Silkyの感想・レビュー3件先生と生徒のそれぞれの片思いの話真空片戀パック 河内遙名無し表題作の「真空片戀パック」は全3話+描き下ろし後日談で構成されています。第1話は自分の母校に教師になって戻ってきた大人の女性が主人公。二日酔いで授業したりすることもあるちょっと不真面目な彼女が、園芸部の真面目系男子に告白されます。自分が学生だった頃から教師と生徒の恋愛を白い目で見てきたけど、好きと言われて意識してしまうと止まらなくなってきて、悩みながらも本気になってしまうという話です。第2話は告白した男子生徒の視点、第3話は彼に片思いしてる同級生の女の子の視点で描かれています。 その他にコーラスに描かれた初期短編が4本収録されています。アックスでデビューされた後に描かれたもののようですが、この頃の作風は共通していて丸っこくて可愛い絵柄です。高野文子先生に似ているなとちょっと思っています。料理と笑いとイケメンと!キッチン パレット~小麦の恋愛風味 修行仕立て~ 高田りえソラ料理がテーマの作品でありながら、哲理を始めイケメン揃いの男達。そして大富豪令嬢でありながら給料8万で自立を始める、近くに居たら楽しいに違いないちょっとずれている26歳小麦。美味しそうなイタリア料理が次々出てきて、読みながら食欲がそそられる。小麦の絶妙な褒め方は、厳しい哲理の怒りも消してしまう。恋バナ、イケメンという少女漫画要素がたっぷりだけど、料理もしっかりと描いている。お嬢様らしからぬ小麦の行動に思わず笑ってしまう、とても楽しくて元気が出る作品。空気な存在でも「味方」にはなれる理不尽のみかた 柳原望名無し誰もが「理不尽なしうち」は経験する。 仕事でも、私生活でも。 そして漫画やドラマの中では、それらの理不尽を スカッと解決してくれるヒーローが多数登場する。 頼れる家族や仲間、プロフェッショナルな弁護士や医者。 仕事人や魔法使いやドラえもんなど。 だがこの漫画「理不尽のみかた」の主人公・佐倉縁は、 凄腕だとか敏腕だとか豪腕だとかの解決人ではない。 検察審査会事務局員。 ザックリ言えば裁判所の事務員さん。 不起訴になった案件について、その判断が適当だったか 再検討をする場の運営に携わる公務員だ。 佐倉自身が理不尽に白黒をつけるわけではない。 はなからそんな裁量や決定権がない。 むしろ、徹底して第三者でいなければならず、 被疑者側・被害者側、どちらにも利益を提供しては いけない立場の人間だ。 あえて言うなら問題に対して無力だ。 その場の空気でいなければならない存在だ。 普通ならドライな感覚に徹して、 仕事を事務的にこなせばいい。 いっそ、他人の不幸は蜜の味、と楽しむことも可能。 だが佐倉は自身も過去に体験した理不尽を引きずっており、 毎日毎日、目の前で繰り広げられる理不尽群像劇を 見せつけられ、かなり疲れていた。 そんな佐倉のアパートの隣の部屋に、 イケメン外国人留学生が越してきて、 成り行きでボランティア的に観光案内をしたり、 天然ボケに振り回されることに。 より疲れてしまう佐倉だが、偶然の作用もありながら、 迷惑をかけたりかけられたりしたときの 心の持ち方など色々なことを考えるようになる。 そして「なにもしない」とか「できない」とか、 「仕方ない」ということにたいしての、 自分なりの答えを見出していく。 主人公は理不尽に対してオールマイティな解決策や 必殺技を持っているわけではない。 だからといって無気力無関心には逃げない。 空気の立場で出来ることを模索し、 カン違いや結果オーライなだけなこともあるが 理不尽なめにあって心臓がいたい人を 空気な立場で「味方」になって支える。 また、その空気感が適度に(自虐的だったりもするが) 明るくて前向きで良い。 理不尽話を少しだけれど笑い飛ばせる。 ちょっと独特な「理不尽の見方」をする個性的な漫画。
表題作の「真空片戀パック」は全3話+描き下ろし後日談で構成されています。第1話は自分の母校に教師になって戻ってきた大人の女性が主人公。二日酔いで授業したりすることもあるちょっと不真面目な彼女が、園芸部の真面目系男子に告白されます。自分が学生だった頃から教師と生徒の恋愛を白い目で見てきたけど、好きと言われて意識してしまうと止まらなくなってきて、悩みながらも本気になってしまうという話です。第2話は告白した男子生徒の視点、第3話は彼に片思いしてる同級生の女の子の視点で描かれています。 その他にコーラスに描かれた初期短編が4本収録されています。アックスでデビューされた後に描かれたもののようですが、この頃の作風は共通していて丸っこくて可愛い絵柄です。高野文子先生に似ているなとちょっと思っています。