あらすじ※本作は、「春が来た」(全10巻・双葉社刊)を底本とした合冊版になります。この世の苦労は百八。坂の両側に合わせて百八もの地蔵が並ぶ中仙道地蔵峠道、またの呼名を地蔵すがり坂。仏が百八体もあれば小便もひりかけ甲斐があると『小便参詣』を開始する鯉太郎兵衛と桜次郎兵衛だが、途中で力つき倒れてしまう。いよいよここら辺りが死に場所かと覚悟し、ふたりは雪の中で安らかに眠りにつこうとするが…。――年老いたふたりの男の余生を哀しくもユーモラスに描く、テレビドラマ化もされた傑作時代劇。