幻想世界英雄列伝フェアプレイズ

クルダ流交殺法に勝てても打ち切りには勝てなかった

幻想世界英雄列伝フェアプレイズ 岡田芽武 てんま乱丸
サミアド
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『SHADOW SKILL 影技』や『聖闘士星矢EPISODE.G』で有名な岡田芽武先生が原作・てんま乱丸先生が作画。コミックボンボンの漫画です。 よく似た漫画『幻想世界英雄烈伝 忍ザード』『幻想世界魔法烈伝 WIZバスター』が打ち切り済みでしたが数年後に不屈の闘志で再々チャレンジ!! いつも通り元気な少年&パートナーが主人公!天魔伏滅四天王!敵幹部に見覚えあるキャラ!見開きデカ文字で必殺技!既視感あるセリフ! …正直 過去作の焼き直しですが、それだけ打ち切りが無念で絶対描きたいテーマだったのだと思います。 打ち切り2作も充分面白く斬新な部分がありました。今作も「ネトゲ世界が本当の異世界で魔王が支配済み。ゲーム素体姿のパートナーと異世界にダイブして戦う。他のゲームプレイヤー達は自覚なく敵に加担している。現実世界からサポート可。異世界関係者が現実にも居る」と2001年当時としては時代先取りのワクワク設定。 代表作・影技の「我が一撃は無敵なり!」をガッツリ登場させるなど 今度こそ何としても最後まで描くぞ!という決意を感じました。 その甲斐あって?ドラマ CDとWEBアニメ(PV)が制作されゲーム化も発表!声優も募集!さぁこれから・・・! 打ち切り。え…?何が起きた…?ボンボンさん…? メディアミックスが頓挫したのか全ての企画が告知無く自然消滅。漫画も番外編で終了。ボンボンの中では人気作だったのに… 伏線が大量に残っていて今もモヤモヤしています。愛蔵版発売してオマケで設定公開して欲しいです。無理かな…。 画力は過去作より上がっていますが後半はCGが強くてちょっと読みにくいです。カラーは綺麗でアニメ向きだったと思います。 キャラも魅力的だったので打ち切りは本当に残念です。画像は人気ダントツ1位の魔法バカ親友キーン君です。

SDガンダムフルカラー劇場

冷却シートで冷静さを保つZガンダムが見られるのはフルカラー劇場だけ!

SDガンダムフルカラー劇場 あずま勇輝
サミアド
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『フルカラー劇場』なのに白黒漫画。なんたるちあ。 「SDガンダムフルカラー」という小さな色付き人形ガチャポンの販促4コマで、SD(スーパーディフォルメ)の名に恥じぬ丸っこい2頭身キャラ達が毎回ワチャワチャします。 10年以上連載され単行本11巻とブ厚い新装版も発売されました。 ガチャポンで新弾が発売されると新キャラとして漫画に投入。 既存のキャラも居残り。 キレイなお姉さんを描くのが好きな作者によってガチャポン無関係のセイラさん・リィナなど高頭身の美少女キャラも登場。 最終的なネームドキャラは数百人に達し、作者と主人公(ガンダム)も把握しきれずダイコンRUN(画像)でした。 本作独自の設定も多く、ララァ(エルメス)は超常能力を持つ不思議キャラ(あれ、原作通り?)、GP01はにこやか毒舌お兄ちゃんキャラ、弱いはずのガンタンクが何故か超強チートキャラで初回人気投票1位でした。 違う作品のキャラが同じ世界に居るのも魅力で、 ガンタンクがマスターガンダムと知り合いだったり、 ガンタンクがシャイニングガンダムをぶっ飛ばしたり、 ガンタンクがウイングゼロをぶっ飛ばしたりします。 タイアップ漫画ではありますが 体育祭したり文化祭したりバレンタインしたり 単行本裏表紙が高確率で美少女だったりと自由な内容で、独特のゆる〜い世界観と個性的なキャラ達が好きでした。 商品連動漫画なので今読むと意味がわかりにくいネタもありますが、SDガンダム史に残る良い作品だと思います。

SD頑駄無 武者○伝

素敵に無敵に超ヤル気!!天衣無縫の武者奥義!!

SD頑駄無 武者○伝 一式まさと
サミアド
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現代日本に向かった闇軍団を追う正義の武者軍団! しかしワープ装置の故障で敵より半年も早く到着してしまう・・・ 人気シリーズ 武者○伝の第1作です。 絵は発展途上ですがキャラはシリーズで1番好きです。 前作「ムシャジェネレーション」が武者頑駄無(ガンダム )を魂の無いロボ扱いしてファン離れが加速。 俺達の武者は終わっちまったんだ・・・誰もが諦めかけた時、新主人公(単行本表紙)が発表されました! え…何コレ? 口あるし…… 丸いし… こんなの武者じゃない………(困惑) でも、意外と漫画が面白い。 新規ファン獲得のため物語はコミカルで解りやすく、キャラも可愛くなっています。舞台は日本で人間のパートナーも設定。過去作とは全然違います。 しかし既存のキャラを大量出演させて従来のファンにも配慮。あわよくば新規ファンを過去作に誘導する2段構えの戦略でした。 ギャグも面白いですが感動エピソードや必殺技の見開きも出来が良いです。何より武者に魂がある!(最重要) 滅びかけた武者ブランド中興の祖と言えるでしょう!!(個人の感想です) 半年で平和ボケした主人公「武者丸」は常在戦陣の猛者からタコ焼き大好き「武ちゃ丸」に弱体化。 他の英雄達もカステラ販売したり 伊万里焼職人になったり キムチ製造会社で働いたりと日本に順応。 それでも 日本とお世話になった人達を守るため、遅れてやって来た闇軍団と戦います。 47都道府県のご当地武者を調べるのも楽しいです。 (新装版だとオマケページが無いのでネットで調べる事になります) 日産公認でゴーン社長が出て「GTR最高!」したり、武者ザル大見参したり、女子中学生に告白して強敵を倒したりと名シーンが沢山あります。 画像は商売に成功して臆病になったシャチョー復活回です。

SDガンダムフォース絵巻 武者烈伝 武化舞可編

親父のくれた魂(ボール)はオレの中にあるんだ!

SDガンダムフォース絵巻 武者烈伝 武化舞可編 矢立肇 富野由悠季 一式まさと
サミアド
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武者烈伝は「SD 武者ガンダム風雲録」などで描かれた武者七人衆のリメイクです。 このボンボン版はコミカル寄り、プラモのオマケ漫画はシリアス寄りで設定が違うパラレルになっています。 タイトルは『SDガンダムフォース』ですがTVアニメは無関係。 『武化舞可(ぶかぶか)編』ですが他の編は皆無。 メディアミックスや続編予定が、プラモ売れなくて白紙になりました!(泣) 親武者(光の七人衆)がカッコ良くて、 "龍神導師 " とか "天翔狩人" とか厨二病な二つ名も大好きです。 しかし彼らは過去の決戦で力を失っており、子武者達「烈火隊」が大将軍の装備 武化舞可を手に立ち上がる事になります。 「七人衆の中に裏切者が!?」という伏線が物語を盛り上げます。 大人の営業戦略で七人衆が脇役にされたのがムチャクチャ不満でしたが、生き生きとした子武者や ダジャレとハッタリの効いた必殺技を見ている内に「コレはコレで」という境地に達しました。 しかし打ち切りの影響か中ボス撃破後に主人公以外の子武者は全員捕まって出番激減…。 打ち切られなければ成長して装備も「ぶかぶか」ではなくなったはず。残念です。 最終回では綺麗にまとめて爽やかなラストになっています。 親武者・光の七人衆の活躍は模型誌ホビージャパンで『武者烈伝・零』として漫画化されています。前日譚ですが子武者メインの本編より正直カッコ良いです。

化け猫あんずちゃん

当時の小学生はどんな気持ちで読んでたんだろうか

化け猫あんずちゃん いましろたかし
hysysk
hysysk

割と自分も(後になって気づくと)大人向けのマンガを読んでいたので面白みは伝わると思うが、一般的に想像するような子供向けマンガのドタバタ感や分かりやすいオチはない。 地下道に住んでる大妖怪カエルちゃんとのやり取りが最高。 あんずちゃん「お前ここで何やってんの?」 カエルちゃん「何にもしてないよ 寝たり起きたり」「穴掘るのが趣味だからさーたいくつだと穴掘って遊んでるんだ」 あんずちゃん「かっこいいじゃん」 あるがままの自分でいい、ということではなく、こうなるしかない、みたいなキャラクターがいましろ作品の魅力。何もしてなくてもいい。宝くじで3億円が当たっても、やりたいことはなくていい。 とかく夢や目標を持たなければ駄目だと言われがちな小学生(そしてそれを分かっていて大人が喜ぶようにうまく立ち振る舞えてしまうやつ)にとって、こういうスタンスは目から鱗なんじゃないかと思う。 『グチ文学 気に病む』というエッセイにこの作品を描いている時の話が出てきて面白い。小学5年生が「先生と話がしたいから家に遊びに来てくれ」というファンレターを送ってきたり、宝くじが当たると色んな人がたかりにくる噂は都市伝説であることを担当編集が調べてたり(えらい)。 個人的には、いましろ節が利いてて、モラルの面でも思想的な面でも安心して人におすすめできる作品。