マッシュル-MASHLE-

ギャグでありながら少年漫画的なストーリーもしっかり

マッシュル-MASHLE- 甲本一
六文銭
六文銭

魔法が使えることがベースになっている世界で、主人公・マッシュは魔力0。 魔力の強さが権力の象徴であるため、魔法の使えないマッシュは「間引き」の対象として魔法警察に追われる・・・と思いきや、魔法の代わりにひたすら鍛えた筋力によって難なく撃退。 ただ、今後マッシュだけでなく家族も狙われることをネタに、魔法学校に行き成績優秀者の称号「神覚者」になれば黙認するという取引をもちかけられてしまう。 血はつながっていないが唯一の育ての親である「じいちゃん」との平和な暮らしのため、魔法学校に通うことになる・・・という流れ。魔力0なのに。 魔法と言いながら、あらゆることを脳筋ワンパンで解決する潔さにどハマリしました。 派手なアクションとテンポの良さ、腕力によってホウキとかの道具までも服従させてしまう意味不明な程よいヌケ感がクセになります。 また、少年漫画的な王道展開もしっかりあって、ライバルあり、学園内の抗争ありの、ギャグだけではない面白さもしっかりあります。 『ワンパンマン』とか好きだったら、たぶん好きな部類の作品だと思うので、おすすめです。

3分待って むぎ先輩

理系女子×理系女子×カップ麺 #1巻応援

3分待って むぎ先輩 七路ゆうき
兎来栄寿
兎来栄寿

最近は制約と誓約によって控えているのですが、基本的にラーメンが大大大好きです。シンプルでありながら奥が深すぎるほど深い、芸術的とも言えるフードであるラーメン。 その原点とも言えるのは小学生時代。カップラーメンやカップ焼きそばを食べてはその蓋を綺麗に洗い、ジャポニカの自由帳に貼り付けて、点数や寸評を書き加えた独自の「カップラーメンノート」を作っていました。 So as I pray, UNLIMITED CUP RAHMEN WORKS (その体は、きっとカップラーメンで出来ていた) と詠唱されてもきっと間違いではありません。近年も意識して食べる量は減らしていますが、食べる際にはちょい足しなども凝らして可能な限り美味しく頂いています。 そして言うまでもなく百合も大好物なのですが、そんな私にとっては最高でしかないマンガがこちらです。 えびを主な研究対象とする薬師寺つむぎ(通称むぎ先輩)と、その後輩である湯浅汐。 理系大学生にありがちな研究に追われる忙しない日々を過ごす彼女たちですが、つむぎが愛してやまないのがその合間のカップラーメン。 1巻の目次を引用すると 1杯目 恋と研究とカップヌードル 2杯目 傷心の夜にはマルちゃん 赤いきつねと緑のたぬき 3杯目 深夜のご褒美 でかまるバリシャキ!もやし味噌ラーメン 4杯目 一緒に食べようペヤングソースやきそば 5杯目 ちぐはぐなふたりと蒙古タンメン中本 辛旨味噌 6杯目 ヘルシー志向!わかめラーメン ごま・しょうゆ 7杯目 お部屋でチキンラーメンどんぶり プロローグ 出逢いとカップヌードルシーフードヌードル となっており、1巻では誰もが知るメジャーなカップラーメンがメインで扱われます。 つむぎが美味しそうにカップラーメンを頬張るときのリアクションが100点満点で1万点くらいあり、読んだらカップラーメンを食べたくなること請け合いです。そんなかわいらしいつむぎを見て汐が想いを募らせてしまう姿がまた良いという一粒で二度美味しい作品です。理系女子ならではの出逢いのきっかけを描いたプロローグがまた大変素晴らしいお点前です。専門的すぎて合コンでも男子にフラれてしまうつむぎを受け止められるのは、汐しかいないんだという必然性に納得感しかないですね。 私自身は文系ですが雑誌のNewtonを読むのも好きだったので共感できるポイントが多く、登場する専門的なタームがガチなのも好きです。 また、つむぎと汐以外にも4年の油小路さんと庄野さんというこちらはこちらで凸凹コンビなふたりも。こちらはこちらでまた美味しい関係性が育まれており、百合としての満腹感もしっかりもたらされる作品です。 好きなカップラーメンをあらかじめ買っておいてから読むと良いかもしれません。

ドラゴン養ってください

ドラゴンが焼いた焼きおにぎりを食べてみたい #1巻応援

ドラゴン養ってください 東裏友希 牧瀬初雲
兎来栄寿
兎来栄寿

今年は辰年なので、龍マンガやドラゴンマンガは積極的に推していきたいです。ということで、今日も良いドラゴンマンガが発売されました。 『スティアの魔女』の牧瀬初雲さんが元々は同人で描かれていた作品を、『しいちゃん、あのね』の東裏友希さんが作画を担当してリメイクした作品です。 皆さんも、一度はドラゴンと一緒に暮らしてみたいと思ったことはありませんか? 私はあります。とはいえ、大人になってから考えるとその大きな体を保つために必要な大量のカロリーを摂取するためにはどれくらいの餌が必要なのかとか、そもそも田舎の広い家でないと飼えないよなぁとか現実的なことを考えてしまうわけですが。 本作の主人公、村上もさまざまな苦労を抱えながらアパートの一室でドラゴンのイルセラと暮らしていくことになります。人外はしっかり人外であって欲しい、半端に人間に寄らないで欲しいと思う方は村上にとても共感できるのではないでしょうか。 上位種としてプライドは高いけれどチョロいところもあるイルセラとの掛け合いが面白く、ファンタジー設定を生かしながらコメディとしての楽しさが随所に溢れています。 「人間はホモ・サピエンス、賢い人という意味」 と伝えると 「思い上がってますね クソザコハダカザルとかで十分」 と返してくるシーンなど大好きです。 4話で描かれる人間の愚かしさを描いたエピソードなどはさもありなんという感じで、こちらもかなり笑えました。焼き氷屋さん、好きです。その前提となる、3話で焼きおにぎりを焼かされるドラゴンという構図も珍妙で良いです。 舞台となる辰居町は、読んで字のごとく竜神にも縁がありドラゴンと龍が共演していくのも辰年に読みたいドラゴンマンガとしてポイントが高いです。 商店街の皆さんやヒロインの犬飼さんも癖が強くて良いキャラしています。 たまに大きい設定が出てきつつも、概ねギャグに回収されていくので肩肘を張らずに気楽に読んで楽しめます。 おまけの番外編は、憧れが詰まったシーンが描かれています。私もドラゴンのお腹の上で午睡を楽しんでみたい! 見た目は高貴、中身は知的と見せかけて人間味溢れるドラゴンとの暮らしを楽しんでみたい方はぜひ。