森見登美彦原作の「太陽の塔」をモーニングゼロ2016年8月期「夏の種」の漫画家かしのこおりが作画を担当し、描かれた漫画。 内容は、華のない大学生の「私」が、かつての恋人である水尾さんを「観察と研究」と称して、追いかけるというもの。誰がどう見ても「未練からのストーキング」にしか見えないが、「私」は認めない。断じて認めない。なぜ自身が振られたのかを「ストーキング」することで追求していき……。 原作では森見登美彦の文体の癖が凄まじかった覚えがあるが、これは非常に読みやすい。また絵柄もよく内容とマッチしており、楽しめる。かなりアニメの湯浅監督を意識した絵柄にも見えるが、どうだろうか。まだ連載して間もないので、ゆっくりと見守っていきたい。
漫画力が、純粋な暴力となる世界で繰り広げられる熾烈な漫画家バトルロワイヤル。響を読んでいると感じる、才能を持っている人間ほど暴力的で理不尽という世界を突き詰めて、ギャグ化したような印象を受ける作品。 ぶっ飛んだギャグ的な面白さがある上に、この作品からは「あるコダワリ」を非常に深く感じる。それは実在の企画や人を用いて漫画界の実態の一部を描いていること、そして用いたものに対する深いコダワリである。 特に浅野いにおの回は衝撃的だった。というのは浅野いにおの能力で「自分の世界に引きずり込む」技があるのだが、まるで浅野いにお本人が書いたのではないかというほど精巧な街が描かれるのである。 作者の押切蓮介は個性的で良い絵を描くが、画力に優れているとはいい難い。であるがゆえにその精巧さには驚くしかない。そこには浅野いにおを使うからには、という強いリスペクトを感じるのである。 なにはともあれ、漫画に対する愛と熾烈さを強烈に感じながら物語を楽しめる、一癖あるが、素晴らしい作品だと思う
『あげくの果てのカノン』の米代恭の読み切り。 先生と付き合っている女の子の話。タブーに踏み込みつつ良い感じの話にまとまるかと思いきや、全てひっくり返してくる展開はさすがという感じだった。 後ろめたさのようなモノを殆ど感じさせずに、恋の純粋で綺麗なトコロと、汚れをうまく拾い上げているところが好き。
変態ゼミナールの作者TAGROによる女性剣士「別式」の漫画。 別式とは諸藩の奥向き(幕府でいう大奥)で活動した女性指南役を指す言葉で、江戸時代には実在していたもの。そんな、これまで見向きもされてこなかった題材をキャッチーな絵柄で上手く話に落とし込んだ作品。 変ゼミに見られる凄まじい変態感は絶妙な具合に抑えられていて、作中に上手く溶け込んでいる。また、時代が時代なだけあり、紹介などではコメディが強く押し出されているが、内容はかなりシリアス。全体としてみると重たい話となっている。また、重たいだけでなく、物語の筋がしっかりと面白いから引き込まれること間違いない。期待の作品
凡百ライフハック本よりよっぽど役に立つ
※ネタバレを含むクチコミです。
今の漫画業界を書いた漫画なのかな。途中で出て来た編集王を見るたびに違う編集王を思い出す 俺は紙媒体だろうがWeb媒体でどっちで良いけど面白いのが読めれば良い派閥かな
綺麗な絵や可愛い絵を求めている人には余りおススメできない、諸星大二郎さんですが、その世界観は独特で非常に魅力的です。今作も、独特の世界観に引き込まれる作品となっております。 主人公が作中で、可愛い顔だ。と評されている部分は、昨今の絵の上手い漫画家の漫画を読んでる方には、嘘だろ!?となるのでしょうが、じっくり読んでいくと、あ、うん、まぁ可愛いよね、、、と納得してしまう諸星マジック。 王家の紋章を読み進んでいくうちに、メンフィスが超絶イケメンに見えてくるアレと同じ原理です。 ストーリーについては、語ることはありません。 諸星大二郎は読んで知るべし。
主人公のワコは、同じ歳の彼氏と結婚を間近に控えた女性。 彼氏に不満はありつつも、半ば諦めとともに将来を受け入れていた中、バイト先で出会った高校生に一目ぼれし、ただならぬ関係におちいってしまう…。 理想の恋愛って何でしょう? 「好きな人と付き合う」ことが一つの理想でしょう。 「ある程度気があって、稼ぎのいい人と結婚する」、これも理想でしょう。 しかし、その2つの理想を両方追って、二股になったら…? これはちょっと「理想」とは言えない恋愛の形でしょう。 ワコは、なりふりかまわず「理想」の恋愛を追求していきます。 その先にあるのは天国か、それとも地獄か? 恋愛の終着点、ワコと一緒にのぞいてみませんか?
森見登美彦原作の「太陽の塔」をモーニングゼロ2016年8月期「夏の種」の漫画家かしのこおりが作画を担当し、描かれた漫画。 内容は、華のない大学生の「私」が、かつての恋人である水尾さんを「観察と研究」と称して、追いかけるというもの。誰がどう見ても「未練からのストーキング」にしか見えないが、「私」は認めない。断じて認めない。なぜ自身が振られたのかを「ストーキング」することで追求していき……。 原作では森見登美彦の文体の癖が凄まじかった覚えがあるが、これは非常に読みやすい。また絵柄もよく内容とマッチしており、楽しめる。かなりアニメの湯浅監督を意識した絵柄にも見えるが、どうだろうか。まだ連載して間もないので、ゆっくりと見守っていきたい。