【未久(みく)から翔(しょう)へ、届け恋のウイニングボール!】竹原翔はテニスの高校選手権でラインズマンのインチキにより優勝を逃した。彼に片思い中の浅倉未久は心配で、彼の義妹のひろみに様子を聞くが、「あんなやつ、兄とは認めない!」と怒りをぶつけてくるのだ! テニスが結ぶハイティーン・ラブ、第1巻。
ラグーンまで…
姉の恋人をひそかに思い続けて3年。七星(ななえ)は姉の代役で、釧路から3年ぶりに帰京する彼を出迎えるため羽田にいた。だが現れたのはやはり代役の涼介。七星が偽って姉になりすますと、涼介は七星を連れてUターン。謎めいた出会いに隠された真実とは…? 【同時収録】猫のひたいがみる夢は…/グレイに哀しいね
Boo Boo
【主人公の愛称はブウ、いつもブウブウいってるけど素直になりたい女の子♪】女子高生・石丸結(愛称ブウ)は両親が海外暮らしのため、姉夫婦とその息子・円と同居中。迷子の円を保護してくれた六田くんは義兄で教師の教え子で超ボジティブ男で…。慎重派・結のコミカルなラブストーリーの幕開け! 第1巻!
美人はいかが?
【男まさりな女の子が美人をめざす!】ハイスクールに通うサニーは16歳。4人の兄に囲まれて育ったせいか、見た目も性格もまるで男の子。そんな妹を心配した兄達が奮起し、サニー改造計画を開始する! しかし、前途は多難…。そんな中、サニーは何かと衝突する同級生・マリオンに挑発され、ポスターモデルに応募することに!? 【同時収録】この恋いただき!
となりの住人
【悪い評判の隣家の男…その正体とは!】引っ越した慶子のアパートの隣人は、周囲から警戒される挙動不審な男だった! 女性を追いかけ回しているという噂も…。ある日、ついに慶子の背後であやしいシャッター音が…? やさしくてせつない岩館ワールドにようこそ! 【同時収録】さたでい・ぱあく/約束/メモランダム
「あなたはレモンのような人だ。さくらはサクランボだな」 クラスメイトさくらの兄・圭一から言われた日、礼子は一人レモンを齧る。このすっぱさは、始めたばかりの学園生活=青春の味。不良グループとのいざこざ、心中事件、生徒会選挙、学期試験、そして、クラスメイト峰に寄せる淡いほのかな想い。しかし、彼の過去には隠された秘密が……! 悩み多き高校生活を綴る不朽の名作!
るうは7歳の明るい女の子。人より少し失敗は多いけど、大好きな人たちに囲まれて幸せな毎日。ところが、“跡継ぎのためにるうを養女にする”とおじいちゃんが言い出して、事態はややこしいことに…。表題作ほか3編を収録。 【同時収録】6月・雨の降る街から/8月・銀河にむけて/鏡の中の華子へ
五番街を歩こう
初子、文沙子、都。五番街で繰り広げられる愛のかたち。それぞれの想いが辿り着く先は…。オムニバス形式で綴られた表題作のほか、「月夜のつばめ」を収録。
単行本タイトルはシリーズ名であり、このシリーズは1987年に週刊マーガレットにて掲載された。シリーズはそれぞれ「金魚草のこころ」、「紫陽花の陰に猫はいる」、「カルミア」というサブタイトルが充てられた3話から成る。単行本には短編「月夜のつばめ」(1988年発表)も収録されている。ここでは「五番街を歩こう」シリーズについてのみ記す。 岩館作品を熱心に読めていないため見当違いかもしれないが、シリーズ3話全てに結婚という概念が登場するのが本作の特徴だ。結婚する・しない、結婚後の行き違い、別れた後が物語の要素になっている。それは直接的にあるいは形を変えて登場人物の心に陰を落としているが、物語の最後には解決をみる。この解決は風が通ったような心地よさをもたらし、どこか楽になれた気がしてくる。また、登場人物の悩む内容には読者にとってもわかりポイント(現時点でそう思っているでもよいし、もし登場人物と同じ立場だったら確かにそう思うだろうなーでも構わない)があり、それも心地よさに作用している。 五番街という地名はおそらくニューヨークの五番街(Fifth Avenue)からとったネーミング。ネタ元の街並み通り、作中の街も当時の都会的なビル街となっているが、たまに出てくる庶民的なアイテム(ちくわとか……)やあんまりかわいくない猫にくすりとさせられたりもする。これらの要素は突き詰めると矛盾しているように思えるが、あまり世界設定にはこだわるなということだろう。こだわらない分、物語に集中できる効果もあるかもしれない。 岩館作品に共通しているあまりにも繊細で美しい絵も大きな魅力だが、たまにあるコメディチックな表情付けや演技もほっと一息つけて良い。 前述の通り、本シリーズは結婚という概念の存在感が大きい。つまり、所謂大人の世界を描いている。それが週刊マーガレットに掲載されていたと考えると驚いてしまうが、「五番街を歩こう」~「月夜のつばめ」以降は週マでの作品掲載がないことから、岩館先生の描きたいものが変化していっていると捉えることもでき (作品世界と混同するのは良くないが、3話の終盤の台詞にそのニュアンスを感じる)、そういった意味では過渡期の作品であるかもしれない。前後の作品を読み、その変遷について考えるのもいいだろう。自分はそうしてみようと思います。