明治45年、横浜『永真遊郭』にある老舗娼館『白鴎楼』の娘、時尾は捨て子だった自分を育ててくれた家と主人の康之介に恩返しをするために、自ら遊女になると決意をする。康之介は、時尾に諦めるよう話をするが、それでも想いが変わらない時尾に…。
大柄の外国人に襲われそうになった時尾を救ったのは、義兄・季郎だった――――季郎は複雑な心境の中、父親と時尾が住む『白鴎楼』を出て一人で住んでいた。季郎は時尾の事情を聞きつつ自分の想いを告げる…
季郎は、時尾を前にして父・康之介に投げかける、今までの自分の言動、そして今思い感じていることを。その言葉を聞き、康之介は改めて自分の想いに気付かされる。季郎、康之介2人のそれぞれの想いを受けた時尾は、戸惑いながらも答えを出す。父・息子・義理の娘、すれ違っていた3人の想いが新たな一歩を踏み出す――