【特別版/書籍発売時、一部書店用に書き下ろされた番外編収録!】病に冒され、人生のほとんどをベッドで過ごしてきた旭飛は、たまたま見ていた映像に釘付けになった。そこには、幼い頃、誘拐された自分を助けてくれた男・カミーユが映し出されていたから。その時の彼の言葉と印象的なタトゥーは今も旭飛の心に強く残っていた。再発の危険を抱えながらも大学生となった旭飛は、パリの街でカミーユと再会する。しかし、彼はマフィアの幹部だった……。生きる世界があまりにも違う二人。旭飛を突き放すカミーユだが、旭飛にとっては、生きる糧だった彼を忘れることなどできるはずもなく。身体だけの関係でもいいと懇願するが――。
【特別版/書籍発売時、一部書店用に書き下ろされた番外編収録!】調律師の凪は男手ひとつで息子・輝を育てていた。ある日、仕事先の屋敷で突然、見知らぬ青年に襲われてしまう。端正な顔立ちに威圧感を漂わせた男・玲央は、凪のことを男妾だと誤解していた。だが輝のお陰で、その誤解も解け、玲央は凪の手料理に喜び、度々食事を共にするように。そんな穏やかな時間は、元妻の出現によって壊されてしまう。最愛の息子を奪われそうになり、不安定になる凪を、玲央は傍にいて抱きしめてくれた。玲央に惹かれていく凪だが、大企業の後継者である玲央との身分差を思い身を引く決意をして――。
【特別版/書籍発売時、一部書店用に書き下ろされた番外編収録!】山奥でひっそりとレストランを営む透也には、人には言えないある秘密があった。店には、自分の料理を認めたお客だけ。毎日は穏やかに過ぎていた。だが、そんな素敵空間は謎の男・仙堂の出現で壊されてしまう。料理に注文をつけ、自分を呼びつけるためだけに自宅のキッチンを大改造する始末。さらに、売り言葉に買い言葉で仙堂と抱き合うように。傲慢に見えた男に優しくされて、身体と共に心も懐柔された頃。油断した透也は、思わずアレを出してしまい!?
【特別版/書籍発売時、一部書店用に書き下ろされた番外編収録!】僕は二度、捨てられた――。借金のかたに尋希を買ったのは、蒼い瞳をした外国人・リーゼルだった。売られるのは二度目。初めは四歳の時、わけもわからず老夫婦の元で過ごした。そして今回は、余命短い祖母のため、尋希は男の慰みものになる覚悟を決めた。そして始まったリーゼルとの生活は、セックス以外は、とても平穏で……。何を考えているかわからないリーゼルが、実は不器用な性格だと知り、惹かれていく尋希。だが、ある日なぜか豹変したリーゼルに無理やり犯されてしまい――。
【特別版/書籍発売時、一部書店用に書き下ろされた番外編収録!】「可愛すぎて、もう限界」真面目で堅物な学生・大地が出会ったのは、綺麗なのに天真爛漫な伽羅だった。初対面の時から好意を隠そうとしない伽羅にロックオンされた大地は、いつも押されてばかり。だが、過去のトラウマが原因で愛を信じられない大地は、伽羅の囁く甘い言葉を受け入れられずにいた。ふとした瞬間、すぐに自分の殻に閉じこもろうとする大地を、明るく包み込んでくれる伽羅。その笑顔の裏に言い知れぬ秘密があると気づいた大地の唇を、伽羅はキスで塞いでしまい――!?
「何が起きようと、この愛だけは変わらない」山荘で暮らす美咲は、ある日遭難した紳士を助ける。だが、彼は記憶を失っていた。吹雪が落ちつくまでの間、美咲は彼をクラウスと呼び、共に暮らすことに。思い出せない不安から頑なだったクラウスも、美咲の手厚い看護で次第に心を開いていった。天涯孤独の美咲にとっても、優しい彼に恋をするのは必然だった。二人きりの甘い蜜月生活。しかし、それはクラウスが姿を消したことで終わりを告げた。町に下りた美咲は偶然クラウスを見つけるが、彼は財閥の総帥で、更に美咲のことを忘れてしまっていて……。
「シンデレラ――きみを愛している」両親を亡くし、毎日継母達にいじめられていた希望は、ドレスを着せられ無理やり連れていかれたパーティーで、冷たい目をした紳士・レオに出逢う。第一印象は最悪で、忘れようと思っていた矢先、彼は希望の働く洋食店に現れた。あの夜に会ったシンデレラを捜しているというレオに本当のことを言えず、希望は咄嗟に嘘をついてしまう。罪悪感を抱きつつ、一緒にいる機会が増えていくうち、希望はレオのことが気になるようになる。彼が求めているのは「幻の彼女」なのに……希望の心は揺れてしまい!?
「男なら誰にでも脚を開く淫売が」借金のかたにオークションに出された真を助けてくれたのは、金髪の青年紳士クラウス。しかし彼の興味は真ではなく、亡き曾祖父の遺産だった。身に覚えがないという真に、クラウスは屈辱的な責め苦を与える。仕込まれた媚薬に身悶える姿を嘲笑い、秘められた淫らな本性を暴くような凌辱。身体以外は何もない真に逆らう術などなかった。だが屋敷に囲われ、傍にいるうちに真の感情にある変化が現れ始めて……。
大学生の真咲は、艶やかな笑みを浮かべ夜の街を歩く小悪魔。ある日入ったバーで、中学時代から想いを寄せていた貴尚に出逢う。思わせぶりな態度で彼を誘う真咲。貴尚が自分に興味を持つのはわかっていた。今の真咲は、彼の心に棲む「あの人」のコピーだから。本当の自分では絶対に好きになってはもらえない。貴尚に愛されるたびに悲鳴を上げる自分の心に真咲はそう言い聞かせた。しかし、仮初めの幸せも長くは続かない。「あの人」が帰ってきてしまったから……。
両親を亡くし、叔父達に虐げられていた優樹は家出し、同じように傷つき疲れ果てていた秀隆と出会う。その夜、互いの傷を癒すように寄り添い眠った。連れ戻され、叔父の取引先の老人の慰み者になるしかなくなった時、二人は再会する。従姉の婚約者として現れた秀隆は、投げやりになる優樹を慰め憤ってくれた。どうせ奪われるのなら……と、優樹は初めてを彼に捧げた。老人に嬲られる日々、秀隆との逢瀬を心の支えにしていた優樹。だが、その行動や言動に変化が現れ、次第に秀隆が分からなくなり??。
幼かった利久は事件に巻き込まれ、傷心のまま日本を離れることになる。八年後、帰国した利久が向かったのは、事件のせいで連絡が取れず白紙となった元婚約者の屋敷だった。だが、現れたのは彼女の兄・義直。穏やかだった昔の面影はなく厳しい表情の義直は、謝ろうとした利久に「自分の会社で働け」と命令する。理不尽な命令に戸惑いながらも、喜んでしまいそうになる利久の心。何故なら、本当に好きだったのは義直だったから。決して伝えられない思いを抑えつつ、傍にいられることに淡い幸せを感じていた利久に、再び事件の魔の手が忍び寄り……。
月一滴
――誰かの一番になりたい。ドアマンの橋本は、ゲイでいつも男運が悪かった。二股、暴力……普通の恋がしたいだけなのに、付きあうのはみな酷い男。最近も傲慢で橋本を馬鹿にしてばかりの飯島という男に言い寄られていた。ある日、橋本は飯島と口論になり殴られてしまう。その時偶然居合わせたバーの常連の嵯上に助けられる。嵯上の柔らかな優しさに癒され、嵯上もまた橋本の純粋さに惹かれ、二人は少しずつ距離を縮めていくが……。