私、能力は平均値でって言ったよね!

もしも平均値じゃなくて、中央値と言っていたら

私、能力は平均値でって言ったよね! ねこみんと FUNA 亜方逸樹
ゆゆゆ
ゆゆゆ

転生ものではあるが、転生前トラブルが、働きすぎによる過労ではなく、過度な期待に対する疲れというのが斬新だなと思った。 周囲から大注目され普通に過ごすことが難しかった女の子が、なんやかんやで転生できることに。 転生前に、あれほどの期待を受けていたのに、自分は世界を変えるようなすごい人ではなかったと悪意なく神様に指摘される。 次は普通に生活したいと願って神様へ「能力を平均値に」してもらえるよう、依頼する。 神様は守った! 平均値を与えた!! その世界に存在する偉大なるものたちの平均を!!! 神様は特大チートになるねなんて言わない。 そして生まれる、強強主人公(でも普通に過ごしたい)。 得てしまったものは仕方ない。強強主人公爆誕。 世界のせいか、前世の反省か。 強強すぎてバランスブレイカーすぎる、めちゃくちゃな存在ながらも、友人に囲まれ、やりたいことができて、前世ではできなかったような生活をおくれていて、よかったねえとほのぼの読んでしまう。 全然普通な存在でなくても、ちょっと変な娘と受け入れてもらって、普通に生活できているようにみえるので、普通ってなんだろうと考えてしまった。 ふと考えさせられるものの、漫画はタイトルのテンションそのままなコメディなのでとても読みやすいです。

のーどうでいず

フルカラーで見るタナゴ&埼玉田園風景

のーどうでいず せきはん(大森しんや)
あうしぃ@カワイイマンガ
あうしぃ@カワイイマンガ

「ポンポン山美人姉妹」の姉・高校生のさとみは、タナゴオタクだった!胴長姿で水路に入っていくさとみに、妹のともえも、近所の純とはなこも、呆れ顔。オシャレもしたいけれど、まだまだ外遊びも楽しい!そんな女の子達の自然観察&アウトドア系夏休みを、フルカラーでどうぞ。 ----- 作者のせきはん(大森しんや)先生は、例えば古いバイクに跨る女の子の『グッバイエバーグリーン』、旧車のレストアを学ぶ女の子達の『ぜっしゃか!』など、ノスタルジーに消えてしまいそうな物を若い感性が再評価する、という物語を描かれる。 『のーどうでいず』の場合は、都市化を免れている田園風景を、若者が慈しみ楽しむ様子が瑞々しく描かれている。取り敢えず自然は豊かで、子供達も先のことを考えず、今を目一杯楽しんでいて、ゆるく楽しめる。 この作品が全編カラーで描かれているのは、恐らく、タナゴを描くためであろう。幾度か出てくるタナゴの、虹色の体色は本当に美しい(現実のタナゴも全く同じように美しい)。これを求めるさとみの感覚は、宝石探しのようなもの、なのかもしれない。 青空と緑の自然美に、女の子達の色とりどりの服がアクセントになっていて、単調にならない。色調を明るく、淡めに統一しているので、目に優しく、楽しげながらも、ちょっと色褪せたノスタルジーも感じられる。 優しい色彩の中を溌剌と遊ぶ女の子達に、こちらも元気を貰えるこの作品。1巻で止まっているのが勿体ない。 タナゴ釣りの仕掛けの、精緻な細工の話など出来ないだろうか。さいたま水族館やムサシトミヨの話なんかも見たい。 今後に期待しては、いけないだろうか……。