コミッククリエイトの感想・レビュー27件ホラーというかモヤッとゾワッとさせられる短編集いんへるの カラスヤサトシstarstarstarstarstar_borderさいろくカラスヤサトシ先生は心理的な瑕疵を読者に残す。 単にトラウマというのとちょっと違って、報われない・救われない・気持ちが晴れない・振り返ると恐ろしいようなそんな描写が多く、理解の仕方は読み手に委ねられる気がする。 本作はすべて10ページないぐらいの短い短編で構成されているが、本当にスッキリしないモヤッとした気分や、最後まで来てゾッとさせられるようなそういう作品が多い。 これを描けるのは凄い。デビライザーが凄いな 悪魔を召喚するとは新装版 真・女神転生 デビルチルドレン ATLUS 藤異秀明名無しデビライザーが凄い「妖怪」を日本に流行らせた張本人ゲゲゲの鬼太郎 水木しげる名無し最近アニメがリメイクされて、猫娘が萌え萌えすぎてムフフなのですが、漫画版は全くムフフなシーンはありません。 結構怖い感じですね。 「妖怪」を日本に流行らせた張本人。 この漫画がなかったら、可愛い猫娘がいないと思うと水木先生には感謝です。ボンボンの不屈の名作の1つ新装版 ロボットポンコッツ グレイテスト編 レッド・エンタテインメント タモリはタル 下田淳 下田淳&レッド・エンタテインメントstarstarstarstarstar宮っしぃボンボン時代、当時最高にハマっていた作品 ゲームも子供ながらゲームボーイ、アドバンスの続品ともに数十時間以上遊んだ ポケモンの様に赤緑青形式で、それぞれ手に入るロボが違ったので、全部買って全部交換して揃えてたのが懐かしい 漫画としてはゲーム世界を上手く反映させていて、少年漫画感とロボバトルの熱い展開は大人になっても楽しめる ボンボン作品は完全版が出ていない限りなかなか読む事が出来ないが、完全版が出て1番嬉しかったのもこれ 当時の懐かしい気持ちもあって死んだら墓に入れて欲しい漫画の1つ 刑務所を楽しんでる刑務所の中 花輪和一starstarstarstarstarかしこムショ仲間の中には刑務官に可愛がられようとする人もいるんだけど、そういう人の話を聞いて「…ああおとなだわな心にグラインダーかけてるわ」「ちゃらついてるムショオタクとはえらいちがいだわな毎日火花散らして生きてるわな」と思ってる花輪さんの姿が印象に残りました。心にグラインダーかけてたらこんなに面白い漫画は描けないだろうからこれでいいんじゃないだろうか。続けて「刑務所の前」も読もうと思います!真鍋昌平の原点青空のはてのはて 真鍋昌平かしこ真鍋昌平の経歴を見てみると、四季賞の前に渋谷パルコのフリーペーパーが主催した漫画賞でしりあがり寿賞を受賞してるんですよね。え?なんでしりあがり寿?作風が全然違うじゃん!って違和感があったんですけど「青空のはてのはて」にその受賞作が収録されてて読んで納得しました。最初はしりあがり寿が好きそうな作風だったんですね。逆にいえば今の商業的に成功してる作品の根底にはこのアーティスティックな才能があるんだなと納得しました。この「青空のはてのはて」を読めば「闇金ウシジマくん」を描くに至るまでの道筋が見えてくるので、漫画は作品よりも作家を重視して読む方にオススメです。 個人的には「最後の居場所」という作品が一番好きです。絵柄も「青い春」の頃の松本大洋っぽくて自分好みだし、拾ったネズミがトラックに轢かれる描写とか見せ方もカッコいい。原点回帰みたいな感じでまたこういう漫画を描いてくれないかな。たまに読みたくなる名作だ完全版水木しげる伝 水木しげるマンガトリツカレ男「水木しげる伝 ボクの一生はゲゲゲの楽園だ」を改題したものだが「水木しげる伝 ボクの一生はゲゲゲの楽園」は読んでいないのでどれだけ差があるかはわからない。 内容は水木しげる自叙伝でのんのんばあとかと過ごした少年時代、戦時中南方な出征した時代、戦争が終わり復員後の貸本屋時代の話になる。大変な話が多いが何処か達観した内容でただ悲惨な話というわけでもなく面白い話になってる。水木しげるのインタビューも含めて面白い漫画だ。 「ビビビの貧乏時代 いつもお腹をすかせてた!」もセットでたまに読みたくなる名作だ 壮絶な過去を描いたキッド編も至高新装版 サイボーグクロちゃん 横内なおきみど丸『クロちゃん』のなかでも存在感のあるシリーズと言えば異世界編だと思いますが、わたしはクロちゃんとマタタビの過去を描いたキッド編も同じくらい好きです。 幼いクロちゃんがボス猫ゴッチ率いるネコのシマに流れ着き「キッド」としてどう生きたのかが描かれています。 拳銃を持った猫狩り人間の襲撃、凶悪なカラス軍団との死闘、対立する猫組織との抗争、内部での権力争い、そしてマタタビとの因縁…。 激情と暴力にまみれた闘争の連続はさながらギャング映画を見るかのような迫力と緊張感がありました。銃撃戦も爆発炎上も全部見れますからね。彼らは常に生と死の狭間を命懸けで生き抜いているんです。こんなハードボイルドな猫たち『クロちゃん』にしか居ないですよ。 とりわけクロちゃんたちの兄貴分であるグレーがカッコイイです。ゴッチの組織のブレーンでありながら、危険な役目を率先して引き受けたり、いつも強敵の前に立ちはだかっていました。 キッド編とは別に最終巻で描かれたエピソードでも彼がフィーチャーされていたのが印象深いです。「お前に見せてやりたい」と自分たちの世代の落とし前をつけ、若者を先へ進ませようという姿勢が心に沁みました。 このグレーの姿がその後のクロちゃんの生き様に刻まれているような気がしていて、クロちゃんを語るときに無くてはならない存在だなと思います。 #マンバ読書会弘兼憲史短編集8 レオは負けない 弘兼憲史短編集 弘兼憲史starstarstarstarstar_borderマンガトリツカレ男表題作の「レオは負けない 」以外の方が好きかな。「ドラフト」と「隠れ鳶」はお気に入り。 「ドラフト」のようなヒューマニズムが溢れた漫画は何回読んでもいい 弘兼憲史短編集7 サンシャインロード弘兼憲史短編集 弘兼憲史starstarstarstarstar_borderマンガトリツカレ男作者本人が書いている通り「ヒューマニズムを描くにはどういうモチーフであろうと関係ないんだと思います」がわかる短編集 表題作の「サンシャインロード」と「監督日記」がむちゃくちゃ面白い。 試合後のトレーナーのセリフはマジでよかった。結局勝負ってのはこうじゃないと面白くない。この冷徹さも含めてやはり弘兼憲史の漫画は面白い 弘兼憲史短編集6 私が愛した魔女弘兼憲史短編集 弘兼憲史starstarstarstarstar_borderマンガトリツカレ男魔女や超能力者やドラキュラなどの短編集。弘兼憲史の短編集を読めば読むほどネタの引き出しの多さの凄さに衝撃を受ける。あとスマートではない人間の仕草や描写やむちゃくちゃうまい気がする。この中だと「シクラメンのかほり」が好きかな。 俺が持ってる文庫版の帯では全6巻と書かれているけど9巻まで出ているんだな...弘兼憲史短編集5 私の赤ちゃん弘兼憲史短編集 弘兼憲史starstarstarstarstar_borderマンガトリツカレ男SF短編集だった。 表題の「私の赤ちゃん」と「指定席」が面白かった。 「私の赤ちゃん」のオチが面白いんだがこれ日常の仕事でもありそうなミスだったし、「指定席」は冴えないサラリーマンのドッペルゲンガー現象により生活が一変するが、生活が一変する方法の再現性を考えたりして面白い。 一番好きなのは弘兼憲史の「自分はSFは好きなんだと、描きながら気が付きました。UFOは大好きですが、存在は全く信じていません。」のコメント 還らざる時ホテルポパン 有間しのぶナベテツ心に傷を受け、膝を抱えてうずくまっていた少年の記憶。何に涙していたのかもう思い出せないけれど、悲しみが胸にあったことは覚えている。泣いたり叫んだり、衝動を抑えないでいられた日々を、ふと思い出した作品でした。 少年が少年でいられない日々から、少年に戻ることを許された場所〈ホテル・ポパン〉に辿り着くところから物語は始まります。そこで出会ったのは、時計を止めてしまった幽霊のような美女。彼女もまた、辛い過去を抱えたまま、大人になることを拒んでいました。 倒産寸前からホテルは再生し、またホテルで働く人々も、それぞれの抱えた過去から解放されて行きます。 有間先生の作品はこのマンガが初めてだったのですが、出会えて良かったタイトルでした。 弘兼憲史短編集4 朝の陽光の中で弘兼憲史短編集 弘兼憲史starstarstarstarstar_borderマンガトリツカレ男弘兼憲史短編集の中で一番好きな巻だ。 弘兼憲史の描く時代劇はどれも面白くて好きなのだが、特に好きなのは「こんにゃく侍騒動記」と「竹光武士道」だな これに掲載されているのはビッグコミック賞での準佳作や佳作の時の漫画もあり弘兼憲史という偉大な漫画家の初期作品を知るにはちょうどいい短編集だと思います。 「江戸火消物語」は面白いがビッグコミック賞の準佳作と言う扱いだったので気になって調べたら同じ時に谷口ジローと一ノ関圭がいた...大人も子供もゲゲゲの鬼太郎 水木しげる名無し私が子どもの頃からある漫画ですが、何度読み返しても夢中になってしまう不思議な魅力があります。子どもの頃は不気味さや怖さが多かったですが、今読むと人間関係の深さも感じられ読むたびに新しい感情がわいてきます。怖いだけでないというのがゲゲゲの鬼太郎の名作と言われるゆえんだと思っています。 また、いま8歳の子どもも私と一緒にこの漫画を読む事に夢中になっています。時代を超えて親子で楽しめるとても貴重な漫画です。猫に支配される幸せやぶとはなもも 有間しのぶnyae猫を飼うと決めた人は生活が猫に支配されることを覚悟しなくてはならないが、それこそが猫飼いにとっての幸せである。 猫飼いは相手の人が猫飼いだと知ると目だけで「ですよね、わかります」という会話ができるらしい。言葉はいらない。 この漫画は全ての猫が幸せであるようにと願う人に捧ぐ猫好きによる猫好きのための猫漫画です。 内容はほぼずっとこんな感じ。 弘兼憲史短編集3 美人劇場弘兼憲史短編集 弘兼憲史starstarstarstarstar_borderマンガトリツカレ男バブルっぽい職業設定やセリフがたくさん登場する恋愛メインの短編集。 黄昏流星群の若い版ともいえそうだけどまたちがう感じだ。 「ニートな午前3時」と「M氏の遊歩道」がお気に入り 弘兼憲史短編集2 刑事の紋章弘兼憲史短編集 弘兼憲史starstarstarstarstar_borderマンガトリツカレ男刑事/山岳ドラマ/学園物/サラリーマン/戦争物で俺が好きなテーマである「人間とは何か?」が描かれている短編集。ホットドッグララバイでも思ったが、ヒューマニズムに溢れた短編だけど、単純な良い話で終わるのではなくちょうどいい現実的な感じで終わるがいい。 特に表題になっている「刑事の紋章」はすごいいい短編だった。弘兼憲史短編集1 ホットドッグララバイの感想弘兼憲史短編集 弘兼憲史starstarstarstarstar_borderマンガトリツカレ男作者の生まれ故郷である「岩国」を舞台にした短編集 実際はそうではないのかもしれないが、作者の幼少期の原体験などが書かれているのかも思えるくらいリアルな描写が続く。米軍の基地がある岩国、そこで生活する人々の生活が実に生々しく書かれている。短編集の中で色々な事件が起きるのだが、米軍の基地がある事情や日米の力関係による現実的な回答の描写がすごい好き 完成された短編青空のはてのはて 真鍋昌平猫あるくウシジマくんの前に描かれたブラックユーモアが多めの短編集です。良作が多く、作者の感性を読者に媚びずに描ききっているので、強いメッセージが原寸大で伝わってきます。ザ・ハードボイルド…それがクロちゃんという猫だ新装版 サイボーグクロちゃん 横内なおきANAGUMA大人になって『ブラックサッド』というバンドデシネを読みました。ハードボイルドな黒猫の探偵ブラックサッドが主人公。骨太でビターな物語…実に素晴らしい作品です。 しかし。しかしだ。 我々はハードボイルドな猫を…それも黒猫を…他にも知っているんじゃないか…? そう、それがサイボーグクロちゃんです! クロちゃんはちょっぴりひねくれ者の黒猫で、ついでに不死身で最強のサイボーグです。 かつての仲間グレーやマタタビとの絆、電気スタンドのガールフレンドナナちゃんへの愛、異世界サバイバル編での誇りを賭けた死闘(※このマンガには異世界編があります)、辛い境遇に置かれたゴローとチエ子ら子どもたちへの想い…。 語り尽くせるものではありませんが、クロちゃんはいつも大切な誰かへのアツい気持ちを胸に秘めて戦っています。 不平不満を言いながらも、誰かが困っていたら必ず手を差し伸べてニヒルな笑みを浮かべて助けるのです。猫なのに。カッコイイ。 だから周りにはいつも賑やかな仲間が集っています。本人がどれだけ孤高を気取っていても…。 思えばこのハードボイルドな黒猫の生き様にずっと憧れている気がします。 クロちゃんはいつまでも僕のヒーローです。コミックボンボンの伝説的ハードボイルドアクションマンガ新装版 真・女神転生 デビルチルドレン ATLUS 藤異秀明ANAGUMA「ボンボンのベルセルク」とはよく言ったもので、およそ児童マンガとは思えぬハードな表現と展開で当時の小学生をビビらせつつも興奮させまくった本作。 原作は女神転生シリーズを子ども向けにリメイクした同名のゲームボーイソフトですが、原作プレイヤーが「なにかの手違いかな?」と思うほどのハードボイルドが盛られていることで有名です。 なんなら本家女神転生よりタフかもしれない。 主人公の甲斐刹那は小学5年生にしてデビルの使役者「デビルチルドレン」に選ばれ、魔界の騒乱に巻き込まれますが、巻き込まれ方からすごい。 自室が吹き飛び悪魔の召喚銃デビライザーを謎の配達屋から押し付けられたかと思うと、その配達屋が目の前で速攻息絶えます。いきなりハード過ぎる。小5ですよ? 基本このマンガでの「死」は身体が消えるとかファンタジーなやつじゃなく超フィジカルに訪れるので、現実的な死の感覚が子ども心に強烈に刻まれたわけです。(実際最初は怖くて読めなかった) 連載はじめの頃はキャラクターの頭身も子ども向けっぽいデフォルメが効いた感じなのですが、ふとした瞬間から筋肉が盛りに盛られたゴージャスな作画に吹っ切れていきます。 絵柄の変化と同時進行で周囲のキャラが次々に壮絶な最後を遂げ、主人公(※小5)の目がどんどん据わっていくのはマジの迫力。マーブルランド編に突入して刹那が再登場したときのゾクゾク感はそうそう味わえるものではないです。 『ベルセルク』と喩えられる最大の理由はおそらく同戦争編だと思いますが、こちらも出色の出来で、ラセツ族の兵士が自分のちぎれた腕を抱えて狂気の笑いを浮かべていたのをよく覚えています。大人になった今だからこそ「あ、それ描いちゃうんだ?」っていう凄まじさが分かりますね。 手加減無しで徹頭徹尾リアルに描写されたキャラクターの生と死、痛み、苦しみがあるからこそ、物語とキャラクターの生きざまに説得力があって、今でも十分楽しめるのはそういう理由なんだと思います。 子ども向けなのに云々を超えた重厚なドラマ、是非味わってほしいです。 はなもも可愛いやぶとはなもも 有間しのぶ大トロいかつい人と猫の組み合わせは鉄板ですね! とても癒される猫マンガです。私が思う芸術の力刑務所の中 花輪和一hysysk私が思う芸術の力というのは、元気や勇気をもらうみたいなポジティブなものではなくて、この作品のように「駄目さに誘惑する」力のことだ。殺人犯の口から人を殺す話を聞く、出所したら大麻を取りに行く約束をする、小豆とマーガリンを挟んだパンを隠れて食べる(見つかったら仮釈放取消し)…順風満帆、特に不自由のない人生を過ごしていたとして、「本当にそれでいいのか?」と語りかけてくるような体験が描かれている。読み終わってから冷静になって考えると、「やっぱこのままでいいや」と思うんだけど。 <<12>>
カラスヤサトシ先生は心理的な瑕疵を読者に残す。 単にトラウマというのとちょっと違って、報われない・救われない・気持ちが晴れない・振り返ると恐ろしいようなそんな描写が多く、理解の仕方は読み手に委ねられる気がする。 本作はすべて10ページないぐらいの短い短編で構成されているが、本当にスッキリしないモヤッとした気分や、最後まで来てゾッとさせられるようなそういう作品が多い。 これを描けるのは凄い。