概要
手塚治虫は生涯、700タイトル以上の作品を描きました。そこにはアトムやブラック・ジャックなど様々なヒーローを生み出してきましたが、それと同時にたくさんの印象に残るヒロインたちも描いてきています。 1953年に少女クラブで「リボンの騎士」を連載して以降、一時期は集中して少女マンガを描いていた時期もありました。しかし手塚作品の多くは少年誌・青年誌の作品という印象が強く、少女マンガはあまり知られておらず、また代表的な作品で描かれるヒロインたちもサブキャラという位置づけになっています。しかし手塚の描くヒロインたちには時代や社会を反映し、その時々の読者の憧れを象徴するようなキャラクター性があるのです。 今回の企画展は、そんな手塚治虫の作品に描かれるヒロインにあらためてスポットを当て、時代や流行、作家の女性観を追いつつ、一同に紹介していきます。少女マンガの可憐な少女主人公から、少年マンガに登場する勇ましいヒロイン、そして青年マンガに出てくる妖艶な美女まで、手塚作品に登場する様々なヒロインの競演をお楽しみください。