※ネタバレを含むクチコミです。
いい1話ですね。何もわからないけど・・・ もともと読切を読んでて好きだった作家さんなのでビームで新連載始まってくれてめちゃくちゃ嬉しいです。全然わからないけど早く2話が読みたい。
こういうことが起きるのを学校という場所のせいにするのもなんか違うか…と思いつつ、主人公の2人くらい刺激的で濃厚な関わりができるのも学校という場所特有だなとも思う。優子ちゃんみたいな人間が"勝ち"とされてしまうのはどこでも一緒だし。でも2人のこれからの未来は純粋に楽しみですね。
魔女、いいね。 読切のボリュームに合った内容なので無理に深くもないストーリーと設定で、描写が丁寧で、絵も上手くて、なんか背景がきれいなのが「そのぐらいの年齢の頃こう見えてたかも」って思った。 いいなぁー
押見修造先生の推し作品ということで読んでみました。あらすじとしては漫画家アシスタントをしていた中年男が1970年にタイムスリップしたので、後のヒット作を盗作して糊口をしのごうとする話です。『僕はビートルズ』の主人公みたいな理想や野心は全くないのがいいですね。ただオチとしては『僕は〜』よりも秀逸なんじゃないでしょうか。押見先生も「抜け感が最高!!」とコメントされてましたが、個人的には漫画家マンガとしても情熱が無いなりの哲学があって勉強になりました。
どういう関係性の4人なのかよくわからない感じが逆にワクワクした。 後編はちょっと心配な展開になったけど、マキちゃんがシューの気持ちをできるだけ汲んであげようとする姿勢に感動。田舎の夜道って本当に真っ暗だろうから正直オトナでもだいぶ怖いと思う。ちょっとだけ強くなれた気がした真夏の大冒険でした。
主人公の藤木と隣の家に住んでいた幼馴染の梶原。性格は対照的だけど仲が良い2人は大人になってから同じ女性のことを好きになってしまう。その冬子という女性と最初に付き合っていたのは藤木だったけれど、梶原もジョークのように遠慮なく好きをアピールをするので、3人で遊びに出かけたりもする良好な三角関係を築けていた…はずだったが、梶原がある日いなくなってしまう。藤木と冬子はそのまま結婚し、梶原からは写真家になって世界を飛び回っていると手紙が届いたが、3人が再会することなく梶原が死んでしまった為、藤木には冬子が本当に好きなのは梶原ではないか?という疑念が残ったままになってしまっていた。そこへ梶原にそっくりな少年が現れて…。 絵も綺麗だし、繊細な余白やモノローグの使い方が主人公の性格に合っていて物語に入りやすく、とても面白かったです。まるで夏目漱石の「こころ」のような話なので三角関系モノの基本要素はしっかりと押さえてあると思いますが、コミックビームでの連載なのでどこまで個性を見せてくれるのかも楽しみです!
いま私は……『SPUNK - スパンク! 』が大好き!! この楽しいは譲らない!! 難しいことを平易に、子供でも解るように変換して伝えられることこそが真の賢さであるという風に言われることがあります。部分的には解らなくもありません。 しかし、世の中にはどう頑張っても単純化できない(あるいはすべきでない)複雑なものも存在します。それは、まさしく新井英樹作品のようなものです。 新井英樹さん待望の最新作『SPUNK - スパンク! 』を3行でまとめろと言われれば、まあできなくはないでしょう。あらすじに書かれている情報をまとめて呈することは可能です。しかし、本作は第1話だけでもあまりに膨大な情報量が詰まっています。3行まとめでは、そこに存在する数多の機微を欠いてしまうわけです。 主人公の栗田夏菜が、幼い頃から人形より怪獣やゾンビが好きで、男子と遊ぶのが好きだったこと。 絵やマンガやロックや映画が好きだったこと。 吉田戦車や岡崎京子の良さが解る中学生で、自分でもマンガを描いてたこと。 男子とばかり遊んでいたら、女子グループからイジメられたこと。それに対して、全校集会で校長と取引して大々的に反抗したこと。 自分と同じ白線の上を歩くのが好きな返り血塗れの女(彼氏を刺殺した直後)の「譲るなJK どんと行け人生こっからだ」という言葉が心に刻まれていること。その女は次の瞬間トラックに跳ねられ潰れ肉片となったこと。それを見て何故だか元気を貰って笑ったこと。 その夏にナンパして来た男とホテルで初体験を済ませたこと。その頃に酒・タバコ・薬も一通り通ってお金のために法律無視のバイトも色々とやったこと。 高校卒業後は映画を撮りたくなり専門学校に通い始めたこと。 その後、六本木のクラブでホステスとして働く中で暴力団の若頭に気に入られたこと。 その若頭が実はドMであり、そこから女王様としての道に開眼していったこと。 縦横無尽にS道を驀進する自分が大好きであること。 これでもかなり端折っており、実際の第1話ではより濃密な人生が詰め込まれています。ひとつひとつの表情や、手指の演技に明確な意志がたくさん込められています。この文章を読むより、1,2巻をまとめて買ってそれを読み通し味わって欲しいです。切に。 そうした複雑さこそ世界や人間の在り方や本質に迫り相似している部分でもあります。人は往々にしてシンプルで解りやすい答えや飲み込みやすいものを欲します。しかしながら、こうした複雑で咀嚼も嚥下もし難いものと全力で格闘し、自分のものにしていく時間は人生において非常に大切であろうと思います。 『SPUNK - スパンク!』1話が世に出たときのキャッチフレーズ、「『好き』をナメるな」という言葉が私は心底大好きです。 人間の好きという気持ちから発せられるエネルギーを信じているから。 自分自身も、好きだけを突き詰めて生きてきたから。 他者の好きを突き詰め煮詰めたものが、大好きだから。 嫌いが生むものより、好きが生むものの方が強くて素晴らしいことが圧倒的に多いから。 わざわざ嫌いなものに自分から近付いていって誰も(自分も)幸せにしないことに貴重な人生の時間を費やすより、自分の好きな対象を愛することに1秒でも多く使った方が皆幸せになるのに、と常々思っています。故に、この作品の主人公・夏菜の自分の感情にとことん素直で好きを貪欲に突き詰める生き方は大変痛快で大好きです。 そして、本作の鍵となる人物は夏菜と対照的な冬実。SMバーの面接に行ったところで「私ごときが」と、入門を躊躇している彼女。名前の字面からして夏と冬で、性格的にもイメージそのままで奔放な夏菜に対して真面目で大人しく抑圧的な冬実は、夏菜から見ても理解しがたくつまらない存在です。しかし、常連客のひとりは冬実の潜在能力を感じ取っており、冬実の変化と共に物語はドライヴ感を増して疾走していきます。疾走感マシマシのパートの一連のセリフは、声に出して読みたくなる魅力があります。そして、読んでいるだけで新しい扉が開けるようなパワーが宿されています。 「SMも人生も笑いである」 「切実と滑稽の世界へようこそ」 酸いも甘いも散々噛み分けた先にある人の生の境地が、ここにはあります。SMバーを訪れる客たちも、それぞれ物語の主人公になれるような人生を背負っています。普通なら悲劇と呼ばれる話であっても、笑い話として笑い飛ばし蹴り飛ばす。そんな力強さと優しさに満ち溢れていて、読むとSPUNKを与えられます。 普通のマンガの主要人物たちには幸せになって欲しいなと思うことが多いのですが、彼女たちに関してはもう幸も不幸もすべて人生の一部であり等価値で何が起こってもいいし、どっちでも面白いと思えます。ただただ、見ていたい。何とも不思議な読み心地です。 雑誌で読んでいても十分面白いのですが、『SPUNK - スパンク!』は単行本になってこの世界だけに集中・没入して読むのが最も楽しめるなと感じました。1,2巻が同時発売となった理由も、よく解ります。2冊まとめて買って一気に読むことを強く推奨します。続きが気になった方は、新発売のビーム最新号で続きを読むこともできます。 『ザ・ワールド・イズ・マイン』、『なぎさにて』、『SCATTER あなたがここにいてほしい』、『ひとのこ』など超大な物語を経てこの個々人の物語に辿り着いているその意味も、読むことで言葉でなく心で伝わることでしょう。
同じ号から始まった新連載「幻滅カメラ」にも白金さんという可愛い女性が出てくるので、白金さんが裏主人公説ある?この読み切りではスペックそのものは平均より遥かに高いけど周りの高学歴から下に見られる人生だったため酷いコンプレックスを抱える大学生・三田くんが、ライバル視している東大生・本郷くんをギャフンと言わせるためにいろいろやる話。はたから見るととても大丈夫には見えないけど、後編読むのめっちゃ楽しみです。
※ネタバレを含むクチコミです。