明治から昭和にかけて西洋文化を次々と取り入れ、大きな変革と進歩を成しとげた日本。しかし急激な変化は社会にひずみを生み、その解決を海外進出に求めた結果、国際社会の中で追いつめられたすえ、ついに戦争へと突き進んでいく──。東洋と西洋の思考の違いが生んだ波乱の時代の中、哲学者・西田幾多郎は、東洋思想と西洋哲学を融合させた新たな思想を編み出す。日本の思想界を変えた歴史的名著を漫画化。
19世紀ドイツの地方出身の優等生、ハンス・ギーベンラートは、周囲の期待を一身に背負い、神学校に通うための州試験に挑む。猛勉強のかいあって2番の成績で合格するが、厳しい学校生活になじめず苦悩するようになる。学業に縛られたひとりの思春期の少年が、孤独と苦しみにさいなまれながらも成長する、ヘッセの自伝的物語。
変人、偏屈、そして天才。誰もがその名を知る、史上もっとも有名な探偵シャーロック・ホームズ、その鮮烈な初登場作を完全まんが化! 廃屋でみつかった死体。手掛かりは謎のメッセージとひとつの指輪。見え隠れする怪人物の罠。退廃をきわめた19世紀のロンドン、大都市の闇に潜む悪に、ホームズが超推理で挑む! ミステリーの歴史を大きく変えた「探偵小説」の金字塔を、今こそまんがで読破しよう。
ありがとう故郷…さようなら友よ!昭和19年、物資不足の戦時下。生まれ故郷の青森を舞台にした執筆の依頼を受けた小説家・太宰治は、取材のために津軽地方各所を巡る旅に出る。そこで久しぶりに会う友人や身内とのふれあいのなかに、太宰はある想いを強くしていく──。太宰治の本質が見出すことができる自伝的な紀行記『津軽』を、初期の小作品『ロマネスク』とあわせて漫画化!
現実を写しだす鏡――それが「夢」。「こんな夢を見た――。」ときに現実よりも如実に真実の一面を写しだすのが夢だとすれば、はたして夢が現実なのか、現実が夢なのか?漱石は夢を文学的に再現しようと試みる。また、漱石が生死の境をさまよった病気療養中の手記『思い出すことなど』とあわせ、世の中と距離を置くことで現実を見つめ直した、日本近代文学の異色の傑作を漫画化!
卑劣な罠に落ち、家族も財産も愛する女性も奪われ、孤島の監獄にとじこめられた男。だが彼は帰ってきた、莫大な財産を持つ謎の紳士、モンテ・クリスト伯爵として。しかし14年の間に研ぎ澄まされた復讐の刃は、意外な人たちをも地獄の淵へ追いやってしまう……。人はどこまで冷酷になれるのか?復讐の果てに、幸福を得ることはできるのか?フランスの文豪デュマ・ペールが残した、人間の本質を問う名作を完全マンガ化。
近代化が進む明治時代末期。急速に変化していく日本の姿に、「日本人とは何か」という問いを募らせた官僚・柳田国男は、岩手県遠野地方に伝わる民話を書き留め、自費出版で世に送り出した。そこには天狗や河童、座敷童子などの妖怪や死者の話、地元でまつられる神々の記録などが伝承のまま、格調高い文体で書き記された。芥川龍之介や南方熊楠らにも影響を与え、日本民俗学の出発点となった名著を、読みやすくマンガ化。
俺たちの理想はどこへ?王政復古を機に近代化の道を歩み始めた日本。明治維新によって武家社会の旧習はことごとく破壊された。武家や役人の横行に苦しむ街道の姿を見てきた半蔵は、儒仏伝来以前の古典文化の再興に日本の夜明けを見いだし、明治という新時代に望みを託すが……。幕末から明治にかけての激動の中にあった人々の生き様を描いた長編小説を漫画化。
夢の実現に必要なもの─それは情熱。ギリシア神話にしか登場しなかった伝説のトロイア。しかし、その伝説を信じ、ついにはトロイアの都が実在していたことを証明してみせた男-シュリーマン。18か国語を操り、巨万の富を築いた実業家でありながら、どんな環境におかれても希望を見失わず、トロイア発掘の夢を追い続けた人物の情熱的な生涯をつづった自伝を漫画化!
19世紀ロシア。農奴解放令にともない、古い貴族文化は、新しい民主的文化に取って代わろうとしていた。その転期に、「ニヒリスト」なる者たちが台頭しはじめる。
千年以上読み継がれる日本文学の原点。雄略天皇から大伴家持に至るまで、万葉時代のさまざまな和歌を集めた歌集『万葉集』。この時代をふり返ってみると、大陸からの脅威に目覚めゆく古代日本人の姿があった。激動の時代のなかで人々はどのような想いを歌っていたのか?今なお日本人を惹きつけてやまない、日本文学の原点とも言える名歌の数々。
若くて美しい娘ともう一度恋をしたい──。家庭があり、知識も分別もある中年作家の竹中時雄は、平凡な日々の生活に鬱屈とした心情をつのらせていたが、ある日横山芳子という女学生を弟子にとることにする。はじめのほうこそは仲睦まじい師弟であったふたりだが…。作者の実体験をもとに現実を赤裸々に描いた自然主義文学の代表作『蒲団』他、『一兵卒』『ネギ一束』『少女病』を漫画化。