた青年が真っ当に報われるという意味でも気持ちの良いお話です(ちょっと報われ過ぎではないか、羨ましいぞちょっとそこ替われ、といった声も聞こえてきそうですが)。 この先もぎこちないながらも愛に溢れた新婚生活の模様が描かれていくのか。それとも、タイトル通り「いとなめず」という部分で波乱や困難が待ち受けるのか。いずれにせよ悶えやニヤニヤに苦しむことにはなりそうです。
ストーリーの骨子はまさにど真ん中のストレート。なんちゃって野球部が、ふとしたきっかけで目覚め、甲子園を目指すというもの。これだと、なんだ普通の野球漫画かと思われていまいますが、この作品はなかなかあなどれない。いくつも変化球を投げてきているのですよ。まずは主役がかつての野球部マネージャーで、10年ぶりに故郷に戻ってきた女性教師ということ。設定に変化をつける、さしずめスライダーといったところ。そして意味深なタイトル。わざわざ「みんなの」という文字に×をつけ「私の」にしてあり、これは最後のオチにも関係しているので、決め球のフォークといえばいいでしょうか。さらにもうひとつ、魔球クラスの球がありまして、これがなんと幽霊。???ですが、この幽霊、特に物語の導入部で、過去と現在の橋渡し役となる重要な存在なのです。物語が進むにつれだんだん出番も減りますが、それは生きている人間の存在感がでてきているから。そして「みんなの」につながっていくという流れ。ちょっと違うと思っていたらなんとなく打ち取られた、そんな感じです。