死刑執行中脱獄進行中

短編集でも荒木ぶし

死刑執行中脱獄進行中 荒木飛呂彦
酒チャビン
酒チャビン

1995〜1999年に発表された短編を集めたものです。JOJOも4部の終盤くらいの時期以降の作品なので、すでに荒木先生も確固たるスタイルをお築きになられております。 こちらに収録された作品も、ちょっとおどろおどろしいというか「怖い」絵柄によるホラー・サスペンス作品ばかりで、いかにも荒木先生が作ったという感じがぷんぷんしてきます。というかこういった雰囲気の出し方が本当にうまいですね。絵柄だけではないと思うのですが、読んでると吸い込まれるようなこの独特の雰囲気。 内容自体はそれなりに楽しめるのですが、個人的には岸辺先生シリーズの方が好きでした。ストーリー自体はそれほどどちらが良いということはないですが、やはり岸部先生が狂言回し的なポジションで出てくると、なんとなく芯が一本通る感じがでて、好みの感じになります。 ちなみに岸部先生シリーズの第1作である懺悔室がこちらにも収録されていますが、それ目当てなら、せっかくですし岸部先生シリーズをお求めください。 ちなみにデッドマンズQに吉良吉影という方が登場するのですが、これって4部のと同一人物なんでしょうか??

ゴージャス★アイリン

世界のアラキ先生の初期短編集!!デビュー作も!!

ゴージャス★アイリン 荒木飛呂彦
酒チャビン
酒チャビン

世界の荒木飛呂彦先生ですが、当然その先生にも若手の頃はあられました。その当時の作品です。 アウトロー・マンというデビュー2作目の作品は、集英社の引っ越しの際に原稿が紛失したようで、掲載当時の誌面(ジャンプ?)からデジタル複製されたもので、ちょっと画質が悪いです。バージョンによって収録されていたりされてなかったりするようなのですが、こちらの電子書籍版には、キッチリ収録されておりました。 あと書き下ろしなのか、冒頭に今の画風で書かれた美女が載っています。ぱっと見、徐倫ぽくも見えるのですが、突然の出演すぎるので、誰なんでしょうね??謎です。 内容は、基本的にはJOJOに至るまでのある種修行時代の作品ですので、やはり世界のアラキ先生といえども粗さは否めないのですが、初期の西部劇やSF色が強い作風から、徐々に頭脳戦や特殊能力戦といったJOJOの作風に近づいていってるのが伺えるので、ファンにとっては貴重な資料だと思います。 個人的には魔少年ビーティーが好きなので、それの連載開始前のパイロット版が載っていて満足です。というか、もはやこれは魔少年ビーティーの単行本に収録した方がいいと思います。