しょせん他人事ですから ~とある弁護士の本音の仕事~

インターネットで誹謗中傷。した側、された側のその後。

しょせん他人事ですから ~とある弁護士の本音の仕事~ 左藤真通 富士屋カツヒト 清水陽平
ゆゆゆ
ゆゆゆ

リツイート(リポスト)も誹謗中傷しているうちに入ると聞いたのはいつだったか。 作中2巻でも、ばっちり開示請求行きになっています。 物語の端々で、こうするとこうなるのか、ああそうか、と思ってしまいます。 教科書代わりに漫画で勉強したり、子供に覚えてもらうのも良いかもしれないですね。 もう数年したら、この漫画に書かれている内容も「今はこんなに甘くないからw」と言われるのかもしれませんが、良い勉強になります。 法律や裁判という点では、添付画像のシーンも印象的でした。 裁判は「私は悪くないのにどうして!」と言っている段階の、次の段階だとよく分かります。 X(Twitter)でお医者さんアカウントが続々と開示請求をし始めた時期を思い出してしまいます。 家族をも巻き込むので、自分はトラブルに足を突っ込まぬよう気をつけたいです。 それから、一巻最後のおまけ漫画にあった 「身内といえどしょせん他人事…そのときが来るまで分からない人が多いのです」 のコメントは、何事にもいえることだったので、そうよねと染み染み実感してしまいました。

しょせん他人事ですから ~とある弁護士の本音の仕事~

SNSの闇を知れる

しょせん他人事ですから ~とある弁護士の本音の仕事~ 左藤真通 富士屋カツヒト 清水陽平
六文銭
六文銭

SNS上の誹謗中傷によって自殺まで発展する事件をみると、他人事でありながら得も言われぬ不快感を覚えます。 実際、すごいですよね。 会ったこともない人間に対して「死ね」だの「消えろ」だの直接伝えられるとか。 恐ろしいです。 本作は、そんな被害者と法的措置をサポートする弁護士の話。 なんとも今っぽい題材で、内容自体、非常に興味深いです。 特に、誹謗中傷を書きこんだ人間の情報開示までの流れの、困難さは度肝抜きます。 また、名誉毀損にあたるあたらないなども、世間一般(というか私の尺度)よりも大分厳し目なのがびっくりしました。 そりゃ、ネット上の書き込みが何でも名誉毀損になったら裁判所はパンクするでしょうから、なんでもかんでもそうしないのはわかるのですが、どうも釈然としない。 加害者が 皆やっていることだから全く悪気がない むしろ被害者は言われて当たり前だろ みたいな態度をとる感じが、ホント胸糞悪い。 もっとも、ジャンルとしては「もやスカ」な題材なので、最終的にはきちんと成敗されるので、その点も魅力です。 読んでいてスッキリします。 ただの主婦だったり、会社員だったりが、ふとしたストレスのはけ口でしてしまう感じはSNS、現代社会の闇だなと痛感します。 余談ですが、開示請求されれば、いつどこで書き込んだかバレるようなので、会社PCでSNSとかはやめしょう。そう心に誓ったのでした。

こんな人生は絶対嫌だ

実話ベース?の悲惨な人生

こんな人生は絶対嫌だ 丸山ゴンザレス 船木涼介
六文銭
六文銭

こんな〇〇はイヤだ みたいなネタ的なタイトルですが、読むとわかります。 こんな人生イヤすぎです。 学校で地味で平凡すぎる主人公・紗希は、ひょんなことで校内のヤンキー集団と関わりをもってしまい、美人局に協力したことで人生の歯車が狂います。 いや、 父親は外で不倫をし、母親はアルコール中毒のように酒を飲んでは怒鳴り散らすような家庭内だったので、彼女の生活は最初から狂っていたのかもしれない。 美人局の悪行がバレ、被害者に住所を特定され、さらにそれがネットに拡散され・・・と とにかく、胸糞悪い展開が多いです。 主人公が、憐れで目を覆いたくなるような事ばかり起きます。 上記のような家庭だから、何が起きても、守ってくれる人はいません。 まさに救いがない内容。 原作者は、海外の危険地域に造詣がある丸山ゴンザレス氏。 本作最後に、解説と称して氏の「あとがき」があるが、海外を含めてあらゆるこの世の闇をみてきたようで、この悲惨な内容である本作も、実話ベースというから驚きです。 この先に何が起きるのか、ひとまず主人公の結末が気になってしょうがないです。 冒頭の不安しかないシーンとつながるのかな?